【ネタバレ】「3月のライオン」友達とは?家族とは?ひなちゃんのいじめ事件に学ぶ

「3月のライオン」は主人公・桐山零のプロの将棋棋士としての人生を描く将棋漫画です。

2016年に史上最年少でプロ入りをした藤井聡太二冠(2021年7月末現在)が話題になり、将棋は一躍注目のゲームとなりました。
今まで将棋に縁のなかった女性にも手に取りやすい内容で、アニメ・映画にもなった人気作品です。

また将棋だけでなく、川本家との交流を通じたヒューマンドラマとしても面白い内容となっています。

特に川本家ででてくるごはんがめちゃめちゃ美味しそうで、思わず真似したくなってしまうメニューが盛りだくさん!
思わずグルメ漫画だっけ?と思ってしまいます。

いろいろな魅力が詰まっている「3月のライオン」ですが、中でも涙なしでは読めないエピソードが「ひなちゃんのいじめ事件」です。

いつ自分や自分の身の回りに起こるかもしれない「いじめ」。
決して他人事ではない問題ですし、今がつらい思いをしている人もいるかもしれません。

なぜひなたがいじめられるようになったのか。
零や家族はひなたを守れるのか。

川本家の次女・ひなたの強さ、周りの人々の優しさは、きっとあなたの糧になるはずです。
このエピソードから学べたこと、感じたことをご紹介します。

※この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

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3月のライオン」はどんなストーリー?

東京の下町・三月町に一人で暮らす、17歳のプロの将棋棋士・桐山零。

史上5人目の中学生プロ棋士として期待されていますが、幼いころに実の家族を失っており、生活の中でも盤上でも、深い孤独を背負って生きています。

引用:3月のライオン公式サイト

そんな中、偶然の出会いから下町の3姉妹家族と交流が始まります。

病を患うライバルの二階堂をはじめとする棋士仲間との関係。
プロ将棋棋士としての生き様。
川本家を取り巻く家族の問題。
思いがけず充実しはじめる高校生活。

様々な経験を通して、棋士として、人として零が成長していく物語です。

MEMO
プロ将棋棋士
日本将棋連盟に所属し、棋戦に参加する者を指します。

 

プロ棋士を目指す人はまず「新進棋士奨励会」に入会しますが、入会するには棋士の推薦が必要な他、入会試験に合格しないといけません。

 

プロの段級位はアマチュアとは異なり、入会時は6級。
所定の成績を収めるごとに昇級・昇段していき、三段になると半年に1期行われる三段リーグで戦います。

 

三段リーグで所定の成績を収めると四段に昇段するとともに棋士(連盟正会員)となります。(棋士編入試験制度という例外もあります)

 

三段リーグで四段になれるのは1期に2名で、入会者全体の約15%です。

 

四段昇段後は、順位戦をはじめとした各棋戦に参加し、対局を行います。
順位戦は毎年6月頃から3月まで行われるリーグ戦です。

 

A級、B組1級、B組2級、C組1級、C組2級の5クラスがあり、成績に応じて次期のクラスが決まります。
そしてA級の優勝者が名人戦の挑戦者となるのです。

登場人物

桐山 零(きりやま れい)

引用:3月のライオン公式サイト

幼い頃に父・母・妹を交通事故で失いました。父の影響で覚えた将棋でしたが、生きていくためにプロ将棋棋士になることを決意。
父の友人でもあったプロ棋士・幸田に内弟子として引き取られます。

幸田は良くしてくれているものの、その才能から義理の姉弟には疎まれ、中学生棋士としてプロになった後、家を出て一人暮らしを始めました。

将棋の才能はありましたが、孤独な生い立ちもあり周囲からは浮いた存在でした。川本家との出会いにより少しずつ成長していきます。

人づきあいが苦手であまり学校になじめておらず、いったん高校へは進学しないことを決めたものの「逃げなかった」記憶がほしいと、1年遅れで私立駒橋高校に編入しました。

1年生の時の担任・林田先生の導きもあり、将科部(放課後将棋科学部)に所属、思いがけず充実した高校生活を送ることになります。

川本 あかり(かわもと あかり)

引用:3月のライオン公式サイト

しっかりものの三姉妹の長女。
両親がいない川本家で、姉として母親代わりとして妹たちを支えています。

叔母が営む銀座のクラブ「バー美咲」で時々働いており、無理やりお酒を飲まされ泥酔した零を介抱したことから零との交流が始まりました。

猫でも鳥でも、ガリガリの子を見ると放っておけなく、フクフクにするのが好きです。
美人で優しく男性からは大人気ですが、母親代わりとしての役目を優先しているため、男っ気がなく心配されています。

川本 ひなた(かわもと ひなた)

引用:3月のライオン公式サイト

感情豊かで活発な三姉妹の次女。

亡くなった母親を想い泣きたくなる時も、誰もいないところで一人泣くような、周囲への気遣いが細やかな女の子です。
周りの人々から「ひなちゃん」と呼ばれています。

趣味は手芸と和菓子を作ることで、将来は実家の和菓子屋を盛り立てるのが夢です。
中学の野球部に所属する高橋君に淡い恋心をいただいています。

川本 モモ(かわもと もも)

引用:3月のライオン公式サイト

保育園に通う三姉妹の三女。

幼く、父親・母親のことはほとんど覚えていません。
優しいお姉ちゃんたちの下で、元気いっぱいに育っています。
ちょっと泣き虫ですが、周りから愛される存在です。

川本 相米二(かわもと そめじ)

引用:3月のライオン公式サイト

下町の生まれらしい、江戸っ子口調の川本3姉妹のおじいちゃんです。

和菓子屋「三日月堂」で三月町の名物作りに励んでいます。
孫たちを溺愛しており、頼れる存在の大黒柱です。

川本家の背景

川本家は長女のあかり、次女ひなた、三女のモモの三姉妹と和菓子屋を営むおじいちゃんの四人で暮らしています。

父親は浮気相手と出て行ってしまい、母親はその心労から病を患い亡くなりました。

母親が亡くなったのは長女のあかりが19歳のとき。
病床の母親に「お母さんの分まで二人を守るから」と約束したあかりは、母親代わりとして自分がしっかりしなくてはと強すぎる責任を自分に課しています。

小さい妹たちの世話を優先し、普通の女子のような青春時代は送れていませんが、それを感じさせないところがせつないです。

銀座でクラブを営む叔母の美咲も、そんなあかり達を心配して時々様子をみにきてくれています。
美咲おばさんは安心して頼れる、心強い味方の一人です。

引用:3月のライオン公式サイト

複雑な家庭環境ではありますが、3姉妹ともまっすぐで優しい性格に育っているのは、ひとえにおじいちゃんの人柄だと思います。

おじいちゃんは、ひなちゃんいじめ事件でも家族をまとめる、いろんな意味で川本家の大黒柱です。

川本家と零とは、ごはんを一緒に食べたり、交流をしていくうちに家族の一員のような絆が生まれていきます。

零もひなちゃんの力になるためにいろいろ考え行動するのですが、世間離れしているため、ちょっと方向性がずれているところも…。

本人はいたって大真面目なところが、重たい話の中で少しくすっとさせてくれます。

零という、血のつながりはないけれども身近な人がいたというのは、かなり大きなポイントだったのではないかと思いました。

核家族化も進む今の世の中で、家族ではないけれど、気を許せる横のつながりをつくるということは、大事なことになっていくのかもしれません。

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なぜいじめは起きたのか?

引用:3月のライオン公式サイト

もともといじめられていたのはひなちゃんの小学生からの友達・佐倉ちほでした。
ちほちゃんはおっとりしていてやさしくかわいい女の子。

名前順で分けられた班で、唐突にグループから疎外されるようになりました。

委縮するちほちゃんに、いじめは加速します。
他の人たちは自分が標的にされるのが嫌で、その様子を遠巻きに眺めていました。

ひなちゃんは見て見ぬ振りができず、一緒にいるという選択をします。

結局ちほちゃんは心を病んで転校することになり、彼女をかばうひなちゃんはいじめっ子グループの次のターゲットになりました。

そして、靴を捨てられ上履きとスリッパで帰宅したひなちゃんの姿で、いじめられていることが家族内で明るみになります。

辛い思いが溢れたひなちゃんは、一人家を飛び出し、居合わせた零がひなちゃんを追いかけました。

ひとりぼっちになるの怖いよう、でも後悔なんてしない、私のしたことはぜったいまちがってなんかない!

追いついた零に自分の想いを話すひなちゃん。

この場面は漫画全体のターニングポイントでもあります。
零は小さい頃の孤独な自分が救われた気がして、ひなちゃんの存在が今まで以上に大きくなるからです。

涙を流しながらも自分の行動に誇りを持つひなちゃんの強さに、こちらも涙が止まりませんでした。


引用:3月のライオン公式サイト

ちほちゃんもひなちゃんも、何も悪いことはしていません。

いじめっ子グループにとっては、大人しいちほちゃんも、ちほちゃんをかばい自分たちに屈しないひなちゃんも「なんとなく気に入らない」。

中学3年生で受験のストレスもあったかもしれませんが、理由はそれだけなのです。

そして、私を含めてほぼ全ての読者が憤るであろうと思われるのが、ひなちゃんの担任の先生の態度です。

ひなちゃんがいじめのことを担任の先生に相談しても、「勘違いだ」「協調性がない」と取り合ってくれません。
担任の先生に言いに行くことだって、かなり勇気のいることなのに…。

ひなちゃんの側からみると「ひどい先生!」と思ってしまいますが、今までも同じようなことがあり、でもどうにもならなくて、手をだすことができなくなってしまったようです。

先生も、もしかしたら学年主任の先生や周りに助けを求められたら良かったのかもしれませんが、うまくいかないものですね…。

いじめっ子グループのリーダー、高城めぐみの闇もかなり深いようです。

親からの期待、自分の可能性への不安、いろいろなストレスがいじめになってしまったのかもしれません。

引用:3月のライオン公式サイト

いじめは特別な理由があって始まるわけではありません。

いじめはなぜ起きるのか、自分や周りに起きた時にどう行動するのか。

零の元担任・林田先生もいっていましたが「ここに居る人間の数だけ『答え』があるからこその泥沼」。
誰の立場に立つかでも見方が変わるため、解決には正解のない難しい問題です。

川本家はこの問題にどう向き合っていくのでしょうか。

いじめの結末~川本家なりの乗り越え方

当初、いじめられていることをひなちゃんは家族に言えませんでした。

優しく人に気を遣う彼女は、あかりやおじいちゃんに心配をかけたくない…という気持ちが強かったようです。

普段明るい性格なので、余計暗い話題は家族に切り出しにくかったのではないかと思います。

いじめが分かった後、家族みんなが集まった夕飯の席でおじいちゃんがひなたにかける言葉が心に響く名セリフです。

ひな…よくやった!!

最近のいじめがえげつねーのはじーちゃんも新聞やTVのニュースでいやっちゅう程見て知ってる!!
見るたびに俺ァかわいそうでたまらなかったっ

なのにお前は…そんなおっかねぇ所で友達を助けようとしたんだな!?

すげぇ勇気だ!!
大人だってめったに出来る事じゃなぇ!!

お前はすごい!!
俺の自慢の孫だ!!

お前は何一つ間違っちゃいねぇ!!
友達を助けたんだ!!
胸をはれ!!

引用:3月のライオン公式サイト

その日あかりが作った晩ごはんは、ひなたの大好物ばかりでした。

家族に認めてもらえた、味方でいてもらえる、ということを言葉で伝えてもらえたひなたの安心は計り知れません。

ひなちゃんのいじめを知ってから、零は高校1年生時の担任・林田先生にいじめ対策を相談します。
林田先生は零の話を聞き、中学校の担任に怒り、親身になって一緒に考えてくれました。
そんな林田先生にかなり救われます。

先生のくれたアドバイスは「ひなちゃんがどんな風な解決を望んでいるのかをよく聞くこと」。

アドバイス通り、零はゆっくりとひなちゃんに学校の様子などを聞いていきました。
話を聞いてもらえ、どんなにひなちゃんは心強かったでしょう。

ひなちゃんは辛い状況の中での修学旅行からも、いじめっ子からも逃げず、真正面から立ち向かいます。
ひとりぼっちの修学旅行なんて私だったら絶対に心が折れそうです…。

そしてついに三者面談が行われることになり、川本家からはあかりが参加することになります。
そんな時もひなちゃんは気にするのは「あかりに迷惑をかけてしまうこと」でした。

面談時に運悪く高城親子と鉢合わせてしまい、保護者同士の言い合いになったときも、しっかりとあかりを気遣い支えます。

どんな時も周りのことを思い、問題から逃げないひなちゃん。
どうしたらこんな風に行動ができるのか…リスペクトしかありません。

川本家は傷つきながらも、強さと優しさで問題を乗り越えていきます。

まとめ

引用:3月のライオン公式サイト

倒れた担任の代わりに学年主任の国分先生が臨時の担任となり学校側がようやく介入。
いじめ事件は収束にむかいます。

今回のいじめ事件で、ちほちゃんとひなたが受けた心の傷は小さくありません。
特にちほちゃんは転校した先でも、いじめられる前と同じには戻れずリハビリを続けています。

いじめられた側、いじめた側、それぞれの家族、仲裁する学校側…すべての人が傷ついてしまうものがいじめです。

心あたたまる名シーンも数多くありますが、こういった問題を真摯に描いているのもこの漫画の素晴らしい部分で、著者・羽海野チカの繊細さが遺憾なく発揮されています。

一度読んだことがある方も、まだ読んだことない方も、何度も読んでもらいたい作品です。

このエピソードについては、ぜひ「自分だったらどうするだろう」を自分自身に問いかけながら読んでみてほしいと思います。

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