あいらいく 山下
皆さんは、家族といえば、どんな関係を思い浮かべますか？
漫画大好き主婦の山下です。
今回ご紹介するのは『の、ような。』という
家族や暮らしを題材としたヒューマンドラマの作品です。
タイトルから気になる感じですね。
『の、ような。』に込められている想いとは一体何でしょうか。
家族の、ような。
兄弟の、ような。
夫婦の、ような。
突拍子なことが起こるわけではなく、
淡々と、物語が進んでいくような、印象を受けました。
でも、それが日常なんだと思わされます。
色んな思いや考えが、散りばめられている
作品ではないでしょうか。
『の、ような。』１巻のネタバレと感想を、お伝えしていきますので
是非、最後まで読んでいただけたら嬉しいです！
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目次
登場人物
希夏帆
引用：U-NEXT
３０歳を過ぎて、自分で買ったマンションに、１人暮らしする物書き。
愁人
引用：U-NEXT
希夏帆の恋人。希夏帆とは長い付き合いだが、一緒に暮らしているわけではない。
冬真
引用：U-NEXT
生真面目な中学２年生。中学生には見えないくらいしっかりしている。
春陽
引用：U-NEXT
天真爛漫な５歳児。可愛い。
人生の劇的変化
締め切り前の希夏帆は、仕事が終わらず
仮眠をとることにしました。
この時はまだ、人生が劇的に変わることなど
予兆すら感じていません。
希夏帆の恋人・愁人は、いとこ夫婦の葬儀に出席しています。
いとこ夫婦には冬馬と春陽という、子どもが２人いました。
親戚は２人の子どもを、どうするか話し合っています。
それを聞いていた愁人がたまらず、
２人に声をかけました。
「２人ともうちで一緒に暮らさないか？」
山下
突然両親を失ってしまうなんて
子どもにとっては受け入れがたい事実ですよね。
しかも、親戚も子どもがいるところで
２人を誰が預かるかなんて、話すのは配慮に欠けています。
希夏帆はインターホンの音で目が覚めました。
画面に映った愁人を見て腹が立ち、
玄関ドアを開けると同時に、愁人に向かって塩を投げつけたのです。
しかし、そこには愁人だけではなく、子どもが２人いました。
希夏帆は一瞬で察して、お清めをし直します。
「これは、霊を追い払うものじゃなくて、邪気を祓うためのだから」
戸惑いながら、２人は愁人に押され、家に上がりました。
事情を説明する愁人に、希夏帆は腹をたてます。
忙しいときは希夏帆の家に来ない約束でしたが、
事情が事情なだけに、希夏帆も仕方なく受け入れました。
当たり前の日常を無くした子どもたち。
希夏帆も愁人と同じく、同情する気持ちがありました。
愁人は、ここに住んだ方がいいよね、と
希夏帆に聞きます。
希夏帆も「言うと思った」と愁人を見ないで答えました。
続けてあのさ、と言いかけた愁人。
食い気味に希夏帆は言いました。
「結婚はしないわよ」
山下
いきなりの結婚しない宣言(笑)
恋人同士が必ずしも結婚、とは限らないですが、
なんだか、気になる発言ですね。
希夏帆の気持ちが、謎めいていて
この先の伏線なのかなぁと思います。
２人の立場を自分に置き換え、想像する希夏帆は
息もできず、押しつぶされそうだと思います。
感情を抑えて、希夏帆たち大人の環境に
合わせようとしている冬馬と春陽。
できるだけのことは、してあげたいと考えるのでした。
しかしながら、好物もわからず、
先の長そうなスタートだとしみじみします。
慌ただしく過ぎていく中で、
冬馬は何て呼べばいいか、聞いてきました。
（おー、歩み寄りだ）
と思った希夏帆は、まだまだ距離はあるものの、
とりあえずの一歩だと、心の中で呟くのでした。
山下
他人同士が一緒に生活していくのは
本当に大変なことだと思います。
一歩ずつ家族になっていくんでしょうね。
お母さんの味
愁人と２人の子どもとの生活が始まり、
やっと生活リズムがわかってきた希夏帆。
半一人暮らしの時に比べ、家事に時間を取られることが、わかってきました。
自分の子どもを育てたこともないのに
子どものいる生活が始まったのです。
希夏帆は隠すことなく、本音を子どもたちに話しました。
1人だった時は、フルで自分の時間だったので、
理想と現実の違いに、多少の疲れを感じてしまいます。
山下
なんやかんや、いきなり子育てを
始められる希夏帆は結構すごいと思いました。
しかも上辺だけでなく、ちゃんとしてますよね。
夕食はカレーを３人で作りました。
ちょうど愁人も帰宅し、子どもたちのおかえりなさいの声に
自然と笑みがこぼれます。
作ったカレーを食べながら希夏帆は、
家の味とどう？と聞きました。
ちがうけどこのカレーも美味しい、と冬馬は答えます。
週末、希夏帆は、愁人たちと一緒に遺品整理に行きました。
片づけながら、メモを取ります。
そして、その夜、
数日取材で出かけるから、その間は３人で協力して
と愁人、冬馬、春陽に言いました。
数日後、希夏帆が帰ってきて、久しぶりにみんなで食事をします。
ビーフシチューを作った希夏帆は、
一口目を食べる冬馬と春陽を見つめました。
春陽は笑顔で「お母さんと同じ味がする」
と言います。
冬馬は「はい・・・」と答えた後、静かに涙を流しました。
春陽はティッシュを冬馬に渡します。
謝りながら冬馬は話しました。
「あの日、夜・・・ビーフシチューだって・・・
でも事故で・・・もう食べられないって・・・」
希夏帆は、お母さん方のおばあさんの所で
少し教わってきたと言いました。
泣いたりして恥ずかしいと言う冬馬に
希夏帆は言います。
「恥ずかしくないよ。覚えてる味、大事にしなよ」
冬馬はその言葉に小さく微笑みました。
山下
冬馬は色々と、我慢していたんでしょうね。
お母さんの料理と同じ味を食べて、
色んな感情があふれてしまった感じがしました。
希夏帆もその気持ちを受け入れて
大事にしてほしいからこそ、あの言葉を冬馬に言ったんですね。
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子育てはご飯づくり
愁人の弟の友人、吉岡から着なくなった子供服を
貰うことにした希夏帆。
サイズが合うか、春陽に着てもらいます。
女の子用の可愛い服を、着こなしていく春陽に
かわいいと言うと、春陽は
「似合う？僕かわいい？」と聞いて嬉しそうにしました。
ちょうど帰ってきた冬馬は、その姿を見て戸惑い、
春陽に可愛いか聞かれると
少しフリーズした後に、似合ってる、と絞り出したのでした。
山下
いや、春陽がめっちゃ可愛い！(笑)
絵の雰囲気もありますが、性格が可愛い！
みんなにかわいい？と聞く春陽がとてもいいです。
吉岡は、愁人が休日出勤でいないことを聞くと、
お疲れ様です、と希夏帆に言いました。
さすが子育てしてきた人は
気づくことが違うねと希夏帆が返します。
男２人でって大変でしょ、と希夏帆が吉岡に聞くと、
「ちゃんとよろこんでくれたり、ありがとうっていってくれるし
それが可愛いって思ってるうち、あっという間に年月経ってた」
と吉岡は話します。
そして吉岡は例え話を始めました。
「料理するのに下準備は大変だけど、
それを美味しそうに食べてもらえたら、それは楽しい事だったし、
ご飯の事だから、それを毎日繰り返していたらあっという間で・・・」
それを聞いた希夏帆は
「つまり子育てはご飯作りみたいなもんだと」
と吉岡に言いました。
吉岡は希夏帆のことを心配していたのか、
結構楽しそう、とストレートに希夏帆に伝えます。
その言葉を聞いて、希夏帆は口角が上がりました。
（人生は予想や予定と違って困るけど
それが楽しくもあるのかもしれない
あの2人もいつかそう思えてくれたらいいと思う）
子育ては毎日ご飯を作るみたいな、積み重ねだとしたら
少しでも良い素材、栄養のある物、良い調味料
できたら、少しでも美味しく・・・
希夏帆はそう思うのでした。
山下
吉岡と希夏帆の関係も、気になるところですし、
吉岡が男２人で、子育てをしていたことも気になります！
子育てはご飯作り・・・名言ですね。
公園デビュー
春陽が幼稚園の友達の陸と、公園で遊ぶ約束をしたようで、
希夏帆は一緒に行くことにしました。
少しは仕事しようと考えていたが、
それは甘い考えだったと気づきます。
陸のお母さんと合流し、ハルちゃんのお母さんと言われ、
なんとも言えない気持ちになる希夏帆。
訂正はしないが、名前で呼び合うことを提案しました。
希夏帆は、ママ友とか無理な付き合いはしたくないけど、
この人とは助け合えたら、と思います。
そんな時、1人で遊びに来ていた男の子が
他の子どもたちに、ジャングルジムから飛ぶように
言われています。
希夏帆はそこにストップをかけました。
男の子に、飛ぶように言っていた子どものうち、
一人の女の子が、大人が口出さないでよ、と希夏帆に言います。
その女の子の母親が、子ども相手に本気で怒ってこわーいと
希夏帆に向かって言ってきました。
希夏帆は
「本気で注意して何が悪い、ケガさせる方がよっぽど怖いわ」
と文句を言ってきた、母親たちに言い返します。
その母親はグループのリーダー的存在で、
周りの人たちは何もしなかったようでした。
カズくんと名乗った男の子と、春陽と陸に
希夏帆は言います。
何かあったら助けを呼べ、恥ずかしい事じゃない、と。
しばらくしてカズの母親が来て、連絡先を交換しました。
希夏帆にとって２人目のママ友です。
山下
希夏帆って芯がありますよね。
知らない子どもでも大人でも、
正しいと思うことを、言ってあげているような気がします。
子育てをしたことはないけど、
子どもを育てるということを、
しっかりとわかっている感じですね。
クリスマスプレゼント
もうすぐクリスマスというものがやってくるんだが・・・
と愁人に相談する希夏帆。
プレゼントをどうするか悩んでいます。
愁人は子どものプレゼントで悩む日が来るとは・・・
と嬉しそうでした。
希夏帆も同意します。
幼稚園のクリスマス会で、
サンタからお菓子をもらった春陽は
希夏帆に尋ねました。
「僕・・・おうちかわっちゃったけど
サンタさん、ちゃんとわかるかな・・・？」
不安そうな春陽に、希夏帆は大丈夫と答えます。
その答えを聞いて安心する春陽。
クリスマスは、いつもよりにぎやかで
まぶしい気がした希夏帆でした。
クリスマスが終わり、ツリーを片付けるぞと
声をかけると、春陽は「えー」と言います。
希夏帆は春陽に
「また来年一緒に飾ろう」
と優しく言うのでした。
山下
クリスマスは子どもにとっても大人にとっても
一大イベントですね。
大変だけど、楽しそうに準備をする希夏帆と愁人は
本当の父親と母親のようです。
『の、ような』１巻感想まとめ
引用：U-NEXT
登場人物の口元だけをうつす、“間”を使う描写が多くあり、
読者に色んなことを想像させるような作品でした！
希夏帆は、突然子どもを育てることになったのに、
こんなにできるなんてすごいです。
そして愁人は、けっこうダメ彼ですよね・・・？(笑)
希夏帆が結婚はしないと言っているのが妙に気になり、
続きが読みたくなります。
血の繋がりだけが家族じゃない、
色んな形があっていいんじゃないか、と考えさせられました。
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ジャンルを問わず、いろんな漫画を読む漫画大好き主婦の山下です(^^♪
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