『煙と蜜』1~2巻ネタバレ&考察/年の差18歳!?雲行きが怪しい大正ロマン

どうも、大正ロマン年の差という言葉に弱い筆者です。

今回は、個人的にエモいタイトル、もとい個性強い作品を多く取り扱っている印象が強いコミック誌「ハルタ」から『煙と蜜』という漫画をご紹介したいと思います。

舞台は大正五年の名古屋…十二歳の花塚姫子(はなづかひめこ)の許嫁は、十八歳年上の土屋文治(つちやぶんじ)という軍人さんでした。

本記事では、幼くピュアな姫子が、許嫁である文治さまに恋する様子が可愛く描かれた1~2巻を、ネタバレ込みでオススメしていきます!

 

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作品概要

 

1~3巻 好評発売中(最新3巻は2021年6月15日に発売したばかり!)

作者:長蔵ヒロコ(代表作:『煙と蜜』『ルドルフ・ターキー』など)

連載:HARTA COMIX

まだまだ巻数が少ない上に、基本的に1話完結でエピソードが描かれるので、読みやすい上に追いかけやすいのが魅力の一つになっています。

 

『煙と蜜』あらすじ

 

大正五年、名古屋――。
十二歳の花塚姫子は、十八歳年上の許嫁・土屋文治に淡い恋心を抱いておりました。

結婚するまで、あと三年。
年の差をものともせず、ゆっくりと愛を育んでいく二人の大正ロマンとは…?

 

注意
※以下より、ネタバレを大いに含みますのでご注意ください。

 

『煙と蜜』第1集ネタバレ解説

 

KADOKAWA公式サイトより引用

 

主人公である姫子を中心に、繊細かつしっかりとした絵柄で、大正の日常生活が描かれています。
もちろん、日常生活の中には“恋”も含まれていて…?

華やかな絵柄ながら、どこか素朴で見入ってしまうストーリー。
そして、ピュアな姫子の恋から目が離せません!

 

第一話 お茶と吃逆

大正五年、九月の名古屋。
花塚邸では、一代で財をなした祖父、愛情深い母、そして優しい女中方に囲まれて育つ、十二歳の少女・姫子が、自身の許嫁・土屋文治を出迎えるために奮闘しておりました。

文治のために美味しいお茶を淹れようとする姫子ですが、吃逆(しゃっくり)が止まらなくなってしまい…!?

濃いクマと、表情の変化が乏しい文治に度肝抜かれる読者も多そう。
しかし、終始徹して紳士的な文治と、文治にときめく姫子を見ていると、つられてキュンときてしまう第一話です。

 

第二話 満月と名前

文治に見守られながら、家事の手伝いに精を出す姫子。
薪割りに挑戦した後は、お月見を彩るススキを文治と一緒に採りに行きます。

元々は東京にいた姫子にとって、名古屋での日々は新鮮そのもの。
転入した小学校の話などをしつつ、姫子が気になっていたのは、文治からの呼ばれ名でした。

好きな人に何と呼ばれるかって、結構重要ですよね…。
文治は姫子のことを「許嫁殿」と呼んでおりますが、姫子は名前で呼んでほしい様子。
「名前で呼んで下さいませんか……?」と、いじらしくお願いする姫子も可愛いのですが、お願いを聞いて、口の中で転がすように、姫子の名を大切に呼ぶ文治が格好いい回です。

 

第三話 雷と茸

台風に襲われる花塚邸。
女手しかなく、難儀していたところに現れたのは文治です。

さすがに女性しかいない家には上がれないとして、文治は手伝いを終えるなり帰ろうとしますが、突然の停電に怯える女性陣のほうから懇願されて宿泊することに。
おまけに、怯えきった女性陣と同じ部屋に布団が運び込まれて…!?

姫子だけでなく、文治も戸惑うお泊まり回です。
花塚邸の女中は美人揃いですが、文治は下心を微塵も感じさせません。
お着替えシーンに浴衣姿など、文治の色気がふんだんに描かれた第三話でした。

 

第四話 祠と稲荷寿司

裏庭の祠を掃除していた姫子。
屋敷神として祀っているのは、お狐さま…すなわちお稲荷さまです。

文治からお稲荷さまにまつわる話を聞いた姫子は、より信心を持って祠に手を合わせました。
すると、予想外のハプニングに襲われて…?

「助けてもらったらちゃんと感謝をしようという事ですよ」と、軽く姫子を脅かす、珍しい文治の姿が見られる回でした。素直な姫子は脅かし甲斐がありそう。

姫子のお願いは意外にもすぐに叶えられ、文治との距離が物理的に近づくことができました。
少し短い回ですが、ドキッとさせてくれるのが嬉しいですね。

 

第五話 砂利と体温

必死な様子の姫子が駆けていった先は、街中にある医院でした。
姫子が訴えたのは母のことです。
突然吐血した母を助けるため、姫子はお医者さまを呼びに行ったのでした。

いつもいてくれる女中は偶然みんな留守にしており、文治が花塚邸に訪れると、張り詰めた面持ちでお医者さまから話を聞く姫子がいました。

姫子の母の病名は「胃潰瘍」。
現代人としては「たかが?」と思ってしまう人も多いでしょうが、ピロリ菌が体内にある限りは慢性化しやすい辛い病気です。
文治に言われるまで、自身が怪我していたことにさえ気づかなかった姫子の心配は、想像以上でしょう。
目を覚ました母に縋る姫子の様子には、涙を誘われました。

 

第六話 秋刀魚と寝相

胃潰瘍の症状が落ち着き、食卓を囲むことができるようになった姫子の母・瑞子(みずこ)。
卓上には旬がつおのたたき、里芋の煮物、キャベツのおひたし、秋刀魚の塩焼きなどなどが並びます。

瑞子が食べられるものを、と配慮された結果、上等かつ多種が食卓にのっておりましたが、到底食べきれる量ではなくて…?

ズバリ「飯テロ」回です。
毎度の事ながら、救世主の如く現れた文治が、品良く淡々と料理を平らげていく様子が描かれるのですが、まぁ!とにかく!美味しそう!
女中たちから出た「食べ方で床での様子が分かる」という問題発言もありましたが、姫子がその真偽を知る日は…?

 

第七話 兵隊と金鯱城

舞台はいつもと少し変わって、名古屋は帝国陸軍第三師団の歩兵第六連隊酒保…要は陸軍の中にある売店近くです。

東屋で文治は、新兵たちとカードゲームに興じていました。
階級の手がかりになる上着を脱いでいる文治は、ふらっと来てしれっとカードに混ざっていたそう。
文治の目的は、名古屋の観光名所についての情報収集でした。

名古屋に着任してから、仕事ばかりだったという文治。
文治が名古屋観光に連れて行こうと考えているのは、もちろん姫子です。
現れる人間がことごとく文治に恐縮するので、どれだけ上の立場かと思いきや…文治は、階級は少佐、大隊七〇〇人を率いる大隊長でした。
また、部下の方々が個性豊かなのですが…これはまた次の機会に。

第八話 夕刻とヘリオトロウプ

ある日、文治は花塚邸の二階に上がっておりました。
紅葉が見頃を迎えたと姫子は言いますが、文治の意識をさらったのは、普段とは違う姫子の香りです。

瑞子から香水を分けてもらい、それをハンカチに付けて胸元に忍ばせていた姫子からは、甘く柔らかなヘリオトロウプの香りがしました。
身を寄せて、お互いの匂いを嗅ぐ文治と姫子の距離は、心身共に近くなり――?

匂いを嗅ぐ、というだけでも、これまでの回に比べたらぐっと刺激度が高まった回です。
文治が姫子を引き寄せて香水の香りを嗅ぐシーンなんかは、姫子とシンクロするように恥ずかしくなってしまうほど!
さらに、この回では「姫子が十五歳になったら正式に入籍する」という新事実が発覚します。

 

『煙と蜜』第2集ネタバレ解説

 

KADOKAWA公式サイトより引用

 

三年後、姫子が十五歳になったら正式に、文治と入籍する――。

第一集のラストで明かされた、結婚する明確な未来。
いつ結婚するのかが判明したことで、姫子としては花嫁修業のカウントダウンが始まったともいえます。

文治との結婚を控えた姫子が思うこととは…?

 

第九話 三年と帳面

三年、という月日を十二歳の姫子はどう捉えたら良いか分かりません。
そこで女中のみんなに聞いてみたところ、全員口を揃えて「あっと言う間」と言われてしまいました。
母・瑞子にいたっては「一瞬よ」とのこと。

となれば、三年後に結婚する姫子としては焦り出します。
そこで、姫子は三年後までにできるようになりたいことを書きだしてみることにし…。

文治が初めて姫子の部屋に入る回となりました。
自分にできることの少なさに落ち込む姫子ですが、文治は姫子の良いところをどんどん挙げていきます。
スマートに悩みを聞き出し、糸をほどくように優しく諭し…まさに年上の男性の包容力!といった描写に、惚れ惚れしてしまいました。

 

第十話 栗と泡

姫子はいただきものの栗を、自宅裏の畑に植えてみることに。
「桃栗三年柿八年」という言葉を聞いて、文治にとっての「三年」が気になった姫子は、思い切って質問してみます。

「待てる長さ ですかね」

文治の回答は、姫子には少し意外なものでした。
栗を植え、二人で手を洗い、少しずつ距離を縮めながら過ごす三年とは…?

「三年」に対する文治の捉え方、筆者は「え、エロいなぁ!」と思ってしまいました。
実が熟すまで、じっくり待てる大人ということでしょうか。
文治に手を洗ってもらう姫子も、大変色っぽかったです。

 

第十一話 風呂と背中

今回は女中の一人、龍子(りゅうこ)目線です。
姫子が幼い頃から一緒におり、姫子を育てる女性と言っても過言ではありません。
風呂を沸かしている間に夕餉を取り、家長である敬二郎(けいじろう)、瑞子、そして姫子と一緒に龍子もお湯をいただきます。

日々成長していく姫子をいとおしく思う反面、成長してしまえばいずれ文治に奪われてしまう姫子を、龍子はたまらずに抱き締めて…。

まごうことなきお色気回です。
お風呂シーンがメインであり、花塚邸で唯一文治を敵対視する龍子の心情が描かれますが、姫子への情の深さは目のやりどころに困るほど。
文治にとって、一番のライバルは間違いなく龍子ですね。

 

第十二話 髪と軍紀

ところはいつもの花塚邸から変わって、名古屋帝国陸軍第三師団は歩兵第六連隊の下士官専用浴場です。
下士官専用ですが、広々とした浴槽には大隊長の文治の姿が。

堅物である天童(てんどう)少尉は、文治の長髪が気になっておりました。
軍紀に照らし合わせると、文治は髪が長い部類に入ります。
文治曰く、坊主頭はただでさえ恐ろしげな人相がさらに悪くなるとのこと。
文治が髪を伸ばしているのは、姫子を怖がらせないためでした。

二話連続でのお風呂回ですが、今回は男性陣側。
ザ・軍人でお堅い天童のキャラがよく分かる回になっていますが、時代柄男尊女卑の考えに取り憑かれている天童は、部下だけでなく、女性受けもすこぶる悪そうです。

 

第十三話 蹄と良い子

この日、花塚邸を訪れた文治は立派な黒鹿毛(青鹿毛かも?)の馬に跨がっていました。
軍から支給されている文治の馬で、名を「黒天号(こくてんごう)」といいます。
怪我が治ったので、わざわざ挨拶に連れてきてくれたのでした。

初めて馬を間近で見た姫子は、目を輝かせます。
「乗ってみますか?」という文治の申し出に喜ぶ姫子ですが、龍子にすかさずダメだしされて…。

龍子におねだりする姫子がとんでもなく可愛い回でした。
上目遣いで窺うなんて、あざとい…!
姫子としては王子様みたいな文治と、二人で馬に乗ることができて、幸せな時間だったでしょう。

 

第十四話 空と煙

花塚邸で煙草を切らしてしまった文治は、どこかぼーっとした様子。
茶碗が空なのも気づかず、呷ってしまうほどです。
煙草を持ってきた姫子の調達先は、女中の龍子でした。

いつになくフワフワした様子の文治に、姫子は「可愛いっ!」とご満悦。
自分が知らないだけで、龍子も煙草を嗜んでいたと知り、姫子は煙草の魅力を文治に尋ねます。

昨今、嫌煙されがちではありますが、喫煙者は大いに同意してしまいそうな文治の煙草談義。
煙草を吸う様子が丁寧に描かれ、姫子が羨んでしまう気持ちも分かります。
しかし姫子が知りたいのは、煙草の味ではなくて大人の感覚でした。

 

第十五話 三畳間と噂話

三畳間に集まった女中四人と、姫子。
龍子とこま子(女中の一人)の部屋に遊びに来ていた姫子を見て、残りの女中である星子と月子が詰めかけてきていました。

話題は宝塚の少女歌劇について。
そしてレコードに移り「いつでも好きな人の声が聴けるなんて素敵」という話になりました。
すると、龍子を含め、その場にいた全員が「文治さまはいい声」と認識していて…!?

好きな人のことを褒めてもらえて嬉しい姫子は、文治の声について深い考察を披露します。
深い水の中を揺蕩う柳のような、お腹に響くくらい低い声って…筆者としては「津田健次郎か…?」と思いますが、いかがでしょうか。

 

第十六話 髭と桃

いつものように花塚邸にやってきて、文治が提供した話題は「髭」。
文治の髭面を想像しやすくするために、姫子は折り紙と鋏を持ってきて、型紙を作ります。

そして、見た目には分からないものの、今もかすかに髭が生えているという文治の肌に、姫子は直接触れてみることにしますが…。

文治の肌というか顔に触れ、戸惑う姫子。
髭が生える範囲を、文治に握られた姫子の手が、意味深なコマ割りで追っていきます。
自分との違いを分かってもらうために、文治の手を取って自らの頬に触れさせる姫子は、いじらしくも見えますが、文治の感動は姫子の桃肌のほうに向けられたのでした。

 

第十七話 敬礼と笑顔

今回描かれるのは、大隊長としての文治の日常です。
事務仕事に勤しみ、急遽請求された追加予算の捻出に苦心し、合間に時局講話(いわば講演)をこなし…花塚邸に行く前には面倒ごとを見事解決してみせました。

すると、天童少尉が部下の不手際によって怪我をしたという一報が。
幸いにして怪我は大したことありませんでしたが、堅物の上に経験不足の天童は怒り狂います。

文治の軍人としての有能さと、厳しさが垣間見える回でした。
天童を始めとして、文治を慕う個性豊かな部下も描かれており、叩き上げ風の六藤(むとう)、オネエさんの気配が漂う三ヶ尻(みかじり)など、推しキャラが増える話でもあります。
そして、姫子に会う前に表情を和らげようとする文治の心意気がイケメンでした。

 

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登場人物紹介

個性豊かなキャラクターが彩る作中で、主要人物をピックアップしてご紹介!

花塚姫子(はなづかひめこ)

十二歳の少女。
良家のお嬢様らしく育ちが良く、優しく素直な性格です。
非常時には狼狽えるのではなく、自身にできることを冷静に見極め、行動する芯の強さも。

許嫁である文治に恋をしていて、文治に見合う女性になるべく奮闘中。

 

土屋文治(つちやぶんじ)

姫子の許嫁。
三十歳になる男盛りで、濃いクマと飄々とした性格から不気味に見えることも。

しかし、その実かなり紳士的な性格で、姫子を始め、花塚邸の人々をとても大切にしています。
かなりの愛煙家で、美声。

帝国陸軍第三師団歩兵第六連隊にて、大隊長を務めています。

 

龍子(りゅうこ)

花塚邸に仕える、女中たちのリーダー的存在。
美人で気が強く、しっかり者ですが、姫子を溺愛するあまり、文治を目の敵にしています。
姫子に隠していたもの、喫煙者。

 

筆者の考察…三年後、二人を待ち受ける試練とは!?

 

不穏の足音は三年も先にいない…というのが、筆者の見解です。
何故かというと、大正七年に日本はシベリア出兵を宣言するから。

史実では名古屋の第三師団も出兵しており、その中には当然、文治が率いる大隊も含まれているでしょう。
シベリア出兵は1918年八月~1922年十月まで、すなわち大正七年~十一年まで続くのです。

大正十一年まで文治がシベリア出兵しているとしたら、姫子は十九~二十歳になる年齢に。
結婚という未来の前に、文治が軍人である以上、避けては通れない戦争が立ちはだかっているのが分かりますね。

埋められない年の差だけでなく、成長した先にも戦争で離ればなれという可能性が待ち受けているだなんて…!
おまけに、無事に文治が帰国できたとしても、大正十二年には関東大震災が待ち受けているのです…。

文治と姫子が結婚するまでには、大きな試練がいくつもあることは間違いないようですね。

 

まとめ

 

大正ロマンの元、育まれる年の差十八歳の恋と愛。
力強くも美麗かつ繊細な絵柄で描かれる物語は、毎話ときめいたり、色気にドキッとしたりと全く飽きさせません。

何より…文治が想定以上に姫子を大事にしているところが良い!

子供扱いするわけでなく、きちんと「許嫁」として扱い、姫子も文治にまっすぐな恋心を抱いています。

「大人と子供じゃん」「文治さま、お顔怖すぎない?」というご意見は認めます。
確かに初見で見ると、文治の顔は怖い。
むしろ、あのお顔も大好き!となっている姫子すげぇな…と感心します。

ここで『煙と蜜』をオススメしたい方を、本記事の筆者が独断と偏見で選定してみました。
ズバリ……

  • 『カードキャプターさくら』的なピュアな恋が見たい!
  • というかピュアな少女が見たい!
  • 大正ロマンを描いた作品が見たい!
  • 帝国陸軍の軍服エロい!
  • 大人で紳士的な男性×純粋無垢な少女という組み合わせが好き!

といったところでしょうか…選び切れていないですね。

正直、表紙で「苦手かも」と思わなかったら買いです!



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