『劇場版はいからさんが通る 前編』感想。これぞ少女漫画のTHE王道!

今回は、『劇場版はいからさんが通る 前編』の紹介をしたいと思います!

1975年から講談社の週刊フレンドで連載が始まった『はいからさんが通る』

タイトルは聞いたことあるけど・・・
どんな話なの?
大正時代の話だけど
今読んでも面白いよ!
詳しくはまず
あらすじを読んでみてね

実写版ドラマ化、映画化もされ、

2017年に、前編・後編の劇場版アニメーション二部作として、

42年の時を経て『劇場版はいからさんが通る』は公開されました。

 

同じく、2017年には宝塚歌劇団、花組で上演。

2020年には同じく花組にて、

柚香光、華優希のトップお披露目公演として上演され、

その未目麗しさはまさしく漫画から飛び出してきたような美しさでした!

 

大正時代を背景に、関東大震災を生き抜いたはいからさんの、

少女が大人になっていくまでを描いた、

少女漫画誌に残る傑作。

 

『劇場版はいからさんが通る』

 

今回は『前編』全3話の紹介です!

 

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『劇場版はいからさんが通る 前編』あらすじ

 

時は大正。花の浪漫。

女性の社会進出が始まってきた、そんな時代。

 

矢羽根の着物と袴で、颯爽と自転車を乗りこなし、

女学校へ行く主人公、花村紅緒(はなむらべにお)、花の17歳。

 

ケンカが強く、家事裁縫は一切できないおてんば娘。

 

ある日、お隣に住む1つ年下の幼なじみ、歌舞伎役者の女形で美少年、藤枝蘭丸(ふじえだらんまる)と凧揚げをし、

引っかかった凧を取ろうと木登りをしていた。

 

そこに軍服姿の外国人が現れ、

驚いて木から落ちた紅緒を見事にキャッチしたのが、

ドイツ人母と日本人の父を持つ、伊集院忍(いじゅういんしのぶ)少尉。

それが、紅緒と少尉の出会いであった。

 

 

2人は、紅緒の祖父と、少尉の祖母の代から決められた、許嫁。

 

武士の身分のひとつである、旗本の家柄の紅緒の祖父と、

朝廷に仕える貴族である、公家の血を引く少尉の祖母は、

明治維新前の、その時代では敵同士。

 

人知れず恋仲となったが、時代が邪魔をして結ばれることのなかった祖父母。

 

「平和な世になったらその時は2つの家を1つにしよう」

 

そう言って祖父母は別れた。

 

そして時は流れ、次の世代は両家とも産まれたのが男。

2つの家を1つに、というその約束は、その次の世代の紅緒と少尉にゆだねられた。

 

伊集院伯爵家の息子である少尉の父と、ドイツ人である少尉の母の結婚は許されず、

母親は少尉を祖父母に預けてロシア貴族へ嫁ぎ、

少尉の父は少尉を捨て、海外で他界した。

 

そんな少尉を育ててくれたのは祖父母であり、幼いことから聞かされていた祖母の願いを叶えるため、

少尉は紅緒との婚約を断るつもりはなかった。

 

一方の紅緒は、「自由恋愛こそ大正女子!」と言い、

決められた縁談を素直に受ける気もなく、

お隣に住む幼なじみの蘭丸と、かけおちをすることに。

 

蘭丸は幼少期から紅緒が好きでいたが、紅緒はそんな蘭丸の気持ちには全く気付いていない。

 

結局かけおちは、居酒屋でお酒を飲んだ紅緒が、

実は酒乱だったということが分かっただけで、

少尉が迎えに来てすぐに終わり。

 

その後すぐ、紅緒は花嫁修業のため、

少尉の家である伊集院伯爵家に行くことになった。

 

この婚約を破棄したい紅緒は、自分の家事能力のなさを見せつけ、

連日のように騒ぎを起こす。

 

そんなまっすぐな紅緒を近くで見ていて、少尉は祖母のためでなく、

少しずつ、紅緒に惹かれていく。

 

そんな紅緒も、優しくて笑い上戸で、

紅緒が連日起こす騒ぎに怒りもしない少尉に、惹かれは始めていた。

 

2人の距離が縮まってきた頃。

少尉が九州の小倉へ転属となる。

 

原因は、酒に酔った酒乱の紅緒が、

少尉の上司である印念(いんねん)中佐と派手なケンカをして、

印念中佐を怒らせてしまったこと。

 

自分が原因であることに反省をする紅緒だが、

少尉はそんなことは気にせずに、すぐ帰ることを約束する。

 

しかし、

少尉の率いる隊は、そのまま小倉からロシアへと行くことになってしまった。

 

ロシアで、少尉は隊の小隊長を担っていたが、

あらくれ者ばかり集められたその隊は、新しく連続してきた小隊長が気に入らず、

小隊長である少尉に突っかかり、部下である鬼島軍曹と小隊長の取っ組み合いとなる。

 

上官にケンカ騒ぎが見つかり、とがめられたが、

 

「揉め事の責任は自分にある」

 

と言い切った小隊長への部下からの信頼は一気に強くなった。

しかし、揉め事を起こした隊は、戦場の前線送りとなる。

 

まだ、自分の気持ちを少尉にきちんと伝えられず、

少尉が帰って来たらきっと伝えようと思っていた紅緒のもとに、訃報が届く。

ロシアでコサック(武装集団)に襲われ、少尉の消息が、分からなくなった、と・・・。

ロシアの地で、前線に出ていた自分たちの隊が、

後方から見切られることを察した少尉は、隊員に生きて帰ろうと告げた。

 

全員で戦線を駆け抜け、安全な場所に着いたが、

取っ組み合いのケンカをした後分かり合った、部下の鬼島軍曹の姿だけがない。

少尉は、小隊長として、鬼島軍曹を助けるため、戦線の真っ只中に1人引き返して行った。

 

そして、その後戻ってこなかったことを、

少尉が率いていた隊員から聞いた紅緒。

 

少尉の消息は分からぬまま、葬儀が執り行われることになった。

伊集院家の祖父母は、結婚したわけでもない紅緒に新しい道を進めるが、

紅緒はもう誰にも嫁がず、伊集院家に残り、支える決意をする。

 

紅緒の亡くなった母から引き継がれた、白い喪服。

意味は、

 

「あなた以外に嫁ぎません」

 

職業婦人が出始めていた時代。

紅緒は、家計の厳しい伊集院家を支えるため、

紹介された出版社で記者になった。

 

取材を進める中で、

中国に日本人の馬賊(馬に乗って荒らしまわる賊)がいる情報を掴む。

 

もしかしたら、それは少尉なのでは・・・と思い、中国に取材に行くことになった紅緒。

一方で、

少尉に似たロシア人が、妻を連れて夫婦で日本に亡命。

 

紅緒と少尉は、もう一度出会えるのか・・・。

中国の馬賊とは。

少尉に似たロシア人の正体は・・・。

後編へと続く。

『劇場版はいからさんが通る 前編』感想 

出会いから別れまで、なんとなく展開は読めるのに面白い!

 

大正時代・・・といわれても、何があった時代?と、思うくらい日本史は苦手ですが、

着物に袴姿で、多分、その時代の女性は、あまり乗っていないであろう

自転車に乗っている主人公の紅緒には、憧れがあるんですよね。

 

まだまだ女性の社会進出がなかった時代に、自分の主張ができる強さがいいなぁと。

一言でいうと、「カッコいい!」

 

当時は親の決めた縁談が当たり前だったにも関わらず、

縁談が嫌で(しかも相手はあんなにカッコいい少尉なのに!)家出してしまうとか。

 

しかも、家出した挙句、

道中で振られたケンカに見事に勝ち、その相手が紅緒の強さにほれ込んで、

子分になってしまうとか。

 

まっすぐな紅緒に、周りがどんどん惹かれていく辺りは、

THE少女漫画!という感じですね。

 

いつでも一生懸命で嘘をつかず、真っ直ぐなはいからさんに、

少尉も惹かれていったのですが、

 

まず、

 

木の上から落ちてきた紅緒を、

走ってお姫様抱っこでキャッチする少尉がカッコよすぎる!

 

そんなの、好きにならないわけがないのに、

紅緒は抵抗ばかりするんですよね。

 

じれったいながらに、お互いの気持ちが少しずつ近づいて行くときに、

しばしのお別れ。

 

前編は、紅緒が自分の気持ちに気付く所まで。

好きだと気付いたら、すぐにお別れ。

しかも、自分の気持ちは言わないまま、少尉は行方不明。

 

少女漫画の王道!という感じですが、

でも、王道って結局好きな人が多いんです。

 

だから「王道」なんですよね。

 

そんな『はいからさんが通る』劇場版の紹介です!

時は大正!矢羽根に袴のはいからさん

「はいからさん」と言えば・・・、というくらい紅緒の格好のイメージは、

紫色の矢羽根の着物に、袴姿。

 

学生の卒業式で、このはいからさんスタイルにした人も多いのではないでしょうか。

 

はいからさんの物語を知らなくても、この格好イコールはいからさん、

ということをイメージする人は多いと思います。

 

矢の柄は成長を願い、身を守る道具から、お守りの意味で描かれているそうです。

お正月に買う破魔矢とかも魔除けの意味ですものね。

 

はいからさんと呼ばれる紅緒は、

とにかく、女の子も憧れるくらい元気でおてんばでケンカが強い!

 

女子高にいたらモテるだろうなぁ紅緒は、という感じですね。

 

そんな紅緒は、もちろん親の決めた縁談に従う気などなかったのですが・・・。

これぞ王道!生まれた時から決まっていた許嫁

 

まず、出会い方!!

 

紅緒が木の上から落ちたところを、たまたま通りかかった少尉が、

馬から降りて走り、お姫様抱っこでナイスキャッチって!!

 

その時点で、なんで好きにならないのー!!

というくらい、

素敵な出会いの場面。

 

とりあえず、少尉がカッコ良すぎます。

 

もう一度言います。

 

少尉がカッコ良すぎます!

 

まあ、この時紅緒は、お尻を触られたと思って、

少尉のことを思いっきりビンタしたのですが・・・。

 

紅緒の父、花村陸軍少佐に用事があると、家を探していた少尉を案内した紅緒。

お茶も淹れることができない紅緒に、笑い上戸の少尉は笑いっぱなし。

 

そんな紅緒に、今日だけはきちんとするように言う父ですが、

そんな言葉で大人しくなる紅緒ではなく、庭で少尉に打ち合いを申し出ます。

 

2人の打ち合いを見た父から、

 

「伊集院少尉はお前の許嫁だ!」

 

と急に言われて紅緒が動揺したとはいえ、

紅緒に一本入れた少尉はさすが軍人。

 

少尉、見た目の印象とは違って、剣もケンカも強いんです。

 

父からの説明によると、

旗本である紅緒の祖父と、公家の家柄である少尉の祖母は、人知れず恋仲であったが、

時代背景により敵対する家柄であったため結ばれず、別れる時に

 

「平和な世になったらその時は2つの家を1つにしよう」

 

という、昔から決められた許嫁。

 

よくあるパターンかのしれませんが、これぞ王道!

決められた許嫁(しかもカッコいい軍人さん)は、憧れなんです!

孫には迷惑な話かもしれませんが・・・。

 

「自由恋愛こそ、大正女子の生きる道!」

 

決められた許嫁に否定的な紅緒に対して、自分を育ててくれた祖母の思いを受け止め、

話を承諾するつもりの少尉。

 

ここで、「ちょっと待ったー!」とばかりに

「ずっと好きだった」と紅緒に言って来たのが、

1つ年下の幼なじみ。

美少年歌舞伎役者、蘭丸。

 

これこれ。こういうのが少女漫画の王道です。

今まで意識していなかった相手からの急な告白。

気付いていないのは本人だけ、というよくあるパターン。

 

でも、とてもいい。とてもいいです。

 

紅緒は勢いで、蘭丸は紅緒を他の男に取られたくなくて、

2人で家出をするわけですが、

この家出の時、紅緒が着物でなくワンピース姿になります。

紅緒は、着物もお洋服も可愛いんです。

 

ファッションセンスが光りますね。

 

ちょっと調べてみたら、

この時代のお洋服は、本当にオシャレで可愛いんです!

 

紅緒のフリフリワンピースというより、

もう少し現代に近いワンピースを着ていたようですが、令和の時代に着ていても全く気にならないくらい可愛いデザインです。

大正時代には、

「モダンガール」を「モダ」と言っていたそうです。

 

ちなみに、紅緒の家は文京区小石川。

家出場所は、台東区浅草。

 

遠そうに見えて、徒歩で1時間半あれば着く距離。

意外と近い家出でした。

 

家出は、居酒屋で紅緒と蘭丸が呑んでいる所に、

少尉が迎えに来てあっさりと終わりますが、

紅緒が、実は酒乱だったことが発覚。

 

この酒癖の悪さが、後々少尉との別れに繋がるなんて・・・。

 

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はいからさんvs公家のお殿様

 

女学校で、学友の環の想い人が少尉だと知った紅緒。

友だちのためにも、どうにかこの縁談を壊したい所ですが、話は進み、

行儀見習い・・・つまり、花嫁修業のために少尉の家に行くことに。

 

しかし紅緒は、どうにか破談にしようと連日問題を起こし、

次々に、掃除、料理、縫い物など、全てにおいて自分のできなさを見せます。

少尉はそのたびに笑っているだけ。

 

失敗しても、失敗しても、笑って許してくれる少尉。

どこからその余裕と優しさが来るのか・・・。

紅緒はそれでもまだ少尉を好きにはならないんですよね。

紅緒、強し!

 

少尉の祖母は、昔恋仲だった人(紅緒の祖父)の面影を紅緒に重ね喜びますが、

少尉の祖父は、明治維新の時に敵であった、旗本の娘が気に入らない様子。

 

この、

はいからさんVS少尉のお祖父さん。

事あるごとにぶつかりますが、とうとう打ち合いにまで発展し、

見事、紅緒の勝利!

 

倒れたお祖父さんは、自分が旗本を嫌いなのは、

お祖母さんが結婚前に旗本と恋仲だったからだ、と紅緒に伝え、

それを聞いていたお祖母さんと、和解していきます。

 

紅緒は、というと、少しずつ少尉が気になってきているのか、

少尉が吉次(きちじ)さんという芸者の元へ通っているということを知り、

少なからずショックを受けます。

 

紅緒が少尉を!

気になってきました!

これはいい展開。

 

そして、蘭丸が、紅緒のことが心配だからと、伊集院家に女中として忍び込んで来ます。

さすが女形歌舞伎役者。

普通に女中になりきっています。

少尉には気付かれていましたが、少尉は何も言いません。

 

蘭丸が紅緒のことを好きだと知っているはずなのに。

何も言わない少尉に、紅緒もモヤモヤ・・・。

 

この辺りから、紅緒は少尉のことを結構好きなんだと思うんですよね。

前は気にしていなかった少尉の行動で、一喜一憂していますからね。

 

そんな矢先、蘭丸が、お祖父さんが大切にしていた、

10枚セットの皿の1枚を割ってしまい、

手打ちにされそうになったところで、紅緒が更に全ての皿を割り、

ここで紅緒の名台詞。

 

「皿1枚でひとりを切るのなら、

 残り9枚の皿を割れば、

 9人の人が切られねばなりません。

 その9人分の命を、わたくしが引き受けましょう。

 さぁ、お切りください」

 

カッコいいんですよ、紅緒が。

少尉だけでなく、紅緒の、守りたいものに対する気持ちの見せ方が本当にカッコいい!

例えお祖父さんが切らないと分かっていたとしても、なかなか言えないですよこんなこと。

そもそも、10枚セットの皿の残り9枚を一度に割るなんて・・・。

度胸がすごい!

 

そして紅緒は少尉の家をとうとう出て実家に戻りますが、

父が許さず、また少尉の家へ・・・。

と、素直にそうなるはずもなく、紅緒は、気になっていた芸者の吉次さんの元へ、

事実確認をしに行きます。

 

なんというか、行動力の塊なんですよね。

しかも、吉次さんとも仲良くなってしまうんです。

紅緒の、嘘がない真っ直ぐさは、周りを惹きつける力があるんでしょうね。

 

大正時代に女の子が夜中にひとりで出歩くことができていたのかは謎ですが・・・。

少尉が小倉。そしてロシアへ・・・

 

芸者の吉次さんと少尉は恋仲ではなく、

吉次さんが2世を約束した間柄だった人(つまり恋人)が少尉と同じ隊で、

その恋人が亡くなってから少尉が気にかけてくれていると知った紅緒。

 

安心してお酒を飲んでいると、

 

どう見ても悪役。

名前からして悪役。

 

印念(いんねん)中佐の登場!

 

まず、点々で描かれた眉毛って!!

 

これ、舞台化した時に、宝塚でどう表現するのだろう・・・と気になっていたのですが、

さすがに点々ではなく、極端な細いアーチ眉で再現していました!

 

まさかの宝塚で・・・。

再現力が凄すぎます。

 

眉毛で笑わせられるキャラ、私は印念中佐しか知りません。

 

紅緒の酒乱により印念中佐を怒鳴りつけ、

後日、紅緒が、伊集院少尉の許嫁だと知った印念中佐は、

それまでも気に入らないと思っていた少尉に目をつけ、九州の小倉に配属することに。

 

急な配属の理由が自分にあると知った紅緒は、

自分のせいだと落ち込みます。

 

家の木の上に登って、夜景を見ながら、

少尉のことを考えていた紅緒の隣に、座りに行く少尉。

 

夜風を浴びながら、夜景が眼下に広がるそんな場所で、

落ち込む紅緒に、

 

「好きでしたよ。ずっと前から」

 

って、少尉、ズルくないですか・・・。

 

その後にほっぺにチューって、

 

ベタ!

王道!

好き!

赤面!

 

ってなるやつです。

 

その時は何も言えなかった紅緒ですが、

小倉へ向かう少尉を見送りながら、心の中で、

 

「今度あなたがここに帰ってきたら、その時こそ私は言うの。

私は心から、あなたの花嫁です」

 

そう言う紅緒。

 

すぐに帰ってくると思っていた少尉は、

小倉からロシアにまで遠征になってしまいます。

 

シベリアの大地に咲く野イチゴの花、

マリンカのしおりを手紙に入れて送って来た少尉。

 

しかし、小隊長になった少尉の隊は、恋人に手紙を送っている少尉が気に入らず、

部下であるはずの鬼島軍曹はそんな少尉にケンカを吹っ掛けます。

 

2人は取っ組み合いになり、結果は少尉の勝利。

 

その強さを見た隊員は、鬼島軍曹を始め少尉のことを認めますが、

取っ組み合いの騒ぎを上官に咎められ、

その結果、前線送りになってしまいます。

これは最初の恋。そして、最後の恋

 

ロシアの前線で、後方に見切られた少尉の隊。

少尉の隊を犠牲に、後方が逃げ始めたことを察した少尉。

 

生きて日本に帰るために、小隊長として指示を出していく少尉もカッコいいんです!

そして、吹雪の中の戦線を、逃げられたと思ったその場所に、

全員の姿はありませんでした。

 

鬼島軍曹だけが、敵に囲まれ、逃げてこられなかったのです。

部下を見捨てることはせず、1人戦線の中に引き返していく少尉。

 

残された鬼島を助けるために戻るとか!

 

これ、

紅緒でも少尉と同じことをしただろうな、と思うんですよね。

 

自分より相手のことを考えて行動するのが、

2人共似ているんでしょうね。

 

少尉と鬼島軍曹は、コサック(武装集団)に襲われてしまいます。

そして、吹雪の中、鬼島が気付いた時には少尉の姿はありませんでした。

その訃報は、少尉の家に・・・紅緒の元に、届けられました。

 

少尉が帰って来ないことを、信じられない紅緒。

 

少尉のことを好きだと、本人に言っていなかったことを悔やみ、

まだ許嫁であることから、花村の家に帰るようお祖母さんに言われましたが、

家から持ってきた白い喪服を選び、

 

「これが私の花嫁衣裳」

 

と、長かった髪を自分で切り、覚悟を決めます。

 

白い喪服は、一生誰にも嫁がぬ印。

 

少尉がいないこの家を守ると決めたそんな紅緒の決心に、泣けてきます。

この場面、真っ白な喪服と、髪を切る紅緒の姿に、本当に泣けるんです。

 

ほんと強いな、紅緒は・・・。

 

幸せになって欲しい!

 

そう。応援したくなるから先が知りたくなるんでしょうね。

浪漫のかおり・・・職業婦人!

 

財産がない伊集院家を支えるため、職を求めた紅緒は、

「冗談社」という出版社で働くことになります。

はいからさんが通る、の出版社が「講談社」

からの「冗談社」

 

はいからさん、漫画には結構ギャグが多いんですよね。

劇場版にはほとんど入っていませんが。

 

職業婦人になった紅緒のお洋服もまた、デザインも色合いも可愛いんですよ!

あなたは少尉・・・?

 

女嫌いで、女に触るとじんましんが出る冗談社の編集長、青江冬星(あおえとうせい)に雇われることになり、

記者として働き始めた紅緒の元に、満洲を騒がせている馬賊が日本人らしい、

という話が入ります。

 

その馬賊が、元日本兵だという話を聞き、少尉かもしれないという気持ちから、

辞表を出して確かめに行こうとする紅緒を、

編集長は取材として出張で行くことを許可。

 

満洲へ向かう汽車へ乗ろうとする紅緒。

ロシアの衣装を着た、少尉に似た人の姿。

その人が、他の外国の女性と歩いている場面が映し出され、

 

この先どうなるの!?

 

その人は誰!?

 

少尉なの!?

 

と、なるのですが、

前編は、紅緒が満洲行きの汽車に乗るところで終わります。

 

中国に出没している元日本兵だと噂の馬賊は、いったい誰なのか・・・

少尉は生きていたのか・・・?

謎のロシア人夫婦とは・・・

 

後編に続く。

 

『劇場版はいからさんが通る 前編』感想まとめ

 

『はいからさんが通る』の漫画は、

1975年連載となると、アラフィフ世代の方々が読んでいたくらいになりますよね。

 

ゆうに42年の年数と経て、宝塚で舞台化されて劇場版にもなるとは!

 

ストーリーも面白く、時に笑い、時に涙。

テンポも良くて、人情味あふれるところが魅力なお話になっています。

 

結局、少尉も紅緒も行動がカッコいいんですよね。

展開は少女漫画の王道と言えるくらい、

素敵な出会いから始まり、

決められた許嫁。

そして、最初はそのつもりがないうちに惹かれ合い、

障害があり、そして・・・

という感じなんですけど、

 

次々と来る障害に大正時代の背景があり、テンポがよくて、とても面白いんです。

それと、紅緒の着ているものの話もしましたが、

漫画では分からない色合いも劇場版ではしっかり見られるので、

デザインだけでなく色合いの可愛さも分かりますね。

 

白黒の世界がカラフルに変わるだけで、

楽しく見ることができます!

 

前編だけで長くなってしまったので、後編と分けて記事にしています。

 

後編もお楽しみいただけると嬉しいです。

 

こんな人にオススメ!

 

オススメ

 

・漫画を読んだことがあってもなくても楽しめます

・少女漫画が好きな人

・アニメが好きな人

・THE少女漫画な展開が見たい人

・気になっていたけど今更マンガを買うのは・・・という人

・印念中佐の点々眉毛が見たい人

何回も漫画を読んで、

劇場版も見て、

舞台も観ても、

 

それでも毎回楽しめるはいからさんが通る。

 

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