青の母 ネタバレ。村に伝わる女性の人形を使った恐ろしい因習

 20年以上漫画を読み続け、グロ系ミステリー・サスペンスをこよなく愛する私が今回お勧めする漫画は『青の母』です。

 この漫画は、ある村に伝わる恐ろしい因習とそれを取り巻く多くの悲しき運命が描かれたミステリー・サスペンス漫画です。

 人形を使った伝統行事ってどんなイメージですか?日本では雛人形などがあると思いますが、この漫画に出てくる習わしは門外不出の恐ろしい因習なのです。なぜそんな恐ろしい因習が存在するのか、知りたくないですか?

 4巻完結ということで、今回の記事では感想や考察を交えながら『青の母』の魅力をたっぷりお伝えしていきたいと思います!

以下はネタバレを含む記事です。ネタバレに抵抗のある方は見ないで下さい。

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1.あらすじとネタバレ

引用元:まんが王国

 事故で親を亡くした絲子(いとこ)は孤児院で心を閉ざしていました。しかし、孤児院へよく遊びに来ていた冬弥(とうや)によって絲子の堅くなになっていた心は徐々にほぐれていきます。

 19歳になった絲子と冬弥は結婚することになり、式を挙げるため冬弥の故郷である水籠(みごもり)村へ行くことに。村に伝わるある儀式を境に、絲子の身に恐ろしい出来事が次々と降りかかります。絲子と冬弥の運命は、そして青の母とは一体・・・。

 1巻から明らかになる人形の正体

 冬弥の故郷である水籠村にやってきた絲子は奇妙な人形を目にします。村のしきたりにより、村の男は花嫁になる女性の人形を奉納するそうで、その人形は絲子にそっくりでした。

 結婚式当日、人形供養の儀という怪しい儀式が始まりました。踊り子が舞を踊り、その後用意された人形を火の中へ放り入れることに。絲子はその人形が踊り子に似ていることに気づきますが、気にせず火の中に人形を入れました。

 すると、人形が苦しみ出したのです。不気味に思った冬弥は人形の頭を踏みつぶします。次の瞬間、バケモノが壁をぶち破って乱入してきました。そのバケモノは村人たちから“ドブメ”と呼ばれていました。

 ドブメは参加者を次々と攻撃していきます。さらにフクロウと呼ばれる追手がやってきて冬弥も傷を負って意識不明に。そのショックで絲子は気を失います。

 気を失った絲子を囲みながら老人たちが話をしています。「身体は『青の母』に、魂はいつも通りに処分してしまえばええ。青の母・・・どうか良い子を生(な)して下せぇませ」と老人。勘の鋭い方は人形の正体がわかったかもしれませんね。

 そうです。絲子の魂はあの絲子そっくりの人形の中へ入れられ、身体は魂の抜けた状態になってしまいました。つまり、人形供養の儀で火の中へ入れた人形は、踊り子の魂が入っていたということが予想できます。

 人形になってしまった絲子は、喋ることも動くこともできません。儀式の人形同様、絲子は処分されてしまうのでしょうか!

2巻、青の母とドブメの関係

 人形の絲子は処分されそうになりますが、不思議な力で身体が動き、逃げ出すことができました。

 冬弥の傷をなんとか癒せないかと山の中を歩き回っていると、なんとドブメに出くわしてしまいました。儀式でのドブメを見ていた絲子は冬弥を攻撃されると思い、勇気を出してドブメに襲いかかろうとします。

 すると、幼い少年が絲子の前に立ちはだかりました。少年の名はすずめ。現れたドブメは儀式の時の奴とは違い、危害を加えないということでした。すずめはどうやら敵ではないようです。そして絲子に持っていた着物を貸しました。この着物、後に非常に大事なものだとわかります。

 絲子はすずめから青の母が怪我や病気を治してくれることを知り、その謎の者を探すことになります。

 一方、冬弥の怪我は良くならず悪化しているようでした。すずめが薬草を採って来てくれましたが、なんとそれは毒草のトリカブトでした。すずめはフクロウから聞いたと言います。つまりフクロウは冬弥を殺そうとしたのです。ここでのフクロウの行動もぜひ憶えておいてほしいです!

 さらにそこへ、村人が絲子を処分するために襲いかかってきました。その騒動に巻き込まれ、すずめと一緒にいたドブメが切られてしまいました。その瞬間すずめが「おかあさん」と言ったのです。お母さん!?ドブメって一体何者だ!と私は謎が深まるばかりでした。

 追い込まれた絲子とすずめ、そしてドブメでしたが、突如現れたフクロウによってなんとか逃げ切ることができます。フクロウも一体何者なのでしょうか。

 絲子は逃げた先の山小屋で、ある者たちに出会います。青の母と呼ばれる女性たちです。冬弥は青の母が生んだ薬で回復しますが、その御その女性はなんとドブメになってしまいました。

 青の母とドブメについて大分明らかになってきました。青の母の正体は毒などの病原を体内に取り入れ、それを基に抗毒血清のような薬を生み出す存在でした。そして役目を果たした青の母は、毒を浄化しきれないと変容し、毒産女(ドブメ)になってしまうのでした。

 

3巻、物部家の使命とは

 一方絲子は小屋の中空木(うつぎ)という男に出会います。

 空木の子ども時代。空木は産まれた時から小屋の周り一里(約4km)から外に出られませんでした。そこは一里塚の牢獄と呼ばれ、物部家の一族が住んでいました。

 物部家の人間は先祖が悪さをしたせいで、その場所から出られない呪いのアザを手首に刻まれ、それは子々孫々と受け継がれていました。

 末っ子だった空木は兄弟から自分たちが青の母の作り手だということを知らされ、その作り方も教わります。閉鎖的な環境の中、ひたすら青の母を作り出す行為によって家族の精神状態は限界にきていました。父と兄たちが青の母に手を出したのです。

 そんな家族に制裁を下すものが現れました。それは御山の子です。御山の子は村を囲む山(御山)に愛された神聖な存在です。自然を操るといった特殊な能力を持っており、村を包む摂理そのものなのです。神聖な青の母に手を出した物部家を罰しに来たのです。

 家族は御山の子に全員で殺し合うことを命令され親兄弟は死にましたが、平伏した空木と叔父は生きることを赦されました。

 成長した空木は、村から物資を運んでくれる女性と出会いました。その女性の名は椿(つばき)。椿は空木と同じ年ごろだったのでしょうか。とても明るい性格で、いつも空木に話しかけていました。

 それが空木にとっていつしか心の支えになっていたのです。しかし、突然椿が来なくなってしまい、空木にとって残酷とも言える日がきてしまいます。

 椿が青の母として連れてこられたのです。すでに魂は抜かれ、空っぽのその女性を見て空木は泣き崩れました。自らの手で青の母にしてしまった空木は、いくら使命と言えど複雑な思いでした。

 ある日、村の男から椿のことを聞かされます。椿には縁談があったが、一里塚に思い人がおり、身体だけでも一緒になりたいから断り続けていたのだと。そして空っぽの椿から「うつぎ」という言葉が。それは残滓(ざんし)と呼ばれるもので、魂の名残だそう。心がそこにあるかのように勘違いしてしまうほど、空木にとって残酷な仕打ちでした。

 空木はもう椿に青の母の役目を続けさせまいと、新しい着物を着させ、山に解き放ったのです。

 時代は現代。すずめが怪我を負ったドブメを助けてほしいと、小屋を訪れてきました。しかし神聖な場所に山鬼やドブメといった穢れたものを入れるわけにはいかないと空木は一度治療を拒みます。

 青の母として連れてこられた女性の中に、たまに妊娠中の女性がいるそうです。妊娠初期だと気づかないので、そのまま青の母としての役目を果たすとか。その時、取り込んだ毒が胎児にも影響を与え、身体能力の高い特殊な子どもが産まれるそうです。その子どもが山鬼です。

 空木は思いとどまりました。それは、すずめが空木の子どもだったからです。空木は絲子がすずめから着物を借りたと話していたことから、ドブメが昔自分の愛した女性だったと確信したのです。

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 3巻でまさかの親子愛が見られるとは

 冬弥は空木に自分の正体を明かします。なんと冬弥は御山の子だったのです。冬弥は過去で制裁を下したようにその場の者たちを排除しようとします。

 標的になったのは、元は椿だったすずめの母ドブメでした。冬弥はドブメに致命傷を負わせます。すずめは怒り狂い冬弥に切りかかりますが、冬弥は簡単にすすめの動きを無効化します。御山の子には誰も逆らえないのでしょうか・・・。

 さらに冬弥は人形の絲子に近づき、なんと絲子を破壊したのです。すると突然フクロウが現れ絲子を救おうとします。

 フクロウが冬弥と交戦している間に、空木はすずめを連れて逃げます。冬弥は急いで追いかけようとしますが、なんと瀕死のドブメが冬弥を止めたのです。

 魂がないはずのドブメが愛する(愛した)2人のために行動したのです。心がしびれました・・・。しかしドブメは力尽き、空木も致命傷を負いました。フクロウはボロボロの絲子とすずめを連れて山鬼の仲間の元へ避難します。

 すずめは最後に「おれ、待ってるから、いつかちゃんと迎えに来てね」と空木に叫び去っていきます。空木は青の母を作り出していることに負い目を感じ、自分が父だということをすずめに伝えられなかったのです。

 しかし空木はそんな運命に逆らう勇気がなかった自分を責めます。そしてそんな運命を変えてやるという思いで、手首にある呪いのアザを刀で刺しました。「すずめ、次会えたら今度こそ、本当の親子になろうな」そう言って空木は一里塚の外で倒れます。

 そしてすずめは悲しき運命を辿ります。それは“母が舟”という宿命。山鬼は自らの母の乳を飲まなければ生きてはいけないのです。生命の源である母が死ねば・・・母たる舟が沈めば乗っている子もまた沈むということです。

 空木は倒れた後、冬弥に崖から落とされ死んでしまいました。そこへ魂の抜かれた絲子が、偶然なのか何かを悟ったのかやってきました。そして自分の血を空木に飲ませたのです。すると、空木が生き返ったのです。

 時を同じくして、すずめが瀕死状態になっていました。父である空木に居場所を知らせるため必死に鳴き声をあげます。

 すずめが父に会えず逝ってしまうのかと思ったその時、空木が現れました。すずめの声はちゃんと空木に届いていたのです。すずめ「お父さん、遅いよ・・・。安心して眠くなってきちゃった。」、空木「安心して眠るといい、とうちゃん、ずっとここにいるから」。

 すずめは旅立ちました。しかし、すずめは最後まで父と母に愛されていたのです。

4巻、フクロウと絲子、そして御山の子との関係が明らかに!

 さて、物語も終盤です。フクロウと絲子の関係、そして御山の子である冬弥の目的に迫っていきたいと思います。

 千年前冬弥は幼い頃、月乃(つきの)という巫女と一緒にいました。月乃は村のために薬を作っていたようですが、おそらくドブメになってしまい村の者たちに生き埋めにされます。冬弥は御山に気に入られ、御山の子となり特別な能力を使えるようになります。

 村の者たちは、その役目にある巫女のことを“毒月乃”という言葉を入れ替え、“青の母”と呼ぶことにしたのです。月乃は初代青の母になります。そして冬弥の母親でもあったのです。冬弥は母を殺した村人たちをずっと恨んでいました。

 冬弥の目的は絲子の身体を使い、月乃を復活させること、そして村への復讐です。なぜ絲子の身体でなければいけないのでしょうか?それは千年にも渡る冬弥の計画が関係していました。

 その計画とは、千年かけて人を蘇らせるほど強力な薬を作ることです。そしてそれは絲子によって完成されました。冬弥は強力な薬を作るために“糸の女”を育ててきたのです。

 これは推測ですが、千年前冬弥は御山の子の能力を使い、2代目青の母を月乃に孕ませます。御山の子によって宿った子は、毒が影響して能力が向上した山鬼のように、特殊な能力を身に着けていると考えます。

 そして3代目、4代目と続き、命が繋がれていく度にその子の持つ能力が増していくと推察します。ちなみに“糸の女”として繋がれてきた命の名前は、結、絢、絶子、綾子、紅子、縁、そして絲子です。

 さらに能力の他に記憶が引き継がれることも考えられます。絲子が自分が本当に絲子なのか疑っていたことが証拠です。そしておそらく絲子が見ていた夢は母である縁の記憶であり、夢の男はフクロウだったのです。さらに巻の終わりに衝撃の事実が・・・

 フクロウは冬弥の企みをすべて知っており、糸の女を救おうとしていました。縁を救う際、フクロウは一度冬弥を殺しています。しかし冬弥は特別な能力によって転生し、人を蘇らせる薬となって生まれてきた絲子に近づいたのです。

 そして村では冬弥が最終段階に入っています。絲子の身体を使い月乃を復活させました。復活した月乃は村を毒で襲います。どんどん飲み込まれていく村人たち、そして逃げる山鬼たち。

 フクロウと人形の絲子も逃げ回りますが冬弥に追い詰められます。するとまた急展開が。フクロウの中に眠る黒い影がフクロウに語りかけます。次の瞬間、フクロウは謎の獣の姿に。

 そして最後のシーンです。絲子が毒に飲み込まれる寸前、「絲子、こっちだ来い!いや、縁!」とフクロウ。続いて「あなた!」と絲子。私は頭の中が混乱しながら読み終えました・・・。

2.登場人物

引用元:まんが王国

絲子(いとこ)

 最愛の人・冬弥との婚儀の際に襲われて気を失い、目覚めると自分そっくりの人形に魂を移されていた。その正体は冬弥によって仕組まれた特別な能力を持つ女性。

冬弥(とうや)

 絲子の結婚相手だったがその正体は御山の子。そして月乃の子。

ドブメ

 青の母が取り入れた毒を消化できず変容した異形のもの。

フクロウ

 冬弥の息子。御山の子らの仲間であり、絲子の力になる。

空木(うつぎ)

 御山の子であるすずめの父。物部家の一族であり、青の母をつくり出してきた。

すずめ

 青の母の作りてである空木の息子。

月乃(つきの)

 初代青の母であり、冬弥の母。

3.青の母感想

引用元:まんが王国

ただのホラーではなく“愛”にも触れられる作品

 青の母の作り手である空木とその息子すずめ、さらにドブメとなってしまった母の3人の親子愛や人間愛を見ることができました。それぞれ逃れられない運命の中、確かに芽生えた愛を大事に生き抜いた姿は感動させられました。

 青の母が薬を生み出すシーンなど、ショッキングな描写が多い中での愛の物語は、より引き立てられるシーンになっていたと思います。

多くの謎は解決できたのか?

 とにかくこの漫画は冒頭から謎が多かったです。人物自体に謎が多く、さらに推測しなければ読み進められない状況にも陥ります。原作で明らかになっていないことは想像しかできませんが、じっくり読めば自分なりの答えにたどり着ける内容になっていたのではないでしょうか。

消化不良の最終回は打ち切りを思わせる

 最後は獣となったフクロウと、それにまたがる人形の絲子がどこかへ消えていくところで終わっています。4巻終盤にかけて急展開が多く、過去の話で明らかになっていなかった設定まで出てきます。読み手に仕方なく終わらせたのかな、と思わせるほど急に終わってしまいます。

 続編である『鬼喰い少女と月梟』という漫画に繋がるようなので、そちらで謎は明らかにされるのでしょうか?

4.まとめ

引用元:まんが王国

 謎の多い漫画でしたが、青の母とドブメの関係性で印象に残ったことがあります。青の母は取り込んだ毒を消化しきれないと毒が回りドブメになってしまいます。

 実際、私たち人も不満や怒り、ストレスなどを抱えすぎると精神を病んでしまいます。時に悲しい事件が起こることも・・・。現実に起こりうる恐ろしさも、この漫画は教えてくれたと思っています。

ミステリー・サスペンス、ホラーが好きな人だけでなく、心が疲れ気味だという人にもぜひ読んでいただきたい作品となっています!

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