オネェ×喪女の恋愛描く『やわ男とカタ子』のあらすじとネタバレ!

祥伝社の月刊誌『FEEL YOUNG』で連載中の長田亜弓先生著『やわ男とカタ子』。祥伝社の月刊誌『FEEL YOUNG』で連載中の長田亜弓先生著『やわ男とカタ子』。略して「やわカタ」のあらすじと見どころをご紹介します。本作は、オネェの「やわ男」・小柳睦夫と喪女の「カタ子」・片桐藤子、そして2人の周囲の人間の恋愛事情を描いた漫画作です。

 

一見、オネェと喪女の組み合わせにピンとこないかもしれませんが、意外に相性が良いかもしれない2人の今後の展開も予想しながら魅力をお伝えしようと思います。

 

この作品はただ大人の恋愛模様を描いているだけでなく、1人1人の考え方や生き方、LGBTについてなどが恋愛を通して表現されていると思います。台詞に共感することも多く、決して堅苦しくなく楽しく、登場人物や時には自分自身についても考えることができます。

 

この記事を読むと、短時間で『やわ男とカタ子』のあらすじと面白さを理解していただけます。

 

以下はネタバレ記事です。ご注意ください。

登場人物

 

まずは主要な登場人物の紹介です。

 

片桐藤子

主人公。28歳女性。アラサーですがこれまで恋愛経験すらなく、すっかり自信を失っている「こじらせ喪女」です。長身や地味な見た目、目つきの悪さなどがまるで女性らしくないとコンプレックスに感じています。

 

「喪女」とは、交際経験のないモテない女を指し、併用されるキーワードは「ぼっち・自虐・卑屈」などネガティブなものが多い、と作中で解説されています。

 

小柳睦夫

29歳の美形弁護士。プライベートでは女性らしい振る舞いが多い、いわゆるオネェです。バイセクシュアルで、異性のことも同性のことも好きになります。偏見や差別を受けることも多く、生きづらさを抱えています。

 

加藤久美

藤子の高校時代からの親友。藤子とは真逆の、小柄で美形のいかにも「可愛らしい女性」で、男性からとてもよくモテます。

 

小野きよ香

藤子の喪女仲間。藤子とは喪女限定オフ会で知り合い、その後再会したことがきっかけで、久美も加えた3人で行動することが多くなります。藤子同様恋愛経験が一切ありませんが、ある時出会った男性に初めて恋をします。

 

 

あらすじ

 

 

第1話目の内容は、作者の長田亜弓さんがTwitterで掲載されています。

 

 

喪女とオネェの出会い

 

藤子と小柳の出会いは合コンです。この時、一緒に参加した女の子らしく可愛い久美と比べて、自分は”女”としての資格がないと感じている藤子は、男性陣を前に喪女であることをネタにして自虐を連発し、場を凍りつかせます。

 

その失敗に気付き二次会を諦めて帰ろうとする藤子に、一緒に帰ろうと誘ったのが小柳です。帰り道、藤子は小柳に「可愛い」が似合わない自分を女とは思えないということを打ち明けます。その言葉を聞いた小柳は、藤子を2軒目に誘います。

 

2軒目の個室で美形の小柳と2人きりになった藤子は、緊張から、ここでもまた喪女ネタを披露。そんな藤子に小柳は合コンでの態度を説教します。この時の口調から、初めて小柳はオネェだと発覚します。

 

「喪女を免罪符に努力もしない自分を甘やかしているだけだ」と正論を言われた藤子は泣いて店から立ち去ります。

小柳は藤子を追いかけ、泣かせた責任を取って喪女脱却を手伝うと宣言するのです。

 

 

”女”になりたい

 

小柳は、藤子が喪女なのは見た目ではなく性格がブスだからであり、中身を磨くためにはそまず外見から変えて自信をつけることだ、と言って、久美とともに美容室や服屋を回ります。

 

見た目を変えたことで少しだけ前向きになれた藤子ですが、他人から褒められるのはやはり「女の代表」で可愛いものが似合う久美。

 

そのことを痛感させられて、ついに10年以上溜め込んでいた「久美が隣にいるせいで・・・」という気持ちを本人にぶつけてしまいます。

結局中身を変えられず久美まで傷つけてしまったと落ち込む藤子に、小柳は、自分の性別に違和感があり自分のことが嫌いだったという過去のことを口にしながら励まします。

 

「あんたはあんた 久美ちゃんは久美ちゃん あたしはあたし」

誰かになる必要はないのだ、と。

それは、藤子がずっと誰かに言ってもらいたかった言葉でした。

 

藤子は、もう諦めずに久美の隣に堂々と立てるような”女”になるのだと決意します。

 

 

人生初デート

 

後日、小柳はデートの練習をしてみようと藤子を誘い、藤子が喪女から”女”になって自分から離れる日もそう遠くないとも思っていると話します。

 

疑似デート当日。

小柳は愛という美人な女性を連れて現れます。愛は小柳の高校時代の恋人で、たまたま電車で彼を見かけて無理やりついて来たのです。

 

練習とはいえ生まれて初めてのデートで・・・と落ちこむ藤子に、愛は小柳と2人きりにしてくれと頼み込みます。彼ともう一度やり直したいのだと訴える愛。

藤子は、小柳は女性は恋愛対象ではないのではないかと疑問を抱きますが、愛は、彼はバイであり、その証拠は自分だと言います。

 

そのやりとりを知らない小柳は、突然帰ろうとする藤子を追いかけ、”彼女”を送って行く、と愛に告げます。小柳が愛を選ばなかったに驚くと同時に、自分が人から選ばれるという初めての体験に幸福感を抱く藤子。

 

その後、いつもの髪型であるポニーテールを解き、自ら”女”らしい装いをして疑似デートを楽しんだ藤子に、小柳は、喪女脱却作戦は一段落し自分から卒業することを告げてデートを終えました。

 

 

人生初彼氏

 

小柳と出会って少し前向きになった藤子を、無事仲直りした久美はもう一度合コンに誘います。そこで、藤子が大失敗をした前回の合コンにも来ていた、小柳の友人の澤という男性と再会します。

「前より少しだけ自分のこと好きになれた」と言う藤子を、澤はデートに誘います。

 

緊張しながら臨んだデート中での、結婚を意識した澤の言葉に藤子は戸惑います。

「僕は恋愛じゃなくて結婚がしたいんだ」「具体的に将来を考えなきゃいけない年」

「結局女性には”お母さん”として家庭に入ってほしい」「藤子ちゃんもやっぱり結婚して子供ほしいでしょ?」

 

澤は次々と理想を語りますが、結婚も何も恋愛すらしたことがない藤子にはついていけません。しかし、否定もできず、話を合わせてしまいます。結局、結婚を前提とした交際を申し込まれ、引きつった笑顔で頷いてしまいました。

 

人生で初めての異性との交際を始めたものの、澤から理想の家庭像の話が出ると、同棲や結婚、その後は子どもを・・・と具体的なことを考えてしまい、つい彼を避けます。

 

そんな中、藤子は風邪を引き、家で休んでいるところに小柳がお見舞いに来ます。

小柳も、職場で「ソッチ系」疑惑が浮上し、それを笑顔で誤魔化すことに疲れていたところで、藤子に愚痴をこぼします。

 

弱った小柳に、発熱で頭がぼんやりした藤子は、状況もいまいち分かっていないながらに「小柳さんに嘘つかれても傷つけられても絶対小柳さんの味方です」と呟きます。

その言葉が嬉しくて一瞬本気で押し倒しかける小柳ですが、すぐに我に返ります。

 

 

それぞれの価値観

 

後日、久美に誘われた藤子は、恋人がいる身でありながら婚活居酒屋に行きます。そこで、以前参加したことがある喪女オフ会の参加者の1人であるきよ香と再会します。

彼女は、オフ会では喪女に結婚など無理だと主張していましたが、孤独死する未来を恐れて気が変わったようです。

 

きよ香も、澤と同様に恋愛をすっ飛ばして最短ルートで結婚したいという考えを持っています。反対に、今は何にも縛られたくないと考える久美。美人で男性から人気な久美ですが、その外見のために、男性の喜ぶような言動を強いられることに疲れたのだと話します。

 

そして藤子に、自分やきよ香のように、自分に正直になればいいと久美は言います。

 

その言葉に藤子は「誰かを好きになって、その人に好きって言ってほしい」と本心を打ち明け、澤にお別れを言う決心をします。

 

 

自覚

 

澤と別れ、どこか吹っ切れた藤子は、小柳に感謝の気持ちを伝えます。

せめて今は明るい喪女でいようと思ったということ。知人の結婚式に参加した時も、花嫁を見て自己嫌悪をせず、ただ祝福の気持ちでいっぱいでいられたのは小柳と出会ったお陰だということ。

 

そして「私が私に一番正直にいられる相手を大切に思うことができる自分になりたい」と、久美やきよ香の恋愛観や澤との付き合いから出した自分の答えを伝えます。

 

そんな藤子の言葉を聞いて、小柳は思わず言います。「そんなのあたしでしょ。あんたが一番素直になれる相手なんて。だったらあたしが相手でもいいじゃない!」

しかし、ほとんど告白のようなこの言葉も、鈍感な藤子には伝わりませんでした。

 

後日、藤子は結婚式の時に借りたドレスを返すために小柳を部屋に呼んだのですが、そこに藤子の弟の松太が突然やって来ました。松太は小柳のことをオカマと言って軽蔑します。

 

数日後、松太が仕事終わりの小柳を待ち伏せ、彼が藤子に対してただの友達以上の気持ちを持っていることを知ると「世の中のLGBTに対する偏見はやめようという風潮は関係ない。身内が巻き込まれるのは迷惑だ」と捲し立てます。

その後から、藤子への小柳の連絡は途絶えます。

 

しばらく待っても小柳からやりとりの返信が来ないことが気になった藤子が電話をかけ、久々に会う約束をしました。喜ぶ藤子でしたが、彼女の部屋を訪ねた小柳は、藤子を玄関先で抱きしめ「恋人ができたからもうあんたとは会えない」と告げてすぐに帰ります。

 

藤子は、心配する久美ときよ香に、小柳に恋人ができたという話を報告しますが、途中でこらえきれず泣いてしまいます。そして、久美に促され小柳に電話をかけた時、初めて自分は彼のことを好きなのだと自覚します。小柳にもっと名前を呼んでほしいと感じたからです。

 

 

告白

 

しかし小柳には恋人がいるから、と諦めていましたが、久美やきよ香に背中を押され、気持ちを伝えようと決めます。きよ香は告白しようと提案します。初めて人を泣くほど好きになったのだから、相手に思いをぶつけようと考えたのです。

 

中身を変えるにはまず見た目からという小柳の言葉を実践するため、女性らしさを示すためだけに伸ばしていた髪をばっさり切り、告白します。

 

返事を聞いたら早く帰って泣こうと決めていた藤子に、小柳は、恋人ができたのは嘘だと言い、自分も好きだという返事をします。

 

しかし、きっぱり振られるつもりで来た藤子は、両想いだと言われても何が起きているのか分かりません。交際するなど考えられない、と逃げ腰になります。

結局、両想いになったにも関わらず、恋人関係には発展しませんでした。

 

小柳は、藤子をデートに誘いますが、まだ2人きりになることに戸惑う彼女は久美ときよ香と一緒にグランピングをしようと提案します。

 

その旅行先で、藤子と小柳が仲良さそうに話しているところを見たきよ香は、2人は付き合ってないとはいえそれも時間の問題であり、更に藤子はもう喪女ではないと気が付きます。

 

一人悩むきよ香が出会ったのが、他のグランピング客である細谷という男性です。藤子と自分を比べて焦っていたきよ香は、遅れをとるわけにはいかないと思い、趣味を口実に、細谷に連絡先を聞くのです。

 

 

きよ香の恋愛

 

そして細谷とデートを重ねるきよ香。細谷はきよ香に気があるような素振りを見せながらもあまり積極的ではありません。めげずにアピールするきよ香でしたが、3回目のデートでその理由を知ります。

 

細谷は既婚者だったのです。夫婦関係は既に破綻していると説明されますが、きよ香はどうすれば良いのか分からなくなり、藤子に助けを求めます。

しかし、その時藤子は、やっと小柳と2人きりでデートをした帰りで、酔った彼を送り、そのまま部屋に連れ込まれていました。

 

小柳は、自分とどうなりたいのか、一人称が「あたし」で、同性とも関係を持てる”普通”とはかけ離れた男である自分のことは、冷静になってみるともう考えられないか?と迫ります。

 

自分の優柔不断で小柳を不安にさせたと気付いた藤子は自分からキスをして、小柳と一緒にいたいと伝えます。

 

後日、藤子と小柳のカップル成立祝福を兼ねたクリスマスパーティを小柳宅で開催。その途中、藤子と小柳が買い出しに出ている間に、きよ香は久美と澤に細谷のことを打ち明けます。

 

お酒の勢いで軽いネタにしながら吐き出したかったのですが、微妙な空気になり、久美に細谷はクズだと言われてしまいます。

 

久美の猛反対に遭ったものの、初めて好きになった人を簡単には諦めきれず、またデートの約束をしてしまいます。どうすれば良いのか分からないと嘆きながら細谷に会いに行こうとするきよ香を説得するべく、藤子と久美は2人のデート場所に向かいます。

 

藤子はきよ香に寄り添い、自分の恋愛を応援してくれた感謝と「絶対にきよ香さんが幸せでいられる相手をと出会える」と伝えたかった言葉を言います。

 

久美に厳しく責められ帰ろうとする細谷を追いかけたきよ香は、さようならを伝え、藤子たちの元へ戻るのです。

 

 

元彼登場

 

きよ香のことが解決し、藤子と小柳はやっと2人きりでゆっくり過ごせるかと思いきや、小柳の家に、行きつけのバーで再会した元彼のモモが現れます。

 

モモは、小柳がバーで酔っぱらって愚痴ったことを覚えていて、藤子のことを本人の前で「やらせてくれない彼女」と表現します。焦った小柳は彼を追い返し、軽口のつもりで言っただけだと弁解します。

 

しかし、藤子に本心を聞かれると、いつかはそういうことも自然にできる関係になりたい、一度朝まで2人で過ごしてみたいと答えます。

 

その日、帰宅した藤子は、モモがお土産に持ってきたワインを開けます。モモは小柳の好みまで分かっているということを思い知らされ、何となく小柳には渡したくなくて持って帰って来てしまったのです。

 

そして、ワインと一緒に、モモの連絡先が記された小柳あてのメモが入っていることに気が付きました。

モモに小柳をとられたくないと焦りを感じた藤子は、小柳に電話で「今度お泊りする」と告げ、モモに連絡を取ります。

 

モモと会い、自分に嫉妬していると指摘されて、初めての感情をかみしめる藤子。

モモはそんな藤子に、小柳がバイであることは気にならないのかと尋ねます。藤子は、手を繋いだりキスをした時もあまり気にならなかったと答えます。この答えに、モモは、藤子は本当に自分のことばかりなんだなと感じました。

 

その頃、小柳は藤子の弟の松太に誘われ食事をしていました。松太は、小柳を侮辱したことを謝りながらも、外見も良く職業も立派な小柳が何故、内気な性格の喪女である藤子を相手に選ぶのか分からないと言います。

 

松太が述べた藤子の短所を、小柳は、臆病な分他者との交流が丁寧で友達を大事にしており、小柳のセクシュアリティに非難も擁護もしない姿勢は、喪女だった自分も同じように傷ついたことがあるからだと思うと返すのです。

 

 

感想

 

 

単行本最新刊と最新話が掲載されている『FEEL YOUNG』11月号について編集部さんがtweetされています。是非チェックしてみてください。

 

 

現代的な漫画

 

私がこの漫画を読んで最初に思ったことは、現代ならではの恋愛漫画だなということでした。現代らしさというのは、オネェでバイという設定のキャラクターやそれぞれの恋愛観・結婚観に現れていると感じます。

 

もちろん、LGBTも、結婚したくない女も、したくてもできない女も昔から存在していたと思います。しかし昔よりも「個性」が尊重され始めていると感じる今だからこそ共感できる読者もたくさんいるのではないかと思います。

 

 

藤子と小柳

 

最初はお互いに、自虐ばかりの卑屈喪女と説教するオカマという最悪な第一印象だったと思いますが、次第に惹かれ合っていく2人。

 

どこが決め手で好きになったのかはっきりと書かれているわけではありませんが、2人はお互いに自分が言ってほしい言葉をくれた人だということはあらすじでも分かっていただけたと思います。

 

藤子はずっと他人に久美と比較され、自身でも比較しながら生きてきました。その藤子に小柳は「あんたはあんた」と言ってくれます。

 

小柳も、性的マイノリティであることでたくさん傷ついてきた人物です。藤子も最初こそオカマ呼ばわりでしたが、他人や自分の弟が小柳のことを侮辱した時には本気で怒る場面もあります。そして「絶対に小柳さんの味方」と言います。

 

”女”になるために変わりたいと前を向き始めた藤子の一生懸命なところ。

時に厳しくも優しく導いてくれる小柳の安心感。

そのようなところに触れてお互いが大切な人になっていったのだと思います。

 

また、この2人のことを考えているとタイトルも気になりました。

藤子を表す「カタ子」という言葉は分かるような気がします。

自分は喪女だと決めつけ、女らしい物は似合わない、恋愛なんてできないと思い込んでおり、考え方が凝り固まっていた様子から、カタ子というイメージに繋がります。

 

「やわ男」の方はどうでしょうか。「カタ子」と対比させるためだけにつけたのかもしれませんが、意味があるとするならば小柳のどのあたりがやわ男なのだろうと考えました。

当然、LGBTということもあり藤子より視野を広く持っているということは分かるのですが、小柳も未だに自分の性に関して悩んでいる節もあります。

 

理解が進み始めた世の中とはいえ偏見の目や差別がなくなったわけではないため、それは仕方ないことだと思います。しかし、そのため小柳もそれなりに他人に警戒心を持って接しているということだと感じます。

 

「やわ男」という言葉に特に意味はないのかもしれません。もしかすると口調や物腰を表現しているだけなのかもしれません。どちらにしても、キャラクターへの理解をもっと深めたいと思いました。

 

 

恋愛観

 

この作品の好きな点の一つは、登場人物それぞれの恋愛観がはっきり表現されているところです。

藤子は、しっかり恋愛をしたいと思っており、いずれは結婚も考えてはいます。

小柳は同性も異性も好きで、藤子とは、今まで考えたことがなかった結婚も意識し始めたところです。

 

久美は、恋人に自分を合わせるのに嫌気が差しており、恋愛や結婚は今のところ考えていません。

きよ香や澤は、恋愛より結婚を早くしたいと思っています。理由はそれぞれ違います。きよ香は、将来独りになることへの不安と年齢的に時間がないことに焦りを感じています。

 

澤も年齢のことは気にかけていますが、恋人作りにはそう苦労するタイプではありません。それよりも彼は理想の”お母さん”になれる人と結婚することを重要視しています。澤のお嫁さん像は一見古臭くも思えますが、恵まれた幸せな家庭で育ったからこその思考であり、これも一つの価値観です。

 

主要な登場人物は全員アラサーですが、この年齢だからこうしなくてはならない、と自分にも他人にも決めつけられることなく生きられると良いなと思います。

 

人一倍年齢にも固執していた藤子が小柳や友人たちのおかげで、自分のやりたいことに目を向けられるようになったことが読者としてとても嬉しいです。

 

 

きよ香

 

主人公である藤子の他にもう一人、絶対に幸せになってほしいキャラクターがいます。きよ香です。きよ香は、最初は恋愛や結婚を諦めていましたが突如婚活に目覚めます。藤子と違い、ガツガツといく積極性はあるのですが、初めて好きになった相手は妻帯者でした。

 

そのうえ、喪女仲間であった藤子は小柳と両想いの末、正式に交際することになり、自分が悩みながら細谷と会っている間にも、2人は何だかんだ仲良く過ごしているのです。

 

作中、何度か、きよ香の藤子に対する嫉妬が描かれます。友人同士であっても、藤子の恋が上手くいくと「私はどうなるの・・・?」と思ってしまいます。

私はきよ香の気持ちがよく分かります。

 

恋愛に限らず、身近な人に勝手に親近感を抱き勝手に裏切られたようなつもりになり嫉妬します。そしてそんな自分が醜いことも分かっています。身に覚えがありすぎて、読んでいて苦しくなるキャラクターだと感じました。

 

きよ香は最終的に細谷と別れ、藤子と久美の元へ戻ります。妻との夫婦関係が破綻している細谷を選ぶことも不可能ではなかったですが、辛いけれど正しい判断だったと思います。

きよ香にはこれから楽しい恋愛だけをしてほしいです。

 

 

展開予想

 

現在、藤子が元彼に対抗心を燃やし、小柳とのお泊りを計画するというとこまで連載されています。小柳がバイという設定であり、同性の元恋人が登場してきたことで、今後藤子と小柳に一波乱起きることは間違いないでしょう。

 

気になることは、藤子が小柳のセクシュアリティをそれほど気に留めていないという事実を、小柳は、藤子が擁護も非難もせず受け入れているように捉えており、モモは、藤子が自分のことで頭がいっぱいと指摘したことです。

 

当然、藤子は小柳がバイだと理解しており、だからこそモモや愛のような小柳の元恋人が登場する度に動揺しています。自分の恋人がかつて「同性と付き合っていた」ということも頭ではよく分かっていると思います。

 

しかし、恐らく異性愛者で間違いなく、そもそも恋愛経験が少ない藤子がこの先そのことを思い知らされた時どうなるか少し怖いです。藤子が小柳を思う気持ちは本当ですが、この点に関する見立ては、モモの方が客観的に見ることができていて正しいのではないかと予想します。

 

小柳とのキスで動揺し、初めて嫉妬をして喜んでいる初々しい藤子が、モモへの対抗心で焦って空回りしないことを祈ります。

 

 

まとめ

 

祥伝社の月刊誌『FEEL YOUNG』で連載中の『やわ男とカタ子』をご紹介しました。作者は長田亜弓先生です。

 

私は、普段恋愛漫画をそれほど読まないのですが、オネェ×喪女というキャッチフレーズに惹かれて読み始めた作品です。

 

アラサーの主人公や周りの人物たちの恋愛を描いており、LGBT や今の時代における恋愛や結婚の価値について考えるきっかけにもなりました。

 

そして、藤子の成長が楽しみであり、嬉しくもあります。

登場人物の考え方や台詞に共感できる部分も多く、応援したくなるキャラクターもたくさんいて、魅力的な作品です。

 

この先、藤子と小柳の恋愛は一筋縄ではいかないかもしれませんが、そんな2人の行く末を見守ることが楽しみです。

 

無料試し読みができるサイト

 

コミックシーモア

 

https://www.cmoa.jp/title/146220/

 

 

めちゃコミック

 

https://sp.comics.mecha.cc/books/116403

 

 

BookLive

 

https://booklive.jp/product/index/title_id/513072/vol_no/001