「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」感想と考察~副題で泣ける映画~

「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」公式サイトより引用

 

 

突然ですが、大好きなシリーズ「夏目友人帳」の劇場版第1作目「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」について語らせてください。

「夏目友人帳」シリーズは、いわずとも知れた名作。
原作は累計1400万部を突破し、アニメも「陸」期…いえ6期まで放送されるという人気ぶりです。

万が一「夏目友人帳」シリーズは見たことない、知らないという人も、このニャンコ先生は見たことある人が多いのではないでしょうか。

 

アニメ 夏目友人帳 公式サイトより引用

 

個人的にはこのニャンコ先生と、主人公・夏目貴志(なつめ たかし)の関係がとにかく尊い!

そして、優しい世界観の中で描かれる、夏目の過去や葛藤が切なすぎる!

原作を読んでも、アニメを観ても、映画を繰り返し再生しても、興奮冷めやらず。
本記事では、夏目を中心とした関係図に、時に涙し、時に萌えながら、映画の見どころについて紹介したいと思います。

 

「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」とは

 

2018年9月に公開した、長編オリジナルエピソードの劇場版です。

TVアニメシリーズを手がけたスタッフが制作したこともあり、優しく切ない、繊細な世界観が描かれた作品でした。

 

ストーリー展開が気になる!という方向けに、下記の記事にネタバレをまとめております。

劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~ネタバレ!原作未読にも推せる名作



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「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の見どころ&感想

 

※以下、ネタバレ込みの感想になりますので注意!

 

【ここが語りたい①】シリーズ初心者でも観られる!

 

まずは「シリーズミリしらなんだけど、観られる?」というハードルを下げたいと思います。

結論から言えば、観られますとも!

導入から、夏目の過去が子供の頃の悪夢という形で描かれ、夏目自身の語りで彼の身の上が明かされます。

「小さい頃から時々、変なものを見た。他の人には見えないらしいそれらは、おそらく、妖怪(ようかい)と呼ばれるもののたぐい」

このモノローグは、TVアニメシリーズでもよく繰り返されていて、いわゆる「名探偵コナン」シリーズの劇場版お約束「オレは高校生探偵、工藤新一」という語りと、同じやつですね。

この語りの前後で大体、夏目の孤独な過去や妖との絡みが紹介され、私の推しであるニャンコ先生が登場。
妖に襲われる夏目を颯爽と…とは言いがたいですが、助けてくれることが多いのです。
ヒュー、かっこいい!

劇場版でもシリーズ初心者向けに、丁寧に物語の背景を説明をしてくれます。

そもそも「夏目友人帳」シリーズ自体が、基本的にはオムニバス形式になっていて、どこからでも世界観に入りやすいのが特徴。

  • 「友人帳」って何?
  • 夏目貴志の祖母・夏目レイコって何者?
  • ニャンコ先生と夏目ってどういう関係?

この三点がふわっとしがちですが、なんとなく下記を理解しておけばOK。

  • 「友人帳」とは、夏目レイコが作った強アイテムで、妖達は夏目のところに名前を返してもらいに来がち
  • 夏目レイコは、妖達と縁深く、謎の多い故人
  • ニャンコ先生は夏目を守る用心棒

劇場版でもこの設定がきちんと説明されるので、初心者でも安心して楽しむことができるというわけですね。

一点、難点を挙げるとすれば登場人物が多いこと。

しかし、夏目と複雑な関係の人物や妖が出るわけではなく、個人的には「どれか気になったキャラがいたら、シリーズを観てもらえるといいな~」と感じる程度の活躍。

「シリーズは観てるけど」という方向けに弁解すると、人気キャラクターの名取周一(なとり しゅういち)や、田沼要(たぬま かなめ)、犬の会の面々は大活躍するのでご安心を!

それに、登場人物が多いのは難点でもあるのですが、本作の魅力でもあるのです。

 

【ここが語りたい②】優しくて切ない「夏目友人帳」ワールド

 

孤独だった少年・夏目が、徐々に周囲の人や妖へ心を開いていく。

この様子こそが「夏目友人帳」シリーズ、最大の魅力!
作品自体に「夏目貴志の成長譚」という側面もあるのでしょう。

劇場版では、夏目がこれまで紡いできた縁が彼を助ける様と、孤独に慣れていた夏目が「ニャンコ先生を喪うかもしれない」という恐怖を抱く場面が描かれます。

これがまた萌えるんです…。
妖と関わりたがらず、人との距離感を掴みあぐねていた夏目が、ニャンコ先生のために知り合いの妖達に頼り、藤原夫妻や人間の友達と談笑したり相談したりする!

人にも妖にも、優しい存在がいて、自分は孤独じゃない。
そう実感する夏目が、ニャンコ先生を喪うかもしれないという恐怖を一人で抱える!

作中一貫して描かれる、夏目とニャンコ先生の絆は、微笑ましくもあって、その不器用さに涙もこぼれます…。
それが劇場版でも、それもこんなに丁寧に描かれるだなんて…!

孤独な青少年が、特定の存在のおかげで孤独を恐れるようになる…という性癖に刺さる作品であり、劇場版はそれを顕著に描いた内容とも言えるのです。

 

【ここが語りたい③】素直じゃなくて切なくて胸キュン!
ニャンコ先生を抱きしめる夏目

 

劇場版に限らず、シリーズ全体を通して語れる私の推しポイントが…ここ!

  • ニャンコ先生と夏目ってどういう関係?

これ、上記で用心棒って説明したんですけどね…ただの用心棒というだけでは片付けられないんです。

夏目にとってニャンコ先生は「初めてきちんと関わって、長期間一緒にいる妖」であり、いまやかけがえのない存在。
劇場版では、そんな存在と夏目は話すことができなくなってしまうのです。

その様子の不安そうなことときたら、例えるならば『魔女の宅急便』で飼い猫ジジとしゃべれなくなったキキのよう!
かわいい…じゃなかった、かわいそうで切なくて、観ていると胸が締め付けられます。

原作内でもニャンコ先生(含む妖全般)が見えなくなったときは、不安そうだった夏目。
劇中では話せなくなる上に、分裂したニャンコ先生達は一匹ずついなくなってしまい、ますます夏目の心配は募ります。

いなくなったニャンコ先生を探して、夏目がニャンコ先生と出会った場所に向かったシーンは、地味にお気に入り。

「覚えているだろう、先生」

残った一匹に語りかける、夏目の表情の優しいこと!
ニャンコ先生との出会いが、いかに特別なものなのかということが伝わってきます。
夏目の人生は、ニャンコ先生との出会いから変わったといっても過言ではありません。

その後、分裂したうちの一匹を追って失踪した、友人・多軌の記憶が同級生達の中から、薄れつつあることに気が付いた夏目は、子ニャンコ先生の向かった先である、津村親子の暮らす街へ向かいました。

いなくなったら記憶がなくなってしまう…ということは、ニャンコ先生も?

道中、そんな恐怖を抱えながら、夏目はバスに揺られます。
普段は口に出しませんが、ニャンコ先生が、夏目の誰よりも何よりも近い存在であることは明白。

自分がニャンコ先生のことを忘れるなんてありえない、でも忘れたらどうしよう。
まるで、夏目の心の声が聞こえてくるようでした。

ただの用心棒で、ちょっと迷惑な居候。
自分が「友人帳」の名前を返し終わるか、死んでしまうまでの関係。
いつもはそう言い張る夏目ですが、実際は登場人物の中でも一番に、ニャンコ先生のことを想っているのです。

話ができなければ心細くなるし、自分の中からニャンコ先生の記憶が消えるかも…と考えると、怖くてたまらなくなってしまう夏目。
夏目が怖くなったとき、真っ先に縋る相手もニャンコ先生です。

苦い思い出がある同級生・結城に、自分の居場所を乗っ取られるという、悪い夢を見た夏目は飛び起きます。
起きてみると、定位置で眠っていたはずの子ニャンコ先生がいません。
夏目は顔色を変えて、必死に子ニャンコ先生を探します。

見つけた瞬間、安堵の笑みがこぼれる夏目ですが、ほっとするなり、悪夢で抱いた不安が蘇りました。
心の隙間を埋めるように、子ニャンコ先生の小さな身体を、ぎゅっと抱きしめる夏目。
それはまるで、小さな子供が心の拠り所に縋り付くような…。

かーーーーーっ!たまんねえなーーーーー!その関係!

…と、叫びたくなる展開です。

ニャンコ先生は、夏目の用心棒であり、相棒であり、飼い主とペットの関係でもあり(どちらがどちらかという点は置いといて)、心の拠り所。
絶対的に信頼しているけど、友人とはちょっと違う。

その関係の、なんと尊いことか…!

 

【ここが語りたい④】素直じゃなくて切なくて胸キュン!
夏目を見守るニャンコ先生

 

用心棒として、夏目を守り助けるニャンコ先生。
他者に対し、夏目のことを「それは私のものだ」といってはばかりません(なんと劇中でも言っていました)。

夏目が死ねば「友人帳」はニャンコ先生のものですが、なんだかんだいって彼は夏目のことを、身を挺してでも守ってくれます。
劇中でも、夏目が崖から滑落しそうになるなり、すかさず助けに来てくれるヒーローぶり!かっけー!

ここ一番のところでは、本性である白銀の獸姿になるところもかっこいいです。

夏目が落ち込んでいても、目に見えて慰めることはありませんが、いつも夏目のそばにいるニャンコ先生。分裂して子ニャンコ先生になっても、一匹は夏目のそばにいてくれました。
それは、孤独だった夏目にとって、何よりも嬉しいことのはずです。

彼らを繋いでいるのは、出会った日に結んだ約束でした(詳しくはU-NEXTなどで、TVアニメシリーズ第1話を見てみてくださいね)。

夏目が「友人帳」で、レイコのやり残した(妖達に名前を返す)ことをやる。
その様を、ニャンコ先生は見届ける。
それがいつになるのか、そもそも夏目が存命している間に終わるかはわかりません。

夏目から「友人帳」を受け取るその日まで、と言いながら、ニャンコ先生は劇中ラストでも「見届ける」という言い方をしています。
これは、夏目がニャンコ先生に語った生き様を見届けるという風にも捉えられました。

 

【ここが語りたい⑤】メインもゲストも豪華な声優陣!しかし一部は…

 

「夏目友人帳」シリーズといえば、豪華声優陣で注目を集めた作品でもあります。

主人公・夏目貴志の声は、『進撃の巨人』リヴァイ兵長や『おそ松さん』の松野チョロ松を演じる、大人気声優の神谷浩史さん。

ニャンコ先生こと斑は『NARUTO-ナルト-』のカカシ先生、『ジョジョの奇妙な冒険』のカーズなど、多彩な声色で長く活躍されている、ベテランの井上和彦さんです。

そのほかにも、石田彰さん、岡村明美さん、木村良平さん、小林沙苗さん、佐藤利奈さん、沢城みゆきさん、ゆきのさつきさんなどなど!

超豪華声優陣が、脇を固めているのです。

そして劇場版のゲストキャラクターの声には、なんと島本須美さんという大御所&大注目の若手声優陣の一人である村瀬歩さんを迎えていました。

島本須美さんは、日本人なら一度は聞いたことのある名作『風の谷のナウシカ』でおなじみ、ナウシカの声優さんですね。

村瀬歩さんは『ハイキュー!!』の主人公・日向翔陽役で一躍脚光を浴び、現在は様々な作品で活躍している声優さんです。

島本須美さんは、劇中で夏目レイコと交流を持っていた女性・津村容莉枝役を穏やかに演じられ、その暖かな演技に何度涙を誘われたことか…!
心に沁みる、自然な声音でレイコや息子の思い出を振り返るシーンは、涙なしでは観られません。

村瀬歩さんは、夏目のかつての同級生である結城大輔を演じ、不安定な少年らしさを十二分に表現されていました。
結城の外見がぱっとしない感じなのですが、村瀬さんのイメージだった元気いっぱいの声とはかけ離れた、思春期の不安げな感じがリアルで「夏目と仲直りして~!」と思わずにはいられません。

実力確かな声優陣が占めているからこそ、少し気になってしまうのは、その他の声優さんです。

アニメ劇場版でよくある芸能人の起用として、俳優の高良健吾さん、お笑いコンビのバイきんぐが声優として参加していました。

高良健吾さんは、津村容莉枝の息子であり、作中のキーパーソンでもある津村椋雄役です。
自然体な演技ながら、全体的に見るとやはり、少し浮き気味に感じてしまったのが残念でした。

バイきんぐのお二人は、それぞれ夏目を助ける妖&襲う妖役でしたが、こちらも…まあ棒読み気味で、あまり上手とは言えません。

とはいえ、すごく気になるほどかと聞かれると、私は「聞き流せる程度」だなと感じました。

これは、叫ぶ演技や緊迫感のあるシチュエーションがなく、淡々と説明したり会話する場面が多かったことと、作品の穏やかな雰囲気のおかげではないかなと推測。

なので「棒読み声優がいるかも」「芸能人の起用が嫌だ」という気持ちだけで観なかったり、避けてしまうのは、少しもったいない作品とも言えます。



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副題「うつせみに結ぶ」の意味から見る「夏目友人帳」考察

 

唐突ですが、「うつせみ」とはなんでしょうか。

うつせみ=空蝉、言葉そのままの意味だと、セミの抜け殻のことを指します。
そして、うつせみという言葉にはもう一つ、この世に生きている人という意味があるということを、ご存じでしょうか。

私は学生時代のどっかで習ったような気がしていて…というか、知識として持っていたので、劇場版のタイトルを聞いたときは「ははーん、この世で夏目が結んだ縁とか、そんな意味合いの副題だな?」と、知ったかぶっていました。

しかし、劇場版本編を観てみると、なるほど深イイ…。

私は子供の頃から、セミが全昆虫の中で一番嫌いなので、やつらの抜け殻なんてものは、まじまじと見たことはありませんが…抜け殻の姿はセミの成虫とそっくりです(ああ…想像しただけでも本当に気持ち悪い)。

劇場版ゲストキャラクターで、夏目の前に現れた青年・椋雄の正体は、死んだ椋雄に成り代わった妖でした。
成り代われた、ということは、言わずもがなで本物にそっくりなわけです。

本物の椋雄がいなくなった後に現れた妖、彼の存在こそがセミの抜け殻的な意味の「うつせみ」であり、この世に生きている人間的な意味の「うつせみ」である夏目と縁を結ぶ話とも、副題からは捉えられます。

ここだけ見るとちょっと怖い話に思えなくもないのですが、妖が椋雄青年に成り代わった理由は、椋雄の母・容莉枝を守りたいという気持ちからでした。

椋雄の本性である妖は、容莉枝を幼い頃から見守っており、彼女が息子を喪って哀しんでいた様子も見ています。
憔悴した彼女が妖に襲われるんじゃないかと心配して、籠もっていた場所から出てきたところ、彼自身の持つ能力のせいで、意図せず容莉枝の息子と成り代わってしまったのでした。

それから8年間、彼は息子の椋雄として、容莉枝と過ごします。
その様子は、誰が見ても仲の良い似た者親子で、お互いを大切に想い合っていることがわかりました。
椋雄の本性を知っていて、ラストまで知りながら前半を観ると、泣けるのなんのって…。

そっくりだけど、本物ではない存在。だけど、結んだ縁までニセモノなのだろうか。

そんな問いかけが「うつせみに結ぶ」という副題からは、なされているような気がしました。
同じお題で、私が思いつくのは「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」です。

何かを模した姿をしていたら、それすなわち悪なのでしょうか。

椋雄に成り代わった妖は、少なくとも椋雄だった8年間は確かに「この世に生きている人」だったわけです。
セミの抜け殻的な「うつせみ」ではありません。

夏目も、祖母・レイコに瓜二つであり、実物のレイコを知る存在からすれば、ある意味レイコを模した「うつせみ」の存在です。
元のセミがレイコだとすれば、いなくなった後に残された、見た目がよく似た存在が、夏目なのですから。

そしてこれは上述した「うつせみ」とは、少し意味が変わるのですが。
劇中でも夏目は小学生の頃、当時の同級生・結城から「お前、ニセモノだろ」と言われていました。
人間じゃない、と言われたのです。

藤原夫妻と出会い、今の環境に腰を落ち着けるまで。
そして、ニャンコ先生と出会い、妖と自分なりに関わると決めるまで。
夏目自身、人間のそっくりさんというような、どことなく捉えどころのない存在だったことが、結城の反応から察せられます。

以上を踏まえると、副題の真の意味は、下記のようになるのではないでしょうか。

「セミの抜け殻=本物ではない存在」「この世に生きている人」という、二つの意味を併せ持つ「うつせみ」の夏目と椋雄がそれぞれ結んだ縁。

むしろそうであったら、切なくも尊いの極みですよね…!

しかし、もう一点加えるとするなら…それは夏目とレイコの対比です。
レイコは故人なので、どちらの意味でも「うつせみ」には成り得ません。

レイコが結べなかった縁を、この世に生きている夏目が結ぶ物語。
こちらの解釈も、私は推します。

「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の見どころ&感想まとめ

 

劇場版の見どころと感想を、つらつらと語ってまいりました。

ここでまとめたいと思います。

 

夏目とニャンコ先生の関係が尊いぞ

 

私の個人的な見どころはなんといっても、夏目とニャンコ先生の絆です。
特に、夏目→ニャンコ先生への感情がよく描かれていて、観ている間ずっとキュンキュンしっぱなしでした。

いや、TVアニメシリーズでも劇場版みたいな、不器用な思い合いをよくしているんですけども!
ニャンコ先生自身、夏目の何十倍も生きている長寿な妖なので、年上が子供を見守る感じもあっていいんですよ…この二人の関係…。

  • ニャンコ先生が好き
  • 夏目が好き
  • 関係性&コンビ愛萌え
  • 異種間関係萌え
  • 白くてでっかいもふもふ×人間萌え

これらのどれかが刺さる方には、是非観ていただきたい「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」。
特に最後の一つは『もののけ姫』や『犬夜叉』で「あの背中に乗ってみた~い」と、思っていた方に刺さるはずです。

 

副題「うつせみに結ぶ」を意識した上で見る、夏目と椋雄の行動

 

「うつせみ」とは「セミの抜け殻=本物ではない存在」「この世に生きている人」という、二つの意味を持つ言葉でした。

さすらい続ける定めの妖に、自分を重ねる夏目。
椋雄に成り代わった妖は、容莉枝と日々を重ねるうちに、自分の居場所を見つけていました。
その姿は、親戚中を転々とし、ようやく藤原家に根を下ろすことができた夏目と似通っています。

人間と妖でありながら、実はよく似た境遇を抱えていた、夏目と椋雄姿の妖。
この二人の葛藤が、涙を誘います。

  • 心温まる、優しい話が観たい
  • 妖怪ものらしい、人間との切ない交流が観たい
  • 人間関係に、少し疲れている

思い当たる節がある方、心洗われますよ…。
私はこの作品で、定期的に心のデトックスをしています。

優しい物語って、癒やされますよね…でも、優しいだけだと物足りない。
その点「夏目友人帳」シリーズは、優しくも切ない、素朴だけど動きのある物語で、ちょうどいい。
TVシリーズは多すぎて…と敬遠されていた方も、まずは劇場版から癒やされてみては?

そして、2021年5月26日からは、劇場版第2作目「夏目友人帳 石起こしとと怪しき来訪者」のBlu-ray&DVDも発売します!

ということは私が愛用するU-NEXTにも近々配信されるかも…?

「夏目友人帳」シリーズファンとして、とても楽しみです!

 

ここまで記事を読んでいただき「やっぱ、ネタバレが気になる!」という方は、下記の記事も覗いてみてくださいね。

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