『幸せカナコの殺し屋生活』は、星海社から出版されている4コマ漫画です。作者は若林稔弥さん。タイトルの通り、カナコという女性が殺し屋に転職し、悪人を成敗していくお話です。
「殺し屋」という物騒なワードのわりに「幸せ」という言葉も入っていたり、表紙は明るい色調とカナコの満面の笑顔、個性的な動物の絵が描かれているのが目を引きます。
この作品のあらすじと魅力をご紹介します。
この記事を読むと、短時間で『幸せカナコの殺し屋生活』のあらすじと面白さを分かっていただけます。
以下の内容にはネタバレが含まれます。閲覧の際にはご注意ください。
あらすじ
そうなんです!!「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」というドラマで!!「幸せカナコ」が!!出るとか出ないとか!!楽しみー!!#ウチカレ https://t.co/nIn0NukhVg
— 若林稔弥 Toshiya Wakabayashi (@sankakujougi) December 19, 2020
作者の若林稔弥さんはTwitterをされています。アイコンの女性の絵がカナコです。
このツイートでは、1月スタートのドラマにこの作品が登場するかもしれないということをドラマのアカウントから引用リツイートして紹介されています。出演者の台本にイラストが載っているということで人気がある作品だと分かります。
殺し屋に転職
主人公の西野カナコは、ブラックな職場で働くことに疲弊し、退職した元OLです。
新しい仕事を探すため、ある会社に面接を受けに行きますが、そこはなんと殺し屋の組織でした。
そうとは知らなかったカナコは当然戸惑います。しかし、殺し屋の社長から、入社テストとしてカナコにパワハラを繰り返していた元上司を殺してみるように言われると、初心者にも関わらず簡単にクリアしてしまいました。
自分でも驚きながらも、それほど罪悪感に苛まれることもなく、社長にも天才だと褒められ、殺し屋への転職を決めます。
殺し屋生活
順調に実績を積み上げるカナコでしたが、凄腕の殺し屋”K”がいるという噂が裏社会で広まります。
また、正義感の強さから、例えば店員を恫喝する客や痴漢などのいわゆる”悪い奴”を退治することも多くなったこともあり、警察にも目をつけられます。
怪しまれているカナコの家に男女2人の刑事が訪ねてきます。女性刑事はカナコを疑いますが、男性刑事の竹原はカナコに一目惚れし、そのおかげもあり彼女の正体は未だに見抜かれていません。
そんな中、”K”を探す別組織の殺し屋の男がカナコを襲います。殺し屋は、最初はカナコが”K”の関係者だと思い接近したのですが、彼女の素人ではない雰囲気に勘付き、監視するため隣の部屋に引っ越します。
仕事中の変装を解き、細美と名乗った殺し屋は、見た目も性格も良い男性に扮しており、カナコの印象も悪くありません。やがてカナコは細美に告白され、彼の正体に気付かないまま交際をすることになります。
殺し屋同士の交際
自分は殺し屋だという葛藤もありながらも、細美との結婚まで夢見始めたカナコ。
しかし、細美の部屋にお泊りすることになった時、その部屋で、銃や自分と周囲の人間の写真が隠されているのを発見します。
ショックを受けるカナコに、細美はプロポーズします。カナコが”K”だと分かっていることを白状し、それでもプライベートでは普通の女性であるカナコに惹かれたから2人で普通の幸せを手に入れたいと話す細美。断る場合、当然カナコは殺されます。
友人や仕事の先輩にも相談し、悩んだ結果カナコは結婚を断ります。
「私にとっての幸せはこの殺し屋生活なの」
殺し屋という職業を通して今までの虐げられてきた自分を変えることができ、人を元気にしたいという夢もできた今の自分は普通の幸せは求めていないということに気付いたのです。
断られた以上”K”を始末しなければならないと言って銃撃してきた細美をカナコは返り討ちにします。
悲しい別れを経験したカナコは、自分は普通の可愛い女の子ではなく、殺し屋の西野カナコだと改めて自身に言い聞かせるのです。
癒し要素
一見どこにでもいそうな普通の女性であるカナコですが、職業は殺し屋。
依頼を受けて人を殺します。
人に害を与えるような人間を見かけると、その人物に困らされている周囲の人から依頼を取って来てまで始末しようとする描写もあり、正直、過激な面もあると感じます。
しかし、この作品の面白いところは、普通の殺し屋漫画と違い、主人公が基本的に明るく生き生きとしているというキャラクター設定に加え、ほとんどのページに動物をもじったダジャレとその動物が描かれているところです。
上の画像は、特設サイトで公開されているページです。社長に才能を見込まれ、カナコが驚いているシーンです。「マジ」と動物のアルマジロをかけたダジャレがコマの下に書かれています。この漫画はこのように、4コマの下に一言加えてあり、それも楽しく読める一つの要素だと思います。
カナコが困ったり悩んだりする場面でも、その感情に合ったダジャレと彼女の表情と同じ顔をした動物が出てきます。
所詮ダジャレではありますが、そのおかげでシリアスなシーンでもクスッと笑えて重くなりすぎずに読むことができます。
まとめ
『幸せカナコの殺し屋生活』は元OLの西野カナコの殺し屋生活を描いた作品です。
タイトルの通り、最初は戸惑いもあったカナコも殺し屋としての実績を積んでいくうちに殺し屋を天職だと感じ、幸せを見出しています。
学生時代は虐められ、社会人になってもブラック企業でパワハラに遭うような”弱者”であったカナコでしたが、殺し屋になり、悪人を討つことで世の中の理不尽に対抗する力を持ちました。
彼女の人生の中で一番充実した生活だと感じており、恋愛も経験します。
しかし、交際相手は同業者。初めは監視のためにカナコに近づいたものの、本当に好きになったと言う相手を殺してしまうという結果に終わります。
恋人を自分で殺してしまったカナコがこれからどうなるのか気になります。
殺し屋である自分に誇りを持っているため、今後も続けていくのでしょうか。
しかし、まだ普通の女性としての生活への憧れも持っているという描写もあります。
いつかは辞める時もくるのかもしれません。
カナコが悪者を成敗して弱い者を助ける姿は勧善懲悪ものとして読んでいてスッキリします。そして、カナコのピンチや葛藤を描く深刻な場面でも、ダジャレと動物たちが登場することで、暗い気持ちにならずに読むことができます。
基本は4コマで構成されているところも読みやすいポイントだと思います。
現在は4巻まで発売されています。カナコの幸せな殺し屋生活に興味のある方は是非読んでみてください。
無料で試し読みができるサイト
・BookLive
https://booklive.jp/product/index/title_id/60013738/vol_no/001
・まんが王国
https://comic.k-manga.jp/title/115567/pv