【ネタバレあり】漫画「はめつのおうこく」ただの復讐劇じゃない!?あなたは2ページ目で主人公の絶望を知る!

引用元:MAG Garden「はめつのおうこく」

著者「yoruhashi」さんによる「はめつのおうこく」は月刊コミックガーデン等で連載中の人気作品です。注目度の高いこの作品は、とにかく戦闘シーンがかっこいい!!そしてストーリーが練り込まれていてめちゃくちゃ面白い!!

「復讐劇」の要素が強く著者の画力が高いため、強めのグロシーンが続くのですが、なぜかテンポよく読めちゃう・・・。人をいっぱい殺してるのになぜか主人公がどんどんかっこよく見えてきちゃうんです!

しかもこの作品には「はめつのおうこく」にとどまらない大きな要素もあって・・・。続きが気になって仕方なくなります。そんな見応え満載の「はめつのおうこく」を紹介していきます!

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あらすじ

この物語の世界には「人類」と「魔女」という二つの種族がおり、魔女は人類を助けながら共存してきました。

しかし、世界帝国リディアは科学力の発展に伴い「もう魔女はいらない」と魔女狩りを始めます。

魔女「クロエ」とその弟子「アドニス」も逃亡虚しく捕まってしまい、クロエはアドニスの目の前で科学の力で惨殺されてしまいます。

アドニスは『人類を滅ぼす』と誓うほどに怒り狂いますが、アドニス自身は人間であるために殺害されることなく幽閉され、魔女と魔法は滅びるのです。

それから10年。

リディアの捕虜の「ドロカ」は性奴隷にされそうな友人の身代わりに牢から出ますがギリギリのところで逃げ、役人のスマホを使って国中の牢を開錠してしまうのです(この世界のスマホはわりとなんでもできます)。

そして幽閉されていたアドニスの牢も開錠され、世に放たれます。

10年間の間にいくつものシミュレーションを重ねてきたアドニスは、その解を一つ一つ試すように、楽しそうに惨殺を開始しました。

しかしドロカはアドニスにこう告げ、戦いをやめるよう諭すのです。

『私はあなたを救うために人間の奴隷に紛れてこのリディア帝国に潜入したの。すべてはクロエ復活のため。あなたと彼女の「記憶」が必要なの』

ドロカは滅んだはずの魔女の生き残りでした。

注意
これより先は、「はめつのおうこく」1~4巻のネタバレに触れています

アドニスの核心に触れる、魔女の国編

1〜3巻はほぼアドニスによる復讐劇なので戦闘シーンが多いのですが、比較的アドニスの核心に触れたシーンは魔女の国に行ったあたりです。

アドニスとドロカがクロエ復活について話した後すぐにドロカは死んでしまいます。

しかし他にも生き残りの魔女がいて、その力添えもあってアドニスは魔女の国へ転送されます。

そこにあったのは巨大な樹木。それは魔女を産む木でした。魔女は単性なので、その樹木によって生命を繋いでいます。

そしてその木には新しい命が宿っているのですが、その命はまだ何者でもないのです。

アドニスの持つクロエの記憶をその命に宿すことで「クロエの記憶をもった新しい個体を作り出そう」というのが魔女たちの狙いです。

クロエ大好きなアドニスは魔女たちのいう通りにクロエを蘇らせようとするのですが、思いとどまってドロカを生き返らせます。

その思いとどまるまでの想いが・・・泣けるんです

しかしそのせいで魔女たちの作戦は崩れてしまいます。

しかもアドニスは恩を仇で返し(魔女たちに治療などしてもらったにもかかわらず)、魔女の国に人類を招き込んでしまうのです!

そこからかなり激しい魔女VS人間が繰り広げられます。

著者の「間」の使い方がうますぎて、グロさも増してしまうんですが、息を呑むとはこういうことか、と思うくらい、圧巻な戦闘シーンが続きます。

ここでポイントなのは、アドニスはあくまでクロエの味方であって、必ずしも魔女の味方というはけではないこと。

最後に魔女たちに『ごめん』というので、人間よりははるかに好きだと思いますが、あくまで彼の原動力は「クロエ」なのです。

気になる伏線がたくさん!

現在(2021年5月時点)発刊されている4巻までの中でいくつか気になる伏線が登場します。その中で私が気になる3つを紹介します。

アドニス怒りすぎ問題

アドニスは目の前で愛する師匠を殺されているため、人が憎くて仕方ありません。

しかもただ殺されるのではなく、科学の力によって抵抗できない状態で殺されてしまいます。怒るのも無理はありません。

しかし、正直『え、そこまでする・・・?』と思うことも平気でするのです。人が死んで笑ってしまうような捻れ方をしています。

そして、彼の魔法で召喚されるアイテムがどちらかというと科学寄りなことも気になります。

召喚魔法なのでなんでもありだとは思いますが、師匠の魔法は「氷」でしたし、他の魔女も「ヘビや虫を操る」など割と古典的な魔法だったため、巨大化した銃などを操る姿に少しだけ違和感を感じるのです。

クロエが死んだ時にその場にいた人だけではなく、「人類」を滅ぼすと誓うほどの過去があるのではないかと想像できます。

クロエとアドニスの過去は二人の記憶の断片で少しだけ描かれているのみで、詳しいことはまだわかりません。

過去を知ることで彼の悲しみがより感じられるようになるのでは?と展開に期待しています!

ドロカの能力問題

魔女の国の戦闘の中で、ドロカは「愛の魔法」を使って相手の動きを封じたり操作することが可能ということがわかっていますが、気になる点が一つ。

役人のスマホを奪って逃げた時の声真似がうますぎたこと。

科学の力によって台頭し魔法にすら打ち勝った国の機器が、「声真似」程度で破られるはずがありません。ましてや牢の施錠などという重要なシステムに欠陥があるとは考えにくいです。

声真似をしている時やたらと役人にそっくりな描写がされているのですが、それは誇張ではなくドロカのもう一つの力なのでは・・・?と考えています。

スマホを奪われた役人が言った『私の権限レベルではあの監獄は開錠できない』というのも重要なポイントでしょう。

ドロカの力は生物だけでなく、機械にも効くのか?それとも違う能力なのか??

今後の展開が待ち遠しいです!!

新女王、ドロカそっくり問題

リディア帝国の国王「ゲーテ」の妃である「アンドロメダ」は顔にベールをまとっているためその素顔を見ることができません。

しかし、3巻の終盤に突如「愛の魔法」を使う魔女であることが判明し、その素顔がドロカと瓜二つであることがわかります。

そして彼女の本当の名前は「アンドロメダ」ではなく「ドロテーア」。アンドロメダは彼女が生まれた銀河の名前なのです。

つまり、彼女は生来この世界に生きているわけではなく、違う星からやってきたことになります。

ドロテーアは目的があってアドニスの首を欲しているのですが、それを示唆するシーンではアドニスそっくりな人が映る写真が数多く描かれます。

アドニスのそっくりさんも登場するってこと!?!?

ドロカの魔法は「愛の魔法(まほう)」であるのに対し、ドロテーアの魔法は「愛の魔法(スペル)」とルビが振られている点も、似ているけれど違う存在であることをはっきりさせていると思います。

・・・この3巻の終わりのシーン、実は「はめつのおうこく」にはもう一つの物語が存在し、それを読んだことがある人には点と点が一本につながるような衝撃的なシーンなのです。

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前作「剣の王国」との繋がりが熱い!

実は「はめつのおうこく」よりも先に、「剣の王国」という漫画が連載されていました。私も連載当時に夢中で読みました。しかし完結まで掲載することなく突然に連載は終わってしまいます。

「剣の王国」には、「はめつのおうこく」のキャラクターとキャラデザはほぼ変わらない、名前や立場が少し違うだけのキャラクターが多く出てきます。「はめつのおうこく」とストーリーは違い、冒険的なストーリーが多いです。

なので「はめつのおうこく」の連載が開始された時、『大人の事情で同じ名前とストーリーが使えないのかな・・・』と思って読み始めました。

しかし「はめつのおうこく」の3巻の終わりで衝撃を受け、考えが違ったことを知ります。

この2つの物語は繋がっており、合流するのです。

「剣の王国」の主人公の名前は「ドロテーア」と「アルフレド」。繋がりが見えてきましたね。

しかし、衝撃を受けるのはそれだけではないのです。ですので、以前に「剣の王国」を読んでいた人がいたら、ぜひぜひ「はめつのおうこく」を読んでいただきたい。

もちろん、「はめつのおうこく」から読み始めた人も(このネタバレ記事を読んでいたとしても)剣の王国を読んで、ショックを共感してもらえると思います。

「剣の王国」は現在MAGCOMIでリバイバル連載中です。初期の絵柄は現在と違っていますが、だんだん画力が上がっていくのが分かります。

この漫画はいかにギャップを楽しめるか!

引用元:MAG Garden「はめつのおうこく」

この作品、ずっと気になっていたので初期の頃から連載を楽しみに読んでいるのですが、第一の感想が「ギャップがすごい」でした。開始2ページで天と地ほどのギャップを叩きつけられます。

一見普通のファンタジーに見せかけて、やられます・・・。

それに、主人公の二人の性格が真逆なところ!そこも良い味を出しています。

短気すぎと思うほどにとにかく怒りまくっているアドニスと、純真すぎて一周回って不憫なドロカ。一見相性がとても悪そうなのに、ふとした時にお互いを落ち着かせてくれる関係でとても良いです。

魔女と人間の戦いというよくあるテーマをこれでもか!とダークにしている分、ドロカの純真さには救われます・・・。

所々に入るギャグは基本彼女を中心として描かれるので、ドロカが出ているシーンは安心して読めます(笑)

あとはとにかく登場人物が多いのですが、きちんと書き分けがされているところも良いですよ。すごく重要そうな人物なのにすぐ死んだり、顔や立場的に優しそうな雰囲気なのに当たり前のように怖いことをするんです。

そういった細かいギャップも癖になっていくんですよね!

「主人公怒りすぎじゃない?」とか「展開早くない?」と思うところもありますが、物語はまだまだ序章です。

どこに伏線が隠されているかわかりません。違和感は全て疑ってギャップを楽しみに読み進めるのがコツです!

まとめ

今回は「はめつのおうこく」の要注目なシーンと前作との繋がりについてまとめました。

魅力的なキャラクター満載の本作は、前作との繋がりも含めてストーリーの練り込みがすごい!特にアドニスの核心に触れるシーンや気になる伏線は今後の展開に期待大です!

  • 日常パートの多いストーリーよりテンポのいい漫画が好き
  • アクションシーンのかっこいい漫画が好き
  • ストーリーが複雑に練り込まれた漫画が好き

そんな漫画を求めている方には刺さること間違いなしです!ぜひ、読んでみてくださいね。

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