『プラネテス』ネタバレあり感想。地球に生きているなら見るべき、宇宙SFの名作!

「そうか。
この世に、宇宙の一部じゃないものなんてないのか。
オレですらつながっていて、
それではじめて宇宙なのか」

 

今回紹介するマンガは「プラネテス」です。

引用元:まんが王国

宇宙開発が発展した近未来。
宇宙ゴミを拾う民間サービスで働く青年が主人公です。

夜空を見上げていると、「自分ってちっぽけだなあ…」と思うこと、ありません?

このマンガを読むと、まさにそんな気持ちがわいてきます。
人生について考えてしまうような、深い世界に浸りたい。
そんなときにめちゃくちゃおすすめなマンガです。

30年以上マンガを読み続けてきた私にとって、大切な作品のひとつです!
さっそく紹介していきますっ!

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あらすじ

引用元:まんが王国

西暦2074年。
民間のデブリ(宇宙ゴミ)回収サービスで働く、星野八郎太(ほしの・はちろうた)、通称「ハチマキ」
危険な船外活動を行う船外活動員(EVA)として、同僚のユーリ・ミハイロコフフィー・カーマイケルとともに、仕事にあたっていた。

様々な人々と触れあう日々。
何より、宇宙という広大で過酷な環境に、打ちのめされながらも魅せられていく。

時を同じくして。
月、火星と開拓を進めた人類は、次の目標を木星とした。

宇宙開発の中心組織「地球外開発共同体」は、木星での資源採取基地の建設を、今世紀中に実現させると宣言。
木星へ向かい、帰還する有人宇宙船を「フォン・ブラウン号」と名づける。
公募乗組員の選抜準備が、着々と進められていた。

ハチマキもまた、フォン・ブラウン号の乗組員となり、人類の発展に貢献する夢を持つようになる。
公募乗組員は、何万の船乗りからたった数人が選ばれる、狭き門だ。

試験合格に向け、猛トレーニングをするハチマキ。
ハチマキの代員として入った新人、田名部 愛(たなべ・あい)の発言にイライラしつつも、試験を通過していく…。

『プラネテス』の魅力と見どころ

宇宙SFとしての作り込みがすごい! 「リアル」なSF作品

まず、とにかくこの『プラネテス』、設定のリアルさがハンパないんですっ!

たとえば、宇宙開発が進んで、月にも火星にも人が住めるようになったら、どうなると思いますか?

人が新しい環境で活動をはじめる。
すると、地球の外の環境では、太陽からの紫外線がめちゃ強かったりする。
そんな状況で長時間活動してしまうと、心身に悪影響がある。
これは作中で「宇宙放射線」と言われてます。

このせいで身体に致命的なダメージを負ってしまったり、精神衰弱になってしまった人々の姿が描かれているんです。

実際2話で、骨折したハチマキが訪れる病院のやりとりや様子が、すごくリアル。
「確かに地球の外で活動するってなったら、そうなるかも…」って、心の底からしっくりきます。

引用元:まんが王国

「言うまでもないが、人間の体は宇宙で暮らすようにはできていない。
だから、この月面都市(セレノポリス)の病院はいつも繁盛してる。
オレのように極低重力のせいで体が弱ってしまった者。
閉鎖環境で精神のバランスを失った者。
宇宙放射線障害者などなど。
宇宙じゃ、健康でいつづけるのがいちばん難しいんだ」

他にも、
木星を資源にするということが、どれだけ夢があることか、とか。
宇宙開発に反対し、妨害するテロ組織があるとか。
先進国と途上国の複雑な事情がある、など。
設定や出来事のつながりが、とても考えられています。

個人的に、SFって「こう変化があったら、どう影響する?」って描写が細かければ細かいほど好きです。
マンガとして、「確かに!」ってすごく納得できる。
その細かさがたまらないです!!

デブリって何?
正式名称は「スペースデブリ」。
日本語にすると「宇宙ゴミ」です。

 

引用元:Unsplash

 

打ち上げられたロケットや、古くなった衛星などから生まれた破片やパーツ、部品などのこと。
宇宙開発によって生まれる、まさに「ゴミ」ですね。

 

スペースデブリは小さいものを含めると数百万、数千万個あり、地球の衛星軌道上をぐるぐると回っています。
これが今、じわじわと問題になっているんです。

 

「たかが破片でしょ?」と思うかもしれませんが、デブリは1秒間になんと3~8㎞という、とんでもなく速いスピードで移動しています。
こんなものがもし衝突したら。
直径たった10㎝のデブリひとつで、宇宙船が壊滅すると言われています。
5~10㎜のデブリでさえ、弾丸にひとしいです。

 

スペースデブリは非常に危険で、対策しなくてはならないもの。
現在世界各国で、デブリを監視する活動が行われています。

 

地球上と同じように、宇宙でもすでにゴミ問題が始まっているんですね。

宇宙空間で「結婚しよう」。人類の普遍的な「想い」と「愛」を描く

さらに魅力的なのは、「人」のリアルさも、すんごーく深いんです!
「宇宙SFとしてのリアルさ」だけじゃなくて、「普通の人たちというリアルさ」もある。

SFもののメインキャラクターたちって、もともと宇宙飛行士とか、宇宙飛行士候補生だったりすることが多いですけど、プラネテスはそうじゃない。
「宇宙で生きている普通の人」なんですよね。

毎日毎日、地味だけれど危険な仕事にあたるハチマキ。
月で生まれ育ち、「いつか地球で海を見てみたい」と笑う女の子。
宇宙に魅せられて、「死んだら宇宙葬にしてほしい」と家族に頼んだ宇宙飛行士。

人々の喜怒哀楽が、「宇宙」という、人類の新しいステージの上で繰り広げられる。
そんな様子がひとつひとつ、くわしく描かれているのがものすごく好きです。

私が一番胸がぎゅーんとしたのは、なんといっても、ハチマキがタナベにプロポーズするシーン。
サイコーですね!!
『プラネテス』は知らないけど、このシーンは聞いたことある! という人も多いのでは。

仕事着を着て、宇宙空間でしりとりをするハチマキとタナベ。

「けんばん…ハーモニカ!」
「かみのけ!」
「まーた「け」かい!」
「もうないでしょ?」

笑うタナベに、ハチマキは「あるよ」と返し
「結婚しよう」
と言います。

引用元:まんが王国

タナベも微笑んで、「うん」と答えて、終了。

遊び心いっぱいに「ずっと一緒にいよう」と約束する2人。
人類の歴史で、数え切れないほど繰り広げられた場面。
それを、地球を眺めながら。

新しいものと、普遍的なものが合わさっている気がして、めちゃめちゃ覚えています。
今まで読んだマンガの中で、TOP10に入るくらい、印象的な一コマです。
幸村先生、超オシャレ…。

幸村先生は、『プラネテス』の次には『ヴィンランド・サガ』というマンガを描いています。
こちらは11世紀の北欧、ヴァイキングたちの物語。
近未来の『プラネテス』から、舞台もテイストもガラリと変わります。

けれど、ふたつの作品には同じ空気が流れています。

それは「人の愛」を描いていること。

どんなに時代が変わっても、人が大切に思うものは変わらない。

そんなメッセージが伝わってきて、幸村先生のマンガを読むたび、いつも目がうるんで胸が温かくなります!

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登場人物たちを、名言とともに紹介

星野八郎太(ほしの・はちろうた)

引用元:まんが王国

日本人。
EVA(船外活動員)として、民間のデブリ回収サービスで働いている。
フォン・ブラウン号の乗組員になり、宇宙開発に貢献することを目指す。
夢は、その実績をもとに自分専用の船を持ち、自由に駆け回ること。

主人公のハチマキは、物語が進むにつれて印象が変わります。

第1話

引用元:まんが王国

第8話

引用元:まんが王国

いや、誰。
第1、2話とそれ以降の掲載時期が空いているので、その間にいろいろ変更があったのかもしれませんね。
金髪は染めていて、黒髪が地毛という設定だそうです。

個人的にはこの絵柄の変化も、ぜひ楽しんでいただきたいところです!
こういうの、「プロの漫画家も、日々進化しているのね…!」とすごく刺激になります。

はじめはふつーの働く若者として描かれるハチマキ。
けれどフォン・ブラウン号の話が出て、乗組員試験に応募することを決めてから、キャラクターがだんだん濃くなっていきます。
(絵柄も)

自分の夢を追うことが最優先。
途中で折れる奴なんてありえない。
宇宙を切り拓く選ばれた者は、凡人の精神じゃたどり着けない。
それを邪魔する人間は、容赦なく切り捨てる。

技量はメキメキと上がっていきます。
けれど自己中心的で、破滅を呼びかねない雰囲気をまとっていきます。
ほとんど鬼です。

引用元:まんが王国

ロケットのように、「平凡」を振り切って宇宙に挑もうとするハチマキ。
そんな彼が、宇宙にたずさわる様々な人々と関わる。
そしてタナベ、ユーリ、フィーと過ごした時間を振り返ることで、だんだん変わっていきます。

荒んだ雰囲気になっていったハチマキが、最後に出す答えが、本当に素晴らしい!!
何回呼んでも泣いてしまいます。

「全部オレのもんだ。孤独も、苦痛も、不安も、後悔も。
もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだよ」

田名部 愛(たなべ・あい)

引用元:まんが王国

日本人。
ハチマキがフォン・ブラウン号の搭乗員試験で長く休む間に、代員として採用される。
訓練校を出たばかりの新人で、技術はまだまだ未熟。
「愛」について、強い信念を持っている。

新人ながら、ハチマキの精神に真っ向から反発するタナベ。
「愛」という抽象的なものを信じていて、「なんかニガテかもなぁ…」と感じる人も少なくないかも。
私も、はじめは引っかかりを感じました。
けれどいつしか、タナベのことを一キャラクターとして受け入れていました。
それは、作者の幸村 誠(ゆきむら・まこと)先生が一番言いたいことが、タナベの中につまっているな~と感じられるから。
セリフや行動がすごく熱いんです。
その熱量に押されて、ハチマキも私も、どんどん気圧されていった感じですね…!

「人には愛という強烈なチカラがある」と言うタナベ。

私は、「もういいよ…1人でいる方がラクだなぁ…」と思ってしまうときがあります。
人と関わることが面倒になって、拗ねちゃうんですよね。
でも、そんなときにタナベの言葉を見ると、ちょっと頭が冷えます。
前向きになれます。

それも、『プラネテス』が普遍的だから。
SFですが、人にとって大事な、変わらないことを描いているからです。

「独りで生きて、死んで、なんで満足できるんですか。バカみたいよ。
宇宙は独りじゃ広すぎるのに」

ユーリ・ミハイロコフ

引用元:まんが王国

ロシア人。
ハチマキの同僚で、船外活動員。
物静かで落ちついた雰囲気の男性。
過去に、日本人の妻を旅客宇宙船の事故で亡くしている。

物静かで思慮深いユーリ。
暴走しがちなハチマキ、フィー、タナベがいる中、常識人ポジションです。
安定感のある男性、よいものですよね…。

実は『プラネテス』最初の話は、ユーリメインの話。
最初は一話完結で進み、だんだんしっかりしたひとつのストーリー軸が作られます。
『プラネテス』を通して読むと、最初は描きながら物語を作っていったのかな? と感じます。
ハチマキの見た目も違いますし。

私は、このマンガの最初の話が、この話でよかったっ…!! と、めちゃくちゃ思ってます。

なんか物静かで、いつも船の窓から外を見ているような男。
何考えてんだろ? とハチマキは首をかしげます。
実は、ユーリがデブリ回収屋をやっているのは、数年前に宇宙船事故で亡くした奥さんの形見を探すため。

1話の中で、ユーリの中にある虚無、投げやり感、そしてそこから再び立ち上がる姿。
「人の想い」を感じて、目頭が熱くなります。
『プラネテス』の世界に一気に引き込まれた一番の理由です…!

全体を通して、ユーリはメインの脇という立ち位置。
けれど、私にとっては思い出深いキャラクターです!

「無いんだ。世界のさかい目が。
なんか……それでいいと今は思うよ」

フィー・カーマイケル

引用元:まんが王国

アフリカ系アメリカ人の女性。
ハチマキの同僚で、デブリ回収船の船長。
一児の母。
ざっくばらんとした性格で、家事は苦手。
愛煙家でもある。

姉御肌のフィーは、頼れる船長。
さばさば切り盛りしつつ、人のことをしっかり見ている、デキる女の人です。
そこが、タバコのこととなるとやりすぎたり、料理が苦手だったりと、カワイイ面もあります。

序盤のフィーのエピソードが、痛快で大好きです!

船内では吸えないタバコを楽しみたいだけなのに、行く先々で宇宙開発に反対するテロリストのせいで邪魔が入ってしまう。
堪忍袋の尾が切れた彼女の、腹いせに出た行動が、結果的にテロリストたちの企みを阻止してしまう…。
状況のシリアスさと、フィーの動機が、噛み合っているようで噛み合ってない!
ここは爽快で笑えました!

それに対して、終盤で明かされる彼女の過去は、なかなかハード。
人間のエゴが描かれています。
こちらも、作品に深みを与えているエピソードですね。

「ハチ。生きてるって素晴らしいね」

星野五郎(ほしの・ごろう)

引用元:まんが王国

八郎太の父。
数々の実績を持つ宇宙船機関士。
飄々とした性格。
ロックスミスから直々にフォン・ブラウン号に乗ってほしいと言われ、断ろうとするのだが…。
妻に頭が上がらない。

すごい経歴を持つのに、飄々としているハチマキのお父さん。
不真面目に見えて、たまにシリアスなことを投げかけて主人公を導くポジションです。

後半、彼が主人公で、ハチマキが生まれるときの話があります。

当時、地球外開発共同体のミッションで、火星にいた五郎。

火星にいるけれど、
阪神の試合を中継で見るし、
臨月間近の妻の様子が気になってしかたがない。

同僚たちと火星で草野球をするシーン。
そして、命が生まれたことを感じ取る場面。

科学が発達して生活が変化しても、人間って案外そんなもんかもしれない。

この作品の忘れられないエピソードですね。
胸に残っています。

「まいったね。
帰りのキップのない所にはもう行けねェや」

ウェルナー・ロックスミス

引用元:まんが王国

地球外開発共同体・木星計画担当官。
エンジン工学の博士で、フォン・ブラウン号の設計者。
素晴らしい頭脳と才能を持つ天才。
宇宙開発に多大な貢献をしている。
しかし、人命より開発エンジンのデータ取得を優先するなど、倫理的に破綻している面も見られる。

これまでの登場人物が「普通の人」なのに対して、ロックスミスは「非凡」な存在。
五郎から「悪魔みたいな男」と言われるほどです。

有能なのは間違いありません。
ですが、考え方は一般からはかなりかけ離れています。
いわゆる「サイコパス」と言えます。

物語の中、開発中エンジンの試験で、トラブルが発生します。
連絡を受けた彼は、「たぶん研究員は助からないね」としれっと言う。
結局、エンジンは大爆発し、324名の研究員が亡くなります。
けれども、会見で責任を問われても、彼はあっけらかんと会見を終わらせてしまう。
この様子を見た五郎は、「ああいう悪魔みたいな男は、いい仕事するぞ」と笑いました。

フィクションとして、このくらい頭のネジが外れたキャラは好きです!!
実際、大きなことを成し遂げる人は、このくらい枠が外れているのだろうな…としみじみ思います。

「研究施設の二つ三つふっとばしたって、結局私が更迭されることはないよ。
なぜだと思う?
私が、宇宙船以外なにひとつ愛せないという、逸材だからさ」

『プラネテス』ネタバレあり感想まとめ

引用元:まんが王国

『プラネテス』は、宇宙を舞台に「人の想い」が繰り広げられるマンガです!

哲学的な深いメッセージに、小説のようなセリフたち。
全4巻と、ボリューム自体は多くありません。
けれど、じっくり何回も向き合いたい作品です。
個人的には、ホルストの『木星 第4楽章』を聴きながら、浸りたいマンガですね!

『プラネテス』は、こんな人におすすめ!

  • 宇宙SFものが好き!
  • リアリティを追求してる作風が好きだ!
  • 深くて、宇宙や人生について考えさせられるようなマンガを読みたい!

気になる人は、ぜひチェックしてみてください!

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