【ネタバレ有】映画『魍魎の匣』謎が謎を呼ぶ怪異ミステリー超大作【感想】

引用元:U-NEXT『魍魎の匣』

2007年に公開されたミステリー映画『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』

人気長編ミステリー作家・京極夏彦(きょうごくなつひこ)の『百鬼夜行(ひゃっきやこう)シリーズ』で1作目『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』に引き続き映像化された、ファン待望の作品です。

小説の世界観を見事に再現した1作目映画から制作陣が総入れ替えされ、作風がガラリと変わったことからも賛否両論の多い本作。

今回は映画『魍魎の匣』を取り巻くさまざまな評価について、個人的感想を交えて切り込んでいきたいと思います!

 


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注意

★以下、映画本作のネタバレを含みます。ご注意ください★

原作『百鬼夜行シリーズ』と『魍魎の匣』

引用元:講談社BOOK倶楽部

『魍魎の匣』は京極夏彦による小説『百鬼夜行(ひゃっきやこう)シリーズ』の2作目の作品にあたります。

百鬼夜行シリーズとは、小説家・関口巽(せきぐちたつみ)と「京極堂(きょうごくどう)」こと中禅寺秋彦(ちゅうぜんじあきひこ)が奇妙な事件に巻き込まれ、解決していくというミステリーシリーズです。

各作品のタイトルには必ず妖怪の名前が入っていて、作品内ではその妖怪に関連した事件が起こります。

妖怪が事件の原因に直接的に影響しているわけではありませんが、京極堂の『憑物(つきもの)落とし』によって難解な事件の謎が解けていく衝撃のラストシーン登場する個性的なキャラクターから多くのファンに支持されています。

私自身もこのシリーズが大好きで、全ての作品が映画を始めとするメディア化されることを望んでいるのですが、何しろ一作一作が長編小説なのでストーリーがボリューミー!!(長いものでは文庫版の厚みで広辞苑の厚さを超すものも…)

加えて作品内で起こる事件のほとんどが猟奇事件で、文章描写だけでも「うっ…」となる凄惨なシーンが多いためメディア化は困難と考えられていました。

しかし『魍魎の匣』は1作目より文量が多いにもかかわらず、この映画化を皮切りにコミック化・アニメ化・舞台化といったメディア化が実現しました。

特に映画は実力派俳優さんたちの妙演によって、登場人物のコミカルな部分もたくさんクローズアップされているので、作品を知らない人でも世界に入りやすいと思います!

あらすじ

引用元:映画.com

第二次世界大戦終戦から落ち着きを取り戻し始めた頃の東京。

そこでは連日起こる少女を標的としたバラバラ殺人事件が人々を騒然とせていました。

私立探偵・榎木津礼二郎(えのきづれいじろう)は、女優・美波絹子(みなみきぬこ)こと柚木陽子(ゆずきようこ)から失踪した娘・加菜子(かなこ)の捜索依頼を受けます。

時同じくして、小説家・関口巽(せきぐちたつみ)の奇稿先の一つであるカストリ雑誌社・赤井書房からは、バラバラ死体の手だけがぎっしり詰まった箱が見つかります。

赤井書房の編集者・鳥口守彦(とりぐちもりひこ)は独自調査から、あることに気付きます。

それは、バラバラ殺人事件の被害者は巷で流行りの新興宗教『穢封じ御筥様(けがれふうじおんばこさま)』の信者と共通しているということ。

そして鳥口は関口たちと共にさらに詳しく調査を進めることに…。

一方、連続バラバラ殺人事件の犯人を追う警察では、死体解体の目的は人体解剖ではないかという見解が浮上し始めます。

そんな矢先、失踪中だった女子中学生・柚木加菜子がホームから落ち、電車に轢かれる事件が発生。

各々はそれぞれの事件の謎を抱えたまま、『京極堂』こと中禅寺秋彦(ちゅうぜんじあきひこ)のもとに集まります…。

 

 


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登場人物

引用元:gooニュース

中禅寺秋彦(ちゅうぜんじあきひこ:堤真一)

中野にある古本屋・『京極堂』の店主にして、安倍晴明を祭る『武蔵野清明神社』の宮司も務める陰陽師。副業は憑物(つきもの)落としを行う『拝み屋』。

宗教・口碑伝承(こうひでんしょう)・民俗学・妖怪等に精通していて、「この世には不思議なことなど何もない」という口癖が示す通り、世の中の出来事にはすべて根拠があると考えています。

重度の本の虫で居住スペースから店舗に至るまでは本が溢れていて、出不精ですが興味のある本のためなら喜んで出掛けるという一面も。

あまり感情を表に出しませんが、旧制高校時代からの付き合いである関口・榎木津らに対しては、愚痴をこぼしたりさまざまな表情を見せます。

関口巽(せきぐちたつみ:椎名桔平)

しがない小説家。学生時代は鬱病を患っていて、今でもその気があり、何かにつけて思慮深くなりがちで常に精神不安定です。

中禅寺の妹の働く雑誌社へ作品を投稿する一方、こっそり別名義でカストリ雑誌の原稿執筆もしています。

中禅寺・榎木津・木場とは学生時代からの腐れ縁。

榎木津礼二郎(えのきづれいじろう:阿部寛)

「薔薇十字探偵社」を構える私立探偵。中禅寺・関口より一期先輩であり、木場とは幼馴染。

容姿・家柄など存在の全てにおいて非の打ち所がなく、自分のことを「神の子」、自分以外の周りの人間はみんな「下僕」と考えています。

戦時中前線で照明弾を受けたことにより極度の弱視になりますが、代わりに「他人の記憶を見る」という特殊能力を得ました。

その能力も相まって、彼の考えることは誰にも理解できないと言われています。

木場修太郎(きばしゅうたろう:宮迫博之)

警視庁捜査一課の刑事。榎木津の幼馴染であり、関口とは戦時中前線で同じ部隊に配属されていました。

自身の信念のためなら手荒な手段も平気で選んでしまう気性の荒い人物。女優・美波絹子(みなみきぬこ)のファン。

鳥口守彦(とりぐちもりひこ:マギー)

カストリ雑誌『實録犯罪(じつろくはんざい)』の編集者兼カメラマン。おっちょこちょいな性格ですが、話の呑み込みは早いです。

自身が担当する関口と共に、巷で流行る新興宗教・『穢封じ御笥様(けがれふうじおんばこさま)』について調査をします。

中禅寺敦子(ちゅうぜんじあつこ:田中麗奈)

中禅寺秋彦の妹。中堅出版社『稀譚舎(きたんしゃ)』の記者。

しっかり者で兄に似て弁が立ち、秋彦と口喧嘩することもしばしば。秋彦の昔馴染みたちからは「あっちゃん」の愛称で呼ばれています。

柚木加菜子(ゆずきかなこ:寺島咲)

私立鷹羽女学院中等部に通う女子中学生。自分のことを「僕」と呼んだり、不思議な言動をする美少女。

唯一の友達である頼子と家出をした夜、武蔵小金井駅で線路に落とされ重傷を負ってしまいます。

出生について秘密にされていることがあります。

楠本頼子(くすもとよりこ:谷村美月)

加菜子のクラスメイト。貧しい家庭で育ち暗い性格です。

「僕たちは互いに互いの生まれ変わり」と言われたことをきっかけに加菜子に心酔していきます。

柚木陽子(ゆずきようこ:黒木瞳)

表向きは柚木加菜子の姉としていますが、実際は加菜子の母親。

女優・美波絹子として活動していましたが、ある日突然引退してしまいます。

列車事故で重体になった加菜子を美馬坂近代醫學(いがく)研究所に移送させました。

美馬坂幸四郎(みまさかこうしろう:柄本明)

登戸にある美馬坂近代醫學(いがく)研究所の所長。柚木陽子の父親。

戦前は免疫学の権威・天才外科医として名を馳せましたが、不死の研究に没頭してしまい世間から追放されてしまいました。

戦時中は中禅寺同様に内地に配属され、互いに面識もあります。

久保俊公(くぼしゅんこう:宮藤官九郎)

稀譚舎が出版する『近代文藝』に寄稿している新進気鋭の小説家。

几帳面で小綺麗な印象を持ち、常に白手袋を嵌めています。

箱という空間に対して隙間があることが許せない性分。

感想

「はこ」に纏わる謎の真相とは…

引用元:映画.com

本作では「柚木加菜子の失踪・事故」「連続バラバラ殺人事件」「新興宗教『穢封じ御筥様』」と難解な事件が複数登場します。

その一つ一つが謎を含んだ難解な事件で、最初はそれぞれ独立した事件だと感じていました。

が、結論から言うとすべての事件は、『御筥様』・久保俊公が執筆する『匣の中の娘』・「匣」と表現される美馬坂現代醫學研究所といったタイトルにもある「はこ」に関するキーワードで一つに繋がります。

原作小説の中では見慣れない言葉ばかりで話を掴むのに苦労しましたが、やはり映像の強みはストーリーの理解しやすさ!

猟奇事件なので自分の常識では上手く想像できなかった場面も、はっきりしっかり再現されてて「なるほど!」「そういうことか!」と衝撃の嵐でした。

また、序盤の事件がまとまっていない時点では小説のような文章挿入も効果的に行われていたので、細かな点からも文学作品原作の世界観を感じられて良かったです。

「怖い!」「グロい!」だけじゃない!作品の魅力とは…

引用元:映画.com

先述した通り、本作の映像再現度はかなり高いものだと思います。

が、かえってそれが本作の事件の凄惨さ・グロテスクさも引き立ててしまったように思います。

作品の代名詞ともいえる箱にみっちり詰められたバラバラ死体四肢を切断された少女などは、グロ映画の耐性がないと原作を予習していても目を背けたくなるほどリアルな質感がありました。

また要所要所原作にはない演出もあったので、ホラー苦手な私は原作知ってましたがかなり怖い思いをしました…。

(榎木津が一人倉庫に入っていく(上記画像を含む)シーンはトラウマになっています…。)

そんな情景の描写だけでなく、本作ではシナリオを通して犯人の心理状態までもリアルに伝えてくるので、終盤では猟奇的な犯行にも関わらず何故か犯人に共感して納得してしまいました。

(もはや何が正しくて何が異常なのかの境界も曖昧になってしまいます…!)

異常な光景が満載の作品なので好き嫌いがはっきり分かれるとは思いますが、この奇妙な感覚はできればぜひ味わってもらいたいと思います…!!

原作ファンが「つまらない」と感じる世界観のギャップ

引用元:映画.com

独特の世界観がある難解な長編小説の映画化とあって、本作は高く評される一方、シリーズファンからは「つまらない」との辛口な評価もされています。

その理由の一つには、同シリーズで先に映画化された『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』とのギャップが考えられます。

冒頭部でも触れましたが、シリーズ2作目にあたる本作と前作『姑獲鳥の夏』とでは監督をはじめ制作陣が総入れ替えとなりました。

そのせいか、同じ昭和戦後の東京を舞台にしているにも関わらずまったく違った世界の話を見ているような違和感がありました。

確かに『姑獲鳥』に比べると『魍魎』の方が物語の舞台となる範囲が広いです。

なので本作では中国をロケ地とし、より奥行きのある背景作りに力を入れていた…というのはよく分かるのですが、貧民街シーンなどちょっとしたシーンで中国の異国さが滲み出てしまい違和感を持ってしまいました。

そしてもう一つ考えられる理由としては、主要人物の一人・関口巽のキャストチェンジです。

前作から登場している人物のキャスティングは引き継がれていたのですが、関口巽だけ前作の役者さんが病気で降板になってしまい、椎名桔平さんが登板されました。

正直言うと前作の永瀬正敏さんの関口巽は完璧すぎました。精神薄弱なところはもちろん、何より榎木津に「猿」と呼ばれてしまう外見まで…!!(褒めています)

椎名さんの関口は、小綺麗な外見と過敏気味な言動からどちらかと言うと精神薄弱というより超神経質を思わせる性質に仕上がってます。

精神不安定さを拡大解釈すれば、そんな関口巽もアリなのかもしれませんがシリーズファンからすると解釈違いと感じてしまうかもしれません。

でもどちらもあくまでシリーズファンとしての評価ですので、本作のみの評価とするならやはり見る価値アリと言いたいです!!(椎名さんの演技も見事です!)

まとめ

引用元:映画.com

「はこ」をテーマに何重にも入り組んだ難解事件の謎に迫る本格ミステリー映画『魍魎の匣』。

あまりにもリアルな猟奇事件の描写が溢れているので大きな声でオススメはできませんが、個性的なキャラクターと緻密な心理描写は中毒性が高いのでご注意ください!

原作や前作映画を見た方にとっても、より作品の世界が鮮やかに・広大に感じられる作品だと思いますので、ぜひ一度お試しあれ!!

 

 


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