『シャドークロス』1巻ネタバレ/スガワラエスコが描く色気のある少女

知る人ぞ知る注目の漫画家・スガワラエスコ先生の新シリーズが面白い!

えも言われぬ……正しく「エモい」男女を描かせたら天下一品の作家さんですが、新作もどうやら一癖も二癖もある名作の予感がいたします。

本記事筆者が読んでいたのは『マドンナはガラスケースの中』という作品ですが、爬虫類を通じて描かれる特殊性癖といいますか……お兄さんと少女の関係がやはり、とてもエモく描かれておりました。

さて、今回の作品はといえば「ダンススポーツ」…いわゆる社交ダンス、競技ダンスといわれる世界を通じて、孤独な少女と青年が「影を交差させる」ダンスで心を通わせていく内容になっています。

他の作品同様、主要人物二人の関係性もエモいですが、妖艶としかいいようのないスガワラエスコ先生の描く少女に注目して、ネタバレ込みで『シャドークロス』の第1巻を紹介させてください!

 

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作品概要

 

1~2巻 好評発売中

作者:スガワラエスコ(代表作:『花待ついばら めぐる春』『マドンナはガラスケースの中』)

連載:週刊ヤングジャンプ/となりのヤングジャンプ

『シャドークロス』をはじめ、スガワラエスコ先生の描く女の子は、どの作品も艶っぽい!

そしてその特徴的な絵以上に目を引くのは、描かれる男女の独特な関係といえます。

もちろん『シャドークロス』の主人公たちも、一筋縄ではいかなさそうな男女のコンビになっていますが、他の作品も艶っぽく頑張る女の子とエモい関係性が魅力的なので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

 

『シャドークロス』あらすじ

 

対人恐怖症の赤城冬実(セキジョウフミ)と、相棒不在の社交ダンサー長尾忍(ナガオシノブ)。
ある日、デパートの屋上でシャドーを踊る長尾を通じ、ダンスの素晴らしさを知った冬実は、自分にダンスを教えて欲しいと長尾に頼み込みます。

そして、自分のダンスを魅せたい人がいる長尾も、実は「繋がれる」パートナーを探していて――…?

「独り」が集まる街・東京で影(シャドー)を交差させた二人から伸びる、痛烈ダンスストーリー!

 

 

注意
※以下より、ネタバレを大いに含みますのでご注意ください。

 

『シャドークロス』1巻ネタバレ解説

集英社の本 公式サイトより引用

 

第1話…1ステップ「涙」

対人恐怖症を抱えつつも、接客業で生計を立てる赤城冬実(セキジョウフミ)は、17時過ぎに現れる青年のことが気になっていました。
近所の作業着を身にまとい、買っていくのは必ずおかかのおにぎり。

そして冬実は、ひょんなことから「おかかのおにぎりの青年」がシャドーで踊る姿を目の当たりにすることになりました。
自分には見えない誰かを観て楽しげに踊る青年の姿に、思い浮かべる相手さえいない孤独な冬実は、痛烈な羨ましさを感じます。

すると、青年は冬実を何気なくダンスに誘い、ワルツのステップを踏ませてくれたのでした。
あっという間にダンスの魅力に引き込まれた冬実でしたが、長尾に触れられた冬実の鼻からは、突如鼻血が吹き出してしまいます。

それは冬実が幼い頃、他人に拒絶された経験から発症した対人恐怖症の症状でした。

後日、青年の元へ再び赴いた冬実は、自分の抱えるハンデのこと、発症以来初めて他人に長く触れることができたこと、青年の言う「ふたりの人間で味わう一体感」が感じられるダンススポーツを、もっと上手く踊りたいと思っていることを一気に告白します。

ダンスのコーチを申し込んできた冬実に対し、青年は「この世界でリードは男の役目だ」と言って、自分から手を差し伸べました。
そして「長尾忍(ナガオシノブ)」と名乗ったその青年の手を、冬実は自分から触れて取ることができたのです。

第1巻は一話一話のボリュームが厚く、見応え充分!
何より、冬実のトラウマとなっている孤独な過去と、他人に触れられると鼻血が出てしまうという対人恐怖症のエピソードは、鮮烈に描かれていて目を引きます。

しかし、それよりも暗い表情だった冬実が長尾と出会って、光を見出した顔は美しくも胸を打ちました。
何よりも唇がエロい。赤い唇と表情豊かな瞳が魅力として描かれる冬実ですが、特に唇はついつい目が追ってしまいます。

 

「シャドー」とは?
ダンスの単独練習のこと。相手がいると仮想して独りで踊ることです。

 

第2話…2ステップ「野良犬のワルツ」

長尾の手を掴めたことが、大きな自信に繋がった冬実。
長尾にだけ触れられる理由はいまだわからないものの、長尾にもっと近づきたいと考える冬実は、ダンスのための努力を開始するのでした。

「女は花 男は額縁」

ダンスにおける、パートナーの関係性を表した言葉を使い、冬実に「花」として期待を寄せる長尾。
しかし、長尾の要求は…

「一週間で額縁(おれ)の花になれ」

という無茶振りとも思えるものです。

トレーニングを必死にこなすものの、シャドーでさえ上手く踊れず手応えが感じられない冬実は、期限の一週間が近づくほどに不安感を募らせることに。
そこで長尾は、息抜きがてらやってきた商店街で、出会った時と同じように冬実をワルツに誘います。

ただでさえ対人恐怖症の冬実は人混みに尻込みしますが、これまで重ねてきたシャドーでの練習によって「長尾と踊りたい」「触れたい」という欲求が高まっていました。

長尾と触れて踊れる高揚感、何度も反芻した最初のワルツの記憶、そしてトレーニングで培った新たな技術すべてが解放された冬実は、再び長尾を魅了します。
商店街の中心でワルツを一曲踊りきり、注目を浴びた二人は、お互いだけでなく観客とも「繋がる」ことができたのでした。

純真無垢で素直な冬実は、長尾が振ってきた無理難題にも全く不満を抱きません。
むしろ自分の実力不足を悔い、不安を感じるばかりで、冬実の人柄がよく分かる回になっていました。
臆病で孤独な少女だった冬実が、ダンスを通じて多くの人々の目線を集め、美しく咲きこぼれる様はまさに「花」!

長尾が冬実に抱いた期待も、確信に変わるエピソードとなったので、読者としてもかなり引き込まれます。

 

「ワルツ」とは?
滑るような動きと、優雅さが特徴的なダンス。いわゆる初心者が「社交ダンス」と聞いて十人中八人くらいは思い浮かべる、緩やかな3拍子のダンスです。もっとわかりやすく説明すると、ディズニープリンセスが踊っていそうなダンスともいえるでしょう。

 

第3話…3ステップ「理解」

ある朝、目を覚ました冬実の腕の中にはなんと長尾が!
パニックに陥る冬実に、長尾は「30万!」と突きつけ、経緯を思い出させるのでした。

というのも、ダンサーに出費の悩みはつきもの。
必需品とも言える靴が2万、なんとドレスは30万もする! という事実を前に、二人は徹底した節約を決意したのです。

そこで、長尾が切り出したのは同棲。
というのも、パートナーとなった現在、一緒に暮らすことには大きなメリットが3つもあるからでした。
一つ目は「金銭面」、二つ目は「技術向上」、三つ目は「相互理解を深められる」ことです。

「グランドチャンピオンシップ」で日本人初のチャンピオンとなる夢を持つ二人には、どれも不可欠でした。

というわけで、実は冬実のほうが自分の部屋に長尾を引っ張ってきたのでしたが、そもそも人間に耐性がない冬実は、男性に免疫があるはずもなく、突然の同棲はドキドキの連続。
しかし、長尾は「俺は冬実を女として見ることはない」と断言しました。

強い長尾の言葉に、彼の過去を垣間見た気がした冬実。
ですが、男女間云々以前にダンスに対してストイックすぎる長尾との生活は混乱の連続でした。
食事さえも効率重視で「相互理解を深められる」ことができなかった冬実は、ついに怒りをあらわにします。

そこで冬実は趣向を凝らした料理を振る舞い、長尾との距離を縮めたのでした。

「家の人」にずっと食事を作ってきたから、料理はできると長尾に語った冬実。
長尾も冬実に訊かれ、いつもおかかのおにぎりを買うのは、熱々の米の上で舞うかつお節に自分を重ね「自由に踊れますように」と「願掛け」をしているからだと語りました。

そして意味深な冬実の発言ですが…家族ではないので「家の人」という表現になったようです。
長尾にたびたびワンコ扱いされるほど素直で、他人に対して気弱な冬実としてはかなり強い拒絶の表現にも見えます。

冬実の過去に少しだけ触れた長尾が、それでも無邪気に懐いてくる彼女にどんどんペースを崩されていく様子には思わずにやけてしまいましたが、冬実の抱える昏い孤独からも目をそらせません。

 

「グランドチャンピオンシップ」とは?
『シャドークロス』独自の設定と思われる、長尾がフィールドとする大会の名称です。毎年ドイツで開催される、競技ダンスの頂点と説明されていました。なお、モデルになっているのは、WDSF(世界ダンススポーツ連盟)が主催する「ジャーマンオープン」の「グランドスラム」ではないかと思われます。

 

第4話…4ステップ「あなたがいれば」

繁忙期でも怖じ気づかず、接客ができるようになってきた冬実。
その変化には、上司や同僚も目を見張るほどでした。

冬実がダンスを始めたと知った同僚のおばちゃんたちは、かつては自分たちも社交ダンスを踊っていたことを語り出します。
社交ダンスの魅力は、誰でも美男美女になれることだと、おばちゃんは熱弁をふるいました。

社交ダンスの話題のおかげで、これまで距離があった同僚ともぐっと親しくなれた冬実は、悦びを噛みしめます。
一方その頃、長尾はかつてのパートナーのことを思い出していました。

ダンスのおかげで世界と繋がり始めた冬実と、ダンスにすべてを捧げるうちに独りになっていた長尾。
一見対照的な二人は、実は同じ「誰かと繋がりたい」という欲求を抱えていたのでした。

これまでは冬実の過去や孤独がクローズアップされてきましたが、第4話では長尾の孤独が描かれています。
あからさまに元パートナーの言葉を引きずっている様子の長尾ですが、もしかして「冬実を女として見ることはない」と語った経緯にも関わっているのでしょうか。

また、孤独だった二人が出会い、世界という舞台に立つまでの物語が、この話でようやく始まったような印象を受けました。
1巻の締め方としてはまとまりよく、読後感もかなりよかったです。

 

そもそも「社交ダンス」とは?
男女ペアで踊るダンスのこと。そして「社交ダンス」とは読んで字の如く、元はダンスを通じて相手との社交を目的としたもののようです。ダンススポーツとは、この「社交ダンス」をベースとして、技や表現力などを競い合うスポーツということになります。

 



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登場人物紹介

作中でも特に色濃く影を重ね合わせる主要人物たちを、ピックアップしてご紹介します。

 

赤城冬実(セキジョウフミ)

2月3日生まれの19歳。AB型。
青森出身で、高校卒業と同時に上京。
酷い対人恐怖症で、人に触れると極度の緊張と不安から身体が震え、鼻血が出てしまうという体質を抱えています。
長尾にだけは触れることができ、ダンスを通じて人に触れる愉しさを快感を見出しました。

 

長尾忍(ナガオシノブ)

11月25日生まれの23歳。A型。
夢は「グランドチャンピオンシップで日本人初のチャンピオンになる」こと。
ストイックな性格で、生活の全てをダンスに捧げているといっても過言ではありません。
暮井花蓮は元パートナーであり、彼女とカップルを解消した後、冬実と出会うまでシャドーを踊っていた…?

 

暮井花蓮(クレイカレン)

長尾の元パートナーにして、現日本チャンピオンの23歳。
現在は弟とカップルを組んでおり、その実力はスタンダードチャンピオン3連覇という偉業を成し遂げるほど。
長尾とのカップル解消は、花蓮から言いだしたもののようで…?

 

 

筆者の考察…忍の問題発言「俺は冬実を女として見ることはない」の真意は? そして、その後の二人の関係は…?

 

第3話で、様々な理由から同棲を開始した冬実と長尾。
同棲当初、男性である長尾を意識しすぎてしまっていた冬実に、長尾は彼女を気遣うというよりも彼自身のポリシーから「俺は冬実を女として見ることはない」と明言しました。

その理由は以下の通り。

  • 冬実のことは異性というよりパートナーであり、一人の人間として見ている
  • 性欲を満たすという意味では、ダンスはセックスより断然イイ
  • 恋人という関係は、強そうに見えて脆い

あくまで長尾の持論でしょうが、特に「恋人という関係は、強そうに見えて脆い」という意見は、長尾自身の過去からくる教訓のようにも捉えられます。

「視野が狭くなる」
「2人は無敵だと 理解できてると勘違いをする」
「甘えた関係になる」

「そんなの…共に戦うパートナーとして最悪だ」

長尾のあまりにも強い否定的な意見に、冬実は「長尾さんはパートナーと恋人だったんでしょうか」と想像します。
冬実自身、誰かに恋愛感情を抱くどころか、その極度とも言える対人恐怖症のせいで友達も…おそらく、家族とも良好な関係を築いてきた経験がないことから、長尾の意見に反論どころか、持論さえ抱けません。

長尾も、第4話から元パートナーの暮井花蓮をいまだ強く意識し、彼女と別れたことから孤独になったことが示唆されています。

これらを踏まえ、第1巻段階での本記事筆者の推察としては、以下の通りになりました。

  • 長尾は元パートナーの暮井花蓮と恋人同士、もしくはそれに近い関係だったが、双方ダンスにストイックすぎるがゆえに別れた
  • 花蓮とは恋人同士だったがゆえに、ダンスのパートナーとしての関係が破綻してしまった。もしくはこの逆で、ダンスのパートナーだったがゆえに、恋人として上手くいかなくなってしまった
  • 花蓮との失敗を繰り返さないために、冬実に対しては「パートナーを女として見ることはない」と予防線を張った

長尾にしてみれば、冬実はようやく得られた世界と繋がるためのツールなわけで、冬実が長尾とでないと踊れないように、長尾も彼女がいなければ踊れません。
ゆえに、臆病なまでに「カップル解消」の理由になりそうなものは排除していくのは当然といえるでしょう。

しかし上記の過剰な予防線こそ、恋愛感情を抱くとしたら冬実より先に長尾の方ではないかという伏線に繋がっているようにも思えます。

さらに、2021年8月現在「となりのヤングジャンプ」で配信されているエピソード(おそらく4巻収録予定)では、冬実が長尾に「好きです」と自らが抱く好意を伝えたようで…!?

 

まとめ

 

「関係性」に臆病な2人が、ダンススポーツを通じて「孤独」から脱却し、世界と繋がる物語。
…なんだかどこかのゲームの煽り文句みたいになりましたが、これが『シャドークロス』です!

スガワラエスコ先生の特徴である「一風変わった影のある人物を描くのが非常に上手」という点も遺憾なく活かされており、冬実や長尾だけでなく、各登場人物たちのドラマも気になる描写が多いです。

登場人物たちの中でも一際異質で、昏い影を背負っている人物を主人公に据えるのがスガワラエスコ先生らしいともいえますが、主人公・冬実の孤独さと健気さは読んでいて胸が苦しくなるほどでした。

また、ダンスの描写も素晴らしく、素人でも入り込みやすい描かれ方をしていたのではないかなと思いました。
本記事内でも用語を紹介させていただきましたが、もちろん本編内でも分かりやすく解説されているので、ダンス業界に馴染みのない人でも安心して読み進めることができます。

そしてかなり取材して描かれているのか、プロのダンサーの方々も注目しているという記事をネット内でも散見することができました。

何より、美麗かつ迫力のある絵柄で、ダンスを踊る登場人物たちが生き生きと描かれているのがいい!
冬実の艶っぽい表情には、長尾や観客だけでなく、読者も目を奪われること必至です。

ここで『シャドークロス』を特にオススメしたい方を、本記事の筆者が独断と偏見で選定してみました。

  • 可哀想だけど健気かつ、いじけないヒロインが好き
  • ストイックすぎるが故に、人の心に疎い系男性キャラが好き
  • 社交ダンスに興味がある
  • ダンスには興味ないけど、スポーツ漫画が好き
  • スポーツ漫画は好きだけど、学生が主体となった青春モノは好きじゃない

 

上記のどれか一つでも引っかかった方は、『シャドークロス』一読の価値ありですよ!

まずはまんが王国や、U-NEXT、もしくは「となりのヤングジャンプ」などのサイトで、試し読みをしてみては?

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