【ネタバレ】一気読み推奨!山岳パニックホラー漫画『モンキーピーク』の犯人と結末

『モンキーピーク』という漫画は知っていますか?

『モンキーピーク』は志名坂高次(原作)、粂田晃宏(作画)による日本の漫画作品で、週刊漫画ゴラク(日本文芸社)にて、2016年9月16日号から2019年9月6日号まで連載され2021年3月時点でシリーズ累計発行部数は165万部を突破している人気漫画です。

ジャンルはwikipediaによると“パニック・登山・ホラー”とあり、主に山中で巻き起こる惨劇を描いています。

この漫画は真相が判明するまでに何度も展開が切り替わるので一気読み必至ですよ!

今回はこの『モンキーピーク』について、惨劇を引き起こした犯人やその結末まで含めて、元古本屋の店長である私が解説していきたいと思います。

※以下ネタバレを含みますのでご注意ください。

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<あらすじ>

引用:まんが王国

薬害問題により社会的に苦境に立たされた藤谷製薬の社員たちは、結束を高めるためのレクリエーションとして谷川岳の次に死者が多いとされる岩砕山を訪れるが、キャンプ初日の夜に鉈(ナタ)を持った巨大な猿のような生物と遭遇し、翌朝には同僚の惨殺死体を発見する。

 

集めていた携帯電話も何者かによって破壊されており、外部へ救助要請も出来ない。一行は下山を開始するが、何者かが案内板を変えたため、逆に山奥へと誘導されてしまう。難所矢ノ口落としで猿の襲撃を受け、大勢の社員が滑落・死亡する。

引用:wikipedia

 

あらすじの通り、この作品は登山先で人が猿に殺されるというお話です。

ですが、単に猿に襲われただけであれば“犯人”という言葉は出てきませんよね。

そう。この猿にはある秘密が隠されているのです。

 

では、まずはこのお話の主要な登場人物を藤谷製薬の社員を中心に紹介していきます。

 

<登場人物紹介>

早乙女(さおとめ)

23歳、営業担当。本作の主人公。中学の頃に無免許で盗んだバイクで事故を起こし、後ろに乗せていた親友を失い、その翌年春に岩砕山登山中に事故で父を亡くしています。自責の念からその経験について「過去に2人を殺した」と語ってしまい、他の社員達から誤解され、敬遠されています。

宮田(みやた)

23歳、営業担当。早乙女とは同期入社であり、学生時代からの友人。何故かスーツで参加してきますが、これは以前から上司である氷室からいじめられており、今回の登山も騙され、一人スーツ、革靴で来てしまった為です。

佐藤(さとう)

31歳、経理。ヒステリックな性格で男性に対する反抗心が強いタイプ。序盤では自身が班長であることにこだわり仕切ろうとしていましたが、飲料水泥棒の疑惑をかけられていたり、猿奇襲時にも見捨てられるなど、早乙女と同様、不憫な扱いが多いです。

林(はやし)

21歳、庶務。おっとりした女性で、南から好感を抱かれていました。女性キャラクターの中では断トツで可愛らしいルックスとキャラクターです。優しく穏やかな性格で、他の社員に対しても献身的な姿勢を貫きます。

長谷川(はせがわ)

50歳、人事部長。登山のベテランで、数々の場面で経験からアドバイスを行います。過去の飲み屋での発言などで、早乙女から厚く信頼されています。事件当初は進行について社長に助言し、皆を勇気づけ支えるなど頼れるおじさまタイプです。

遠野(とおの)

28歳、開発室A。華奢で小柄な体格でやや幼い見た目をしており、消極的な性格から頼りない印象を持たれるタイプだが、実は頭の回転が早く冷静。知識が豊富なため、頭脳キャラとして活躍します。最後は、爆弾を抱えて猿にしがみ付き、山小屋にて槍の猿と共に散るという最期をむかえます。

岡島(おかじま)

27歳、開発室B。不細工、小太り低身長、臆病、運動神経無し等々、自他共に認める“取り柄の無い人間”。運動神経が鈍い上にすぐに弱音を吐くため、周囲をイラつかせることが多いです。最期は自ら不安定な岩を剥がし弓矢の猿と共に崖下に落ちる道を選び、泣きながらも笑顔をつくり、早乙女に対して手を上げてみせ、最後に大活躍を見せます。

黒木(くろき)

45歳、開発室Bリーダー。痩せ型の眼鏡の男性。一見気弱そうな外見をしているものの、作中ではバイオレンスな面も見せています。最期は中岳小屋が二匹の猿に襲撃された際、他の社員達が二階に逃げる中、右足を骨折していたため取り残されてしまい、猿に槍で左胸を突かれ死亡しました。

寺内(てらうち)

46歳、運転手。黒い帽子をかぶった男性。作中では佐藤に喫煙を咎められるも無視したり、また、早乙女にジュースを隠れ飲んでいた疑惑が出た時には、先頭切って早乙女に掴みかかるなど短気な性格。なかなかの激しさをもったキャラクターです。最期は氷室と馬場と共に怒りに任せて中岳小屋の中まで猿を追いかけ、持っていたナイフで挑みかかるのですが、頭部に矢を受け即死しました。

馬場(ばば)

30歳、開発室A。黒髪に上下ともに黒い登山ウェアの男性。無口で大人しい性格。同じ開発室の遠野と非常に仲が良い。最期は、氷室と寺内と共に中岳小屋まで猿を追いかけてみせるのですが、胸や目に計4発も矢を射られて死亡しました。

富久(とみひさ)

54歳、社長。豪快で明るい性格。薬害問題で前任の社長が辞任し、藤谷製薬の社長に就任します。就任後初の企画が今回の谷川岳登山でした。最期は中岳小屋にあった桃とミカン缶詰を、社員達がよってたかって早乙女に毒見させようとしているのを見て、矢を受けて死が近い自分が毒見するといい、好物であったミカンの缶詰を食べた結果、ミカンの缶詰は毒入りだったため絶命しました。

<事件発生>

主人公の早乙女稜(さおとめりょう)が勤務する藤谷製薬の社内レクレーションで、社員全員での登山がおこなわれました。登頂を目指すのはしらび山。

 

多少険しい道もあったが社員全員で無事に登ることができたのですが、その日の夜はテントを張り一日を過ごし明日下山するというスケジュール。

 

登山の疲れから熟睡している社員たち。

その夜、事件が発生します。

 

なんと鉈(なた)を持った巨大な猿が社員を次々と惨殺しているのです。

主人公早乙女はその姿を見るものの猿はそのまま姿を消してしまいます。

 

当然、社員たちは急いて下山を決意するですが、二日目の中岳小屋の前でまたもや猿が現れ、小屋までの一本道を歩いていた社員達を襲撃します。

 

この時、猿は富久社長・寺内・馬場を殺害。

その後、猿は二日目の夜に再び中岳小屋に襲撃を掛けようとしたものの、死体に紛れていた早乙女に待ち伏せされ、揉み合いの末、共に崖から転落してしまいます。しかし、深手を負ってはいたものの、生きており、最後は捨て身で岩を抱いて落ちてきた岡島に巻き込まれ滑落し、共に死亡しました。

そう。猿は登場早々に死ぬのです。

ではこの物語はここで終わるのか?

いえ、猿の悲劇はまだ続きます。

 

死んだはずの猿が三日目の夜に中岳小屋を襲撃するのです。

その際、早乙女たちが遭遇した休暇中の登山者の兄妹である、八木兄妹の八木 薫(やぎ かおる)を背中から刺して殺害。

 

更に逃げ遅れた黒木の左胸を刺して殺害し、逃走。

最終的には三ツ倉小屋にいる社員達を襲い、佐藤を人質に取るが、自作の爆弾を抱えた遠野にしがみ付かれ、共に爆死します。

 

この流れから分かるように、猿は複数存在するのです。

しかも、執拗に藤谷製薬の社員を殺そうと狙ってきます。

 

ここまでが6巻までの内容です。

もうこの時点で謎が謎を呼び、何故猿が社員を襲ってくるのか?

そもそも猿は本物の獣なのか?それとも中に人間が?

など色々な点が気になり本を読む手が止まりませんでした。

 

そして発覚する猿の正体。

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<猿の正体>

猿の正体は8巻で発覚します。

 

八木に囮にされた社員達に火炎瓶を投げつける2匹の猿。

一匹は早乙女、宮田、林の投石攻撃で火炎瓶を取り落し、自らの体に火をつけてしまったうえ、 八木にピッケルで 刺され滑落し、死亡した。もう一匹は八木に制圧されてしまうのです。

 

その正体は女子大生登山家、水口さなえ。

 

初めて見たときは「え?女子?登山家?どういうこと?」

とキョトンとなりましたが、この事件には真相があります。

 

それは三年前に起きた藤谷製薬の薬害事件です。

この事件により8名の死者、さらには後遺症を患った被害者が多数発生するような大きな事件でした。

 

もちろん、藤谷製薬の責任を求め裁判になるも、証拠不十分となり藤谷製薬の完全勝訴。この事件は会社ぐるみで証拠隠ぺいをはかっており、それを知った犯人が復讐を誓うことを決意した、というのが真相なのです。

 

なるほど。。。

ではその犯人が水口さなえ、そして事件の被害者か!

と思ったらそうではありませんでした。

真犯人は実は社員の中に、このレクリエーションの参加者にいたのです。

 

<結末>

複数の猿の存在。

執拗に藤谷製薬の社員を狙う動機。

猿たち(中に人間が入っている)への誘導。

 

これらを成し遂げるには誰かの手引きが必要だったはずです。

ではこれらを実行した人物とは誰だったのか。

 

それは主人公早乙女が信頼していた人物。

人事部長の長谷川です。

 

長谷川の家族も薬害事件の被害者だったです。

そして、長谷川は薬害事件の全容を酒に酔った前社長から暴露され、復讐を誓うことを決意。元々登山に精通していたことから復讐の場に山を選んだのではないかと推測できます。

 

長谷川の計画に参加していた女子大生登山家の水口さなえも薬害事件の被害者の会の一員だったのです。

 

これが『モンキーピーク』の猿の正体、そして真相です。

 

ですが、実は謎はこれだけでなく、

長谷川は猿に殺されます。

つまり、猿は長谷川が準備した人間以外にも存在していたのです。

 

そして長谷川以外にも藤谷製薬の社員を狙う謎の男トオルという人物も登場。

更には長谷川以外にも社員内に内通者がいる事が発覚など、まだまだ謎が残されています。

 

これらは実際に読んで確かめて下さい。

 

<まとめ>

 

引用:まんが王国

改めて猿の正体と結末をお伝えすると、

 

猿の正体

MEMO

・猿は藤谷製薬の社員を執拗に狙う

・長谷川が今回の事件の首謀者

・猿の正体は女子大生登山家、水口さなえと薬害事件の被害者

・しかし、猿の存在は薬害事件の被害者だけではない

 

結末

MEMO

・真犯人は長谷川

・長谷川の家族も薬害事件の被害者

・社員の中には長谷川以外の内通者が存在

・この山には長谷川以外にも藤谷製薬の社員を狙う者がいる

 

猿の恐怖に仲間同士の疑心暗鬼、読みすすめるうちにのめり込み恐怖が増していく。

サバイバル系漫画の中でも特に面白い作品です。

 

単なる殺人事件ではなく、未解決の謎も多く残されており、

それらを推理していくのも面白いですよ。

 

是非読んでみて下さい。

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