【少年のアビス】 1巻 2巻 ネタバレ 令児の死が始まる

 今回紹介する漫画は『少年のアビス』です!

 

 絶望の深淵に漂う少年のスーサイドラブストーリーとでも言いましょうか。世の中でこのようなことが起こっていてもおかしくない。私は読んでみてそう思いました。

 

 この世の中、未来に希望を持てない環境にいる少年少女たちは少なからずいます。しかし、良くも悪くもその子どもたちに手を差し伸べる大人もいるはずです。

 

 貴方がもしこの物語の主人公の少年だったら、手を差し伸べてくる大人の良し悪しがわかるでしょうか。大人の立場でも、少年の立場でも深く考えさせられるこの『少年のアビス』。

 

 悲しく、希望の見えないこの物語にはどんなメッセージがこめられているのか。この漫画の真意に迫っていきたいと思います!

 

以下はネタバレを含む記事です。ネタバレに抵抗のある方は見ないで下さい。

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あらすじ

 男子高校生の黒瀬 令児(くろせ れいじ)は、看護助手の母、引きこもりの兄、認知症の祖母との4人で地方の町で暮らしていました。

 

 母親に楽をさせるために、大学に進学せず、就職することを希望していた令児は、自分が町から出られない運命にあることを理解しながら漠然と日々を過ごしていました。

 

 しかしある時、令児の好きなアイドルグループのメンバーである青江 ナギ(あおえ なぎ)と知り合い、親しくなります。令児は身の上の話をしながらナギからの頼みで町を案内しますが、唐突にナギから2人で心中しないかと持ちかけられます。

 

 アイドルで人気者のナギはなぜ死を望むのか。そしてここから令児の絶望が始まるのです。

 

ネタバレ!深淵へ溺れていく

引用元:まんが王国

青江ナギの誘い 心中しようか

 進路相談で担任の柴沢 由里(しばさわ ゆり)に呼ばれた令児。大学進学を勧められる令児は「オレ、町を出れないんですよ」と答えます。その表情は人生を諦めているかのようです。

 

 しかしそんな訳ありの令児にも、心を許せる友達がいました。令児がチャコと呼ぶ女子高生、秋山 朔子(あきやま さくこ)です。この時、令児にとってチャコは唯一の心の居場所であり、今では大好きになったナギの存在を教えてくれたのもチャコでした。

 

 2人は町から出ることに憧れを抱き、チャコは大学進学を機に上京する予定でいます。しかし令児はこの町に縛られているのです。一番に令児を縛るモノは家族。

 

 兄は受験に失敗してから引きこもりになり、祖母は認知症、母親は一人で家族の面倒を見ながら家計を支えています。令児はそんな母の姿を見ていると、母を一人にさせられない、早く自分が稼げるようになって母を楽にさせてあげたいと思うようになったのです。

 

 次に令児を縛るモノは幼馴染の峰岸 玄(みねぎし げん)です。幼い頃、チャコがいじめに遭っているところを令児が助けようとしました。しかし非力のため返り討ちに遭う令児。そんな2人を救ったのが玄でした。

 

 玄は幼い頃の出来事を貸しにし、令児をパシリに使うようになりました。チャコはいずれ町を去ってしまう、そして家族と幼馴染に縛られる日々。そんな希望の見えない令児の前に現れたのはナギでした。

 

 ある日令児がコンビニに行くと、女性の店員が汚らしい男をコンビニ裏に引き連れていきました。女性が危ないかもしれないと思った令児は2人にそっとついて行きます。

 

 すると女性が男に売れ残りの弁当を与えていました。令児に微笑み去っていく男。そして女性を見た令児は気づきます。こんなド田舎にいるはずのない、アイドルの青江 ナギが立っていたのです。

 

 驚く令児にナギは、今夜町を案内してくれないかとお願いをします。憧れの人と2人で町を歩けるなんてと心が踊る令児。令児は身の上話をしながら、ナギを後ろに乗せて自転車をこぎます。

 

 ナギがこの町からいずれいなくなる人だから色々話せたと言う令児に、ナギはどこか悲し気な表情を見せます。ナギも何か問題を抱えているかのように・・・。

 

 2人が橋の上に辿り着いた頃、令児はナギに、ある小説の舞台となった場所が近くにあることを話します。すると「情死ヶ淵(じょうしがふち)」と呟くナギ。

 

 その小説を知っていたナギに驚く令児は、自分が知っている限りの小説の内容をナギに話します。その小説は似非森 浩作(えせもり こうさく)の「春の棺」。

 

 江戸時代初期、山の集落に外から絶世の美女がやってきました。村の男たちは皆その女性に恋をしましたが、その中の一人の男性と女性は相思相愛になったのです。村人たちはその男に嫉妬し、2人の恋を邪魔するようになりました。

 

 村から出ることも、結婚することも許されなかった2人は、嵐の夜、川に身を投げて心中してしまうのでした。そこからその場所は、情死ヶ淵と名づけられたそうです。小説には、その伝説の話に習って心中する男女の物語が書かれています。

 

 令児はその小説に興味を持ちませんでしたが、ナギは違いました。「一番幸せな死に方」で羨ましいと言ったのです。続けてナギは令児に話します。「私たちも今から心中しようか」。

 

 突然何を言うのかと驚く令児に、この先の令児の人生はつまらないと言い放つナギ。いきなり現れたナギが、なぜ自分のことをわかってくれるのか。一気に令児はナギに心を開き始めます。

 

 憧れのアイドル、ナギと一緒に死ねるなら、少しは生きてて良かったと感じる令児。最後にナギは“幸せ”と思わせてあげると言い令児を自分の家に誘います。

 

 令児にとっては初めての行為。ナギは慣れているような雰囲気を出し、令児を先導します。ナギに溺れていく令児。ナギは令児にとって救いとなるのか、そして令児にとっての救いとは何なのか・・・。

 

悪い男 似非森浩作

 令児がナギの部屋にいると、突然男が入ってきました。その男はコンビニで見たのと同じ人物で、しかもナギが夫と言うではありませんか。何が起こっているのかパニックになった令児は部屋を飛び出します。

 

 翌朝、その男が自転車を届けに令児の家にやってきました。令児の母は驚きます。その男は中学時代の同級生だったのです。自転車を届けて去っていく男。令児の母、夕子は暗い表情を見せ令児に言います。

 

 「あの人には関わらないで、悪い男だから」と。

 

 台風の日、学校が早く終わった令児はチャコの部屋でお互いの趣味の漫画を読もうとしていました。するとチャコは令児に小説「春の棺」を見せます。なんとその著者はナギの夫だったのです。

 

 小説の著者が似非森、その小説に心酔するナギ、そして似非森の同級生の母親・・・。令児は一気に多くの情報が繋がり混乱します。そして令児はチャコから似非森がどんな男か聞くと・・・。

 

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 似非森がクズで、出会ってはいけない人とチャコに教えられた令児。なぜナギはそんな男と結婚し、そして死にたがっているのか。台風の中令児はナギの元へ向かいます。

 

 コンビニで働いているナギを見つけると、令児はナギの手を引き走り出します。川の土手に辿り着いた2人。令児はナギに自分が抱え込んでいることをぶつけます。「全部捨てて町を出ていけば?令児くんの人生は令児くんのものだよ」と、優しく語りかけるナギ。

 

 令児はナギになぜ死にたいのか問います。しかしナギには死にたい理由などないのです。なぜなら、生きている理由がないから。

 

 嵐の夜、小説の主人公たちのように川へ入ろうとする2人。そこへ一人の女性が現れます。令児の担任、柴沢です。

 

あるまじき行為

引用元:まんが王国

 柴沢が来たことで興醒めしたのか、ナギはまた今度と言い去っていきました。令児は邪魔をされたと感じ、柴沢に嫌悪を抱きます。しかしすぐに身も心も脱力してしまった令児は、柴沢の家へと避難させられます。

 

 泥だらけの令児にシャワーを浴びるように指示する柴沢。令児は躊躇しますが、言うことを聞かなければ家に送り、事情を全て親に話すと柴沢は言います。普通の感覚であれば生徒を家に送るのが適切だと私は思ったのですが・・・。

 

 またそこがこの柴沢の奇妙な特徴でもあります。

柴沢は放心状態の令児に優しく話しかけます。令児の悩みを先生にも一緒に考えさせてほしいと。それに対し令児がこう返します。

 

 「オレの悩みは死んだらなくなります。だからもう邪魔しないでくれますか?それとも先生が一緒に死んでくれる?」

 

 今の令児にとっての救いはナギなのでしょうが、外部から見ると決してそうではありませんよね?この時の私は柴沢が令児を闇から救ってくれると思っていました。しかし・・・

 

 突然令児の携帯が鳴り、嘔吐する令児。その直後令児は、柴沢に「助けて」と言います。その言葉に何かの感情が芽生えた柴沢は、シャワーを浴びながら顔を赤く染めます。それは決して生徒に抱いてはいけない感情でした。

 

 令児を守れるのは自分だけ、必ず令児を助けると心の中で思う柴沢。この想いは歪んだものへと変化します。今後柴沢が相談に乗ってくれるなら家に帰ると言う令児に対し、まだ不安定な状態で信用できないと引き止める柴沢。

 

 強引に引き止めた結果、咄嗟に柴沢は令児にキスをします。我に返った柴沢と驚く令児。令児は柴沢も何か問題を抱えていると察します。そして柴沢は令児に悩みを打ち明けるのでした。

 

 そして柴沢は自分の欲望のままに令児を操っていきます。いけないと思いながらも、柴沢はそのスリルを楽しみだしたのです。

 

 柴沢は令児がなんでも受け入れることをいいように、夕子を悪者扱いします。夕子は令児を運命共同体とし、本当に愛してはいない。きっと自分が導いてみせると。

 

令児を想う人たち

 柴沢の家から帰宅した令児は少し気まずそうに家に入ります。柴沢の「母は令児に依存しているだけ、気にしなくていい」という言葉を思い出します。夕子におかえりと言われても顔を伏せる令児。

 

 母の顔を見ると気持ちが揺らいでしまうのか、夕子の顔を見ることができないようです。しかし、令児のために、好物のカレーを作って待っていた夕子。

 

 シャツがキレイねと夕子に指摘された令児は、話の腰を折ろうとしたのか、咄嗟に帰らなかったことを謝ります。すると令児に微笑む夕子。その笑顔はどこか不気味です。

 

 その頃、玄はナギの働くコンビニに向かっていました。そして玄はナギに指摘します。ナギはこの町のルールがわかっていないと。令児みたいな奴が、外からきたいい女と付き合うと、この小さい町では目立ってしまいます。

 

 そういうところから、怒りや嫉妬、歪みが生じると玄は言います。まさに小説「春の棺」のような話です。

 

 その後、ナギから令児は死にたがっているということを聞かされた玄は、ナギに忠告します。令児は自分のもので、勝手に自分の元からいなくなるのは許されないと。さらに、令児に二度と近づかないよう念を押します。

 

 自分と違って令児は愛されていると気づいたナギは呆然としました。

 

 何か伝えたい事でもあるのか、急いで令児の元へ向かう玄。令児を外へ連れ出そうとする玄に、「なに」と夕子は怖い表情を向けます。この2人、なにやら共通の秘密がありそうです。

 

 外に連れ出した令児に、玄は心中について問い詰めます。死にたいのは自分が追い詰めたからか?自分の傍で一生働くより死んだ方がマシか?と。そして最後に玄は言います。

 

 「お前、俺にまだ罪をかぶせたいのか」

そう言って玄は令児の額にある謎の傷に触れます。玄の言う罪も、自分の傷も理解できない令児でした。

 

 罪とは一体何のことなのか、そして令児の額の傷の原因とは・・・。

 

 令児を想う人たちの深淵への誘いに令児はどうなってしまうのか。

 

次回へつづく

 

登場人物

引用元:まんが王国

黒瀬 令児(くろせ れいじ)

 本作の主人公。引きこもりの兄、認知症の祖母、生活に苦しむ母と暮らす苦労人。未来に希望を見出せずナギの心中の誘いを承諾してしまう。担任の柴沢に救われるが、その柴沢にもいいように使われてしまう。自分を失った可哀そうな少年。

 

青江 ナギ(あおえ ナギ)

 令児の憧れのアイドル。なぜか歳の離れた似非森と結婚しており、似非森の地元に住んでいる。生きる理由がないということから令児を心中に誘う。令児を深淵へと誘いこむ人たちの一人。美しい容姿だが心は常に別の所にある雰囲気。

 

秋山 朔子(あきやま さくこ)

 令児の幼馴染。通称チャコ。将来大学進学を機に上京するため、学力の高い高校へ通っている。令児の唯一の心の支えで、令児の変化に気づき助けようとする。似非森のファンで彼の著書をいくつも持っている。

 

柴沢 由里(しばさわ ゆり)

 令児の高校の担任の教師。心中から令児を救った。教師として悩みを聞こうとするが、徐々に令児を特別な存在とし、自分の欲望のまま令児を操っている。柴沢にも悩みがあるにしろ、エゴの塊でしかない。

 

峰岸 玄(みねぎし げん)

 令児とチャコの幼馴染。幼い頃、いじめられていた令児とチャコを救ったが、それを貸しとして令児をいいように使っている。令児を追い詰めていると思われたが、実は令児を想っての行動だとも考えられる。

 

黒瀬 夕子(くろせ ゆうこ)

 令児の母親。認知症の自分の母親の世話をしながら家計を支えている。長男は引きこもりのため、令児を頼りにしている。しかし令児への想いは純粋なものではなさそうだ。

 

似非森 浩作(えせもり こうさく)

 夕子の中学時代の同級生で、ナギの夫。小説「春の棺」の著者。今のところ最も謎の多い人物だが、小説の内容がこの物語の根幹を担っていることから、重要な人物になっていきそう。夕子との間に何か因縁が?

 

少年のアビス 感想

引用元:まんが王国

アビスの意味がわかると震える

 貴方はアビスの意味がわかりますか?私はわからなかったので調べてみました。すると、深淵、地の底という意味がありました。つまり直訳すると少年の深淵、という感じでしょうか。

 

 少年が何かをきっかけに地の底へと沈んでいく物語だと想像できますよね。そして実際にこの漫画を読み始めると、そういう沈み方かと。ぞっとしました。

 

 将来に希望を見出せず、広い世界を知らない少年に手を差し伸べるのは、同じく絶望を抱えた大人たちでした。そんな大人たちは令児に依存していきます。助けてくれると思っていた人たちが、さらに地の底まで引きずっていくんですよ?

 

 恐ろしいですし、令児があまりにも不憫です。何を信じて良いのかわからなくなりますよね。そうなると何もかもどうでもよくなり、理性も失い、自分で自分の価値をどんどん下げていく令児。

 

 今後令児に救いはあるのか、どうかあってほしいと願うばかりです。そして令児を縛る元凶が・・・。

続きが非常に気になります!

 

まとめ

 今回は『少年のアビス』の1巻と2巻の内容をお伝えしました。いかがだったでしょうか?本記事ではお伝えしきれませんでしたが、原作には似非森とチャコの話や、柴沢の心が歪んでしまった理由などに触れることができます。

 

 絶望を抱えた大人たちは、過去にその原因となるものがあるんですね。ぜひ原作を読んで、登場人物たちが抱えているものに迫ってみてください!

 

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